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season6 14話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

14.『その竜王、勝負を好み』


「カキツバタさん」

 ヨーコ、バトルコートに戻ってカキツバタと向き合う。

「ようキョーダイ、オイラと勝負すっかい?」「はい」
「よしきた、いっちょやるかあ!」

 嬉しそうにうなずくカキツバタ。位置に付くふたり。ヨーコは走って、カキツバタは歩いて。

「えーっと、このへんでいっかぁ」

 ヨーコが見る中、ようやく位置につくカキツバタ。
 カキツバタ、振り向き、

「ヨーコが戦う姿……、そういや、コートの外からしか見たことなかったっけか。こうやって正面切んのは初めてだねぃ」
「ああ、ほうですね」

 カキツバタ、真面目な顔になり、

「ブルベリーグ……、キョーダイにゃ勝ってもらわねえとこまる」

 腕を組みしみじみと

「こまる。非常~にこまる!」
「はあ」(汗)
「……とはいってもよ」

 カキツバタ、真剣な眼差しになり、

「ここで手え抜いたら、オイラが楽しくねえからなあ。ちいとやる気、出させてもらうぜ」

 ヨーコ、居住いを正す。

「……ま! 堅苦しいことなんざねえか。ヨーコはいつもどおり戦ってくれりゃあいいのよ。ツバっさん的にはゾクゾクしてるぜ」

 なんとなく喜びを隠しきれないカキツバタ。こんな時だというのに、ヨーコも思わず笑みを浮かべている。

「そいじゃあ、ぼちぼち始めっかぃ。──楽しくやろうぜ、キョーダイ!」
「ほうですね! ポケモン勝負はそうでないと!」

 ヨーコもうなずく。カキツバタ、不敵に笑いフライゴンとカイリュー出す!

「ちゃあんと勝ってくれよ? 期待裏切ったら泣いちゃうぜ」

 笑うカキツバタに、

「ご心配なく! さんさん! ポンさん!」

 ヨーコも最初の2体出す!
 フライゴンさっそくほのおのパンチ! かわすさんさん。ポンさんがツタこんぼうでたたみかけるも倒れず。
 カイリュー、さんさんにかみなりパンチ! さんさん、まひして動けなくなる。
 と、フライゴン、ポンさんにほのおのパンチ!
 効果抜群だが、お返しにツタこんぼうを急所当ててとどめ!

「カーッ! たまんねえな! ツキまでたぐりよせるたあ!」
「ツキも実力の内です!」
「へっへっへ、ちげえねえ! カイリュー、おいかぜ!」

 カイリュー、翼でおいかぜ! まけじとさんさんアイススピナーをくらわす。効果抜群だがそこまでじゃない。

「おーっ!? バツグンときたか! 弱点少ねえはずなんだけどよ!」
「さすがドラゴンポケモンさん、固いわー」

 と、オノノクス、じしん攻撃! カイリュー効かず、さんさん効果抜群、ポンさん今一つ。
 カイリューのアイススピナーをポンさん華麗にかわし、はたきおとすでオノノクス牽制。さんさん、アイススピナーをカイリューにぶち当て倒す!
 カキツバタ、カイリューの代わりにキングドラ出す。キングドラ、さっそくぼうふうをポンさんに放つが、かわしてツタこんぼう!
 さんさん、アイススピナーでオノノクス倒す!
 オノノクスの代わりにジュカイン出る!
 ジュカインのシザークロスがポンさんに襲いかかるがかわす。が、キングドラのぼうふうに捕まり倒れるポンさん。
 さんさん、スピードスターを放ってキングドラ倒す。
 カキツバタ、キングドラの代わりにブリジュラス出す!

「ブリジュラス?」
「最近見つかったジュラルドンの進化系だ。特別な道具で進化するんだぜぃ? かっけえだろ」
「確かに! でもうちの相棒兼切り札もかっこええですよ!」

 ヨーコ、ポンさんの代わりにわっぷるさん出す!

「わっぷるさん、テラスタル!」

 わっぷるさんテラスタル!

「たぎれ、竜の血。すべてを支配しろぃ」

 カキツバタもブリジュラスをテラスタル!
 勝負、最終局面!



 と、ジュカインがドラコンエール! ブリジュラスはりきる。
 わっぷるさん、アクアステップでブリジュラスにしかける! 効果今一つだが素早さ上げる。
 が、ブリジュラスも特性:じきゅうりょくにより防御上がる!
 さんさんはジュカインにアイススピナー! だが倒れない!

「むちゃくちゃにぶっ放す! どこにだって逃がさねえよ?」

 ブリジュラス、電気を吸収し始める!

「まずい、わっぷるさん、アイス……」
「ジュカイン、リーフストーム!」

 リーフストームでわっぷるさん倒れる!

「テラスタルを封じられた……」
「そうは問屋がおろさねえ」
「さすが先代チャンピオン、お強い……」
「そんじゃくらえ、必殺エレクトロビーム!」

 エレクトロビームがさんさんに放たれる!
 だがさんさんギリギリで持ちこたえる!

「さんさん、動ける?」
「サン!」
「ほいじゃまずはジュカインさんにアイススピナー!」

 元気にアイススピナー! ジュカイン倒れる!

「頼んだ相棒!」

 その隙にぴっかりさん出すヨーコ!

「いかづちおろし!」

 いかづちおろし炸裂! ブリジュラスの体力を削ることは出来たが深手ではない。ブリジュラス、ぴっかりさんに至近距離でりゅうのはどう。倒れるぴっかりさん。

「今の技なかなかだったぜぃ? まぁブリジュラスは切れないわけだが」
「ほいじゃ」

 ヨーコ、ツノじろう出し、

「力比べしましょうか!」
「おうよ!」

 ツノじろうフレアドライブ! 効果今一つだが、いかづちおろしの傷が溶けて体力削れる。
 ブリジュラスじきゅうりょくが上がるも、さんさんめげずにアイススピナー! 効果抜群かつこれまた傷に入ってボロボロになるブリジュラス。
 しかし竜は倒れない。エレクトロビームを放つべく電気をためる。

「たたみかけえ!」

 ツノじろう、フレアドライブ! しかしギリギリで耐え抜いたブリジュラス!
 カキツバタ一瞬の隙を狙い、

「ブリジュラス、エレクトロビーム!」
「さんさん、アイススピナー!」

 ぶつかり合う技と体! さんさんエレクトロビームを分散させブリジュラス貫く!
 傷が完全に凍り、ブリジュラス倒れる!
 ヨーコ勝利!!
「やったぁ!!」

 2匹と喜ぶヨーコ。

「そうこなくっちゃねぃ」

 大笑いしながらしみじみ言うカキツバタ。ヨーコがみんなを回復させてると、

「へっへっへ! べらぼうに楽しかったなあ。特にアンタの相棒のピカチュウ! ありゃ新技かい?」
「はい! ふたりでがんばって編み出しました!」
「そうかいそうかい! あんないい技見せてもらえるたぁついてるぜ! いやーヨーコ……、キョーダイをリーグ部に誘ってよかったぜぃ」

 カキツバタ、改めてしみじみし、

「オイラに勝ったからにゃあ、正式入部するっきゃねえな! な!? いいだろぃ!?」
「え、むしろええんですか?」
「あたぼうよ!」
「じゃ入部します!」
「へっへっへ! 気前いいな! そいじゃ部員名簿で使う写真、撮るとすっかぃ!」

 笑顔でパシャリ。
 画面を確認すると、

「……写真はっちゃけすぎって、タロに怒られそうだな」
「あはは……」(汗)
「あと……、なんかあったな」

 カキツバタ少し考え込む。

「他の皆さんはわざマシンくれましたけど」
「あー、そっか、四天王負かしたやつにゃわざマシンやるんだったか? 持ち合わせがねえからちょいと待ってな」

 えっほえっほと駆け出すカキツバタ。

(走り方かわええ……)



 数分後。

「悪い悪い、ちょっくら待たせちまった」
「あ、どうもです」

 ツノじろうとぴっかりさんで暖を取っていたヨーコ。ツノじろうを戻す。

「あ、ブルベリーグ四天王はまるごと倒されちまったな」

 ふと気づくカキツバタ。

「んで……。ほい、これが約束のブツな」

 ドラゴンエールのわざマもらう。

「ありがとうございます、って……」
「ホコリかぶってんのは気にすんなよな」

 からから笑うカキツバタ。ホコリまみれわざマに(汗)なヨーコ。

「いやー、あっちゅー間にブルベリーグかけあがっちまったな。ここに来てからまだ1月と半分くらいだぜ?」
「ありゃ、もうそんくらいじゃったかね?」
「……と、くりゃあ、このままテッペン目指すっきゃねえだろ、キョーダイ!」

 顔を引き締めうなずくヨーコ。足元のぴっかりさんも小さくガッツポーズ。
 カキツバタ、不敵に笑い、

「ブルベリーグ四天王、全員に勝った者だけが! ブルベリーグ現チャンピオン、スグリのやつに挑めるってんだ!」

 と、カキツバタの後ろから、

「いい加減待ちくたびれたよ」

 スグリが姿を現した。

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