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四谷怪談の現場を歩く

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『東海道四谷怪談』の舞台になった場所を訪ねます。
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記事一覧

四谷怪談の現場を歩く(1)

於岩稲荷-事件発生現場田宮岩さんのこと  お岩さんといえば、日本で一番有名な幽霊ではない…

土偶子
1年前
37

四谷怪談の現場を歩く(2)

埋葬地―妙行寺跡お岩さんの埋葬地(前)  JR信濃町駅の南側、新国立競技場のある側に出てす…

土偶子
1年前
26

四谷怪談の現場を歩く(3)

埋葬地―妙行寺於岩さんの埋葬地(後)  久しぶりに都電荒川線に乗った。以前に乗った時は交…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(4)

序幕―浅草寺事件の始まり  『東海道四谷怪談』は浅草寺の境内で始まる。  お岩の妹のお袖…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(5)

ここが地獄―姥ヶ池ウラ藪ノ内、地獄宿  浅草寺の二天門を出て隅田川に向かって進むと花川戸…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(6)

二つの殺人現場浅草裏田圃、浅間神社  浅草寺の裏は今ではビルが隙間なく建ち並び想像もつか…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(7)

民谷家の惨劇(前)もう一つのヨツヤ  東京メトロ副都心線の雑司が谷駅に来た。長いエスカレーターを何本も(たぶん四本)乗り継いで、漸く地上に出た。都電荒川線の鬼子母神前駅のすぐそばである。(ほとんど駅が上下に重なっているのに、なぜ同じ駅名にしないのだろう。ややこしいことに、都電の方は鬼子母神前駅の次が雑司ケ谷駅なのである。どう考えても、後からできた副都心線の駅名の付け方が不親切だ)  鬼子母神堂の参道を目白通りに向かって歩く。この参道に沿った商店街と、目白通りを渡ったところ

四谷怪談の現場を歩く(8)

民谷家の惨劇(後)怖いのは人間  現在、鬼子母神の参道は雑司ヶ谷二丁目、目白通りを渡った…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(9)

死体遺棄現場実録、戸板の男女  宿坂通りを下ると神田川に出る。江戸時代は江戸川といった。…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(10)

黒船稲荷南北の家  東京メトロ東西線に乗り、隅田川の下を通って門前仲町で降りた。この辺り…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(11)

隠亡堀の怪異漂流する遺体  新妻お梅と伊藤喜兵衛を殺害し、すべてを失った民谷伊右衛門は四…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(12)

死体発見現場―万年橋最終漂着場所  伊右衛門の前に突如現れたお岩と小平の死体。まるで、伊…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(13)

三角屋敷の奇妙仮面夫婦の家  お袖と直助(権兵衛と名を変えている)の家は、法乗院の門前に…

土偶子
1年前
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四谷怪談の現場を歩く(14)

畜生地獄小平の執念、お袖の義理  小仏小平の実家で繰り広げられる小塩田隠れ家の場は、今では上演されなくなった。お岩の幽霊譚に直接関係のない、付け足しのようなエピソードだからだろう。なぜ、南北はわざわざこの場面を書いたのだろうか。  小仏小平にも元となるモデルがいた。小幡小平次である。享保時代の役者で幽霊役を得意としていたというが、本当に実在したかどうかはわからない。芝居の関係者の間で語り継がれた伝説的人物だったようである。  小幡小平次は女房の間夫(愛人)によって殺されて