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season1 9話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

9.『キマワリ集めと冷たい陰り』


 ボウルタウンへ到着するヨーコ。

「芸術の町……。ジムリーダーさんも芸術家、と……」

 ぴっかりさん達と観光し絵を描き、宿に泊まる(喫茶室なぎさとファミレスバラトの間の建物のイメージ)。
 部屋にてコルサがくさタイプ、こっちは相性不利かもと数学の効果抜群について予習したことを思い出すが、やるしかないと覚悟を決め翌日ジムへ。ここでもネモと鉢合わせする。

「えっ! ヨーコ!?」
「ネモさん!」
「また同じジムでバッタリなんて、すっごい奇遇だね! ほーんと偶然……」
「「「「……」」」」

 ちょっとジト目になるヨーコ&ぴっかりさん達手持ちメンバー。

「勝負したくて先回りしてるとかじゃないからね! 嘘じゃないよ! その証拠に今回は勝負しないんだから! ……本当は戦りたいけど」
「やっぱし?」
「ぴっかりさん達、この前より強くなってる……!
 私もポケモン20匹くらい鍛えながら応援してるね!」
「あはは、ありがと」

 去っていくネモ。というわけでジムで受付。

「ボウルジムへようこそ! 挑戦者は、北條陽子さんですね」
「はい」
「当ジムリーダー、コルサと勝負するにはジムテストに合格する必要があります。
 ボウルジムのテストは、キマワリ集めです!」
「キマワリ集め?」

 キマワリを調べるヨーコ。

「ボウルは芸術の町。作品のモチーフとなる『自然』や自然をはぐくむ『太陽』に感謝しており、どちらの要素も持っているキマワリを集めてもてなす風習があるのです」
「なるほど」
「なので、ヨーコさんにはボウルタウンで、太陽のようなお花のポケモン、キマワリを見つけていただきます。10匹集めてキマワリ広場へとつれていけば、ジムテスト合格となります!
 まずはキマワリ広場の場所をマップに登録しますので、そこにいるスタッフから話を聞いてみてくださいね。ジムを出てすぐ右の、大きなキマワリのオブジェが目印です!」
「はい」
「それでは、いってらっしゃい!」

 外に出て辺りを見回す。すぐ見つかる。

「あそこじゃ」

 広場のスタッフに話しかけるヨーコ。

「すみません、ジムテスト受けに来たんですが」
「ああ、ジムテストの挑戦者の人だね! わたしはキマワリお姉さん! ジムのキマワリ達のお世話係なの。 さっそくキマワリ達には町中に散らばってもらおっか!」

 それから、お姉さんの号令で一斉に散らばっていくキマワリ達。しばらくしてボウルタウンのあちこちからキマワリの声が。

「キーマーキー!」
「キマワリたち、準備できたって!」
「はい」
「じゃあジムテスト開始! キマワリを10匹集めたらこちらキマワリ広場へつれてきてね。いってらっしゃい! キマワリ達をよろしくね!」

 町を駆け回るヨーコ。よく見たり声をあてにしたり時に勝負になったりしながらも倒したりして10匹集める。キマワリ広場に入っていくキマワリ達。

「キマワリ集めてくれてありがとう! ジムテスト、合格よ! ジムの受付まで報告しに行ってね」
「はーい」

 受付再び。

「キマワリを10匹! 広場に集められたようですね! ジムテスト合格です! おめでとうございます!」
「ありがとうございます」
「ヨーコさんには、当ジムリーダーと勝負する資格が与えられます。
 ネイチャーアーティスト……、ジムリーダー・コルサに挑みますか?」
「はい、お願いします」
「それでは、バトルコートにご案内いたします」

 風車のとこのバトルコートへ。到着するなり上から声が。

「挑戦者よ!」
「ん?」

 見上げると、風車の羽の上に男性が。

「とうっ!」
「わっ!」

 スタッ! と着地!

「よくぞ来た!」
「はあ」
「ワタシはコルサ。くさポケモン専門の芸術家。ボウルジムのジムリーダーでもある。
 キサマのジムテスト、風車の上から見ていたぞ」
「なんと!?」
「キマワリを見つけ出すその洞察力だが……、じつにアヴァンギャルド!!」
「アヴァ……???」

 急いで調べるヨーコ。

「前衛、最先端……。ひとまずええ言葉みたい」
「その審美眼が勝負でも発揮されることを祈っているぞ。それではワタシ達ふたりの合作アートを作るとするか!」
「は、はい、お願いします!」

 勢いに押され勝負の準備。

「準備はいいな!? 成形……、開始だ!!」

 コルサの先鋒、チュリネ。ヨーコの先鋒はまんじゅう。

「芸術とは破壊と創造! 養分にならぬようあがくことだ!」

 チュリネのメガトレインをくらうも、さっそくどくびしをまくまんじゅう。ねむりごなをなんとかかわし、ポイズンテールで効果抜群。しかしチュリネ倒れずメガトレインで取り返される。だがポイズンテールの攻撃を急所にあて勝利。
 コルサの次のポケモンはミニーブ。まんじゅう続投。
 どくびしにより毒をあびるミニーブに、すかさずポイズンテール。効果抜群で一発で沈める。

「ありがとうまんじゅう」

 まんじゅうを戻し労うヨーコ。

「なかなか見所がある! 作品完成まで一気に導くぞ!」

 コルサの最後のポケモンはウソッキー。



「さらなる細工をくわえよう! 題して、『ウソから出た実(まこと)』!!」
「え」

 ウソッキー、テラスタル。草タイプ!
 ヨーコ、生唾を飲み込むが、覚悟を決めて、

「えっとそばえて、わっぷるさん!」

 わっぷるさんをテラスタル!

「アートはときに速さが命! スピードを上げていくぞ! くさわけ!」
「わっぷるさん、つばさでうつ!」

 つばさでうつをくらわそうとするが、それよりも早くウソッキー、くさわけ!
 効果抜群により砕けるテラスタル。倒れるわっぷるさん。

「そんな……、カエデさんよりも早い……」

 愕然とするヨーコ。バトル学でのタイプ相性を思い出すのと同時に、予想外の素早さに呆然。

「ま、まんじゅう行ける?」

 まんじゅうを出すも、やはりワンパン。

「ぴっかりさん!」

 ぴっかりさん出る! 気合いを入れるぴっかりさんだが、無常にもくさわけをくらい、あえなく倒れてしまう。
 手元に戦えるポケモンがいなくなったヨーコ。
 そんなヨーコを見つめ、静かに語りかけるコルサ。

「……キサマの審美眼は悪くない。成形はいつでも付き合ってやる。……今は、ひとまず休め」

 踵を返して去るコルサ。黙って頭を下げるしかないヨーコ。
 涙が溢れ、目の前が真っ暗になった。

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