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season6 11話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

11.『鋼の心の裏側は』


「ネリネさん」

 バトルコートに戻り、真剣な顔になるヨーコ。ネリネ、少し嬉しげに、

「ネリネと戦闘を開始しますか?」
「はい、お願いします」
「心得ました。戦闘態勢に移りましょう」

 ヨーコうなずき、ネリネ共々位置につく。

「定位置に到着」

 踵を返すネリネ。

「……ネリネは、アナタに聞いてみたかったことがひとつ」

 曇る眼鏡に手をやるネリネ。

「──ヨーコは、スグリをどのように認識しているのですか?」
「え、どのようにって……」

 ヨーコ、少し首をかしげて、

「そりゃあ、友達です」
「友……、ですか」

 ネリネうなずく。眼鏡戻る。

「はい」

 素直にうなずくヨーコ。

「ネリネにとっては、友、ゼイユの令弟」

 真剣な顔になるネリネ。少し雰囲気が変わったことを感じるヨーコ。
 ネリネ、顔を横に向け、

「今の彼は、以前とは違う。……ネリネも、案じています」

 ネリネの声色が熱くなる。

「そして願わくば、ネリネが彼を救いたい」

 ヨーコ、思わずぱちくり。ネリネ、ヨーコを見据える。

「したがって、負けることは許されません」

 静かで、強い光を宿す瞳。ヨーコ身構える。
 ネリネ、懐中時計を確認。

「……戦闘を、開始します」
「……はい」

 お互い身構える。ネリネはエアームド&アローラダグトリオ出す!

「エアームド、ダグトリオ、スタンバイ」

 ネリネ、懐中時計に目をやる。

「時間通り終えましょう」
「頑張って早めに終わらせます! わっぷるさん! ポンさん!」

 ヨーコも2体出す!
 ダグトリオ、さっそくじしんをしかける。エアームド効果なし、わっぷるさん達少しダメージ。
 ポンさんローキックをダグトリオにかましてワンパン!
 特性カーリーヘアで素早さ下がるも、こちらも特性まけんきで攻撃上がる。

「相性不利を確認……! 虚をつかれメガネが曇りました」

 曇る眼鏡に手をやるネリネ。

「く、曇るんじゃねそれ……」(汗)

 気を取り直したネリネ、

「エアームド、ステルスロック」

 エアームドが場作りを終え、エンペルトを出す。
 ポンさん、念のためエアームドをちょうはつ。見事に乗るエアームド。
 くさむすびをわっぷるさんにくらわすエンペルト。効果抜群だが耐えるわっぷるさん。切り返しにかわらわりをエアームドにくらわす! しかも急所あて!

「このような不運もあるのですね」

 どこか楽しそうなネリネ。

「勉強になりました。ありがとう」
「どうも、相棒の実力です! ポンさんツタこんぼう!」

 ポンさんツタこんぼう! エアームドの羽にダメージを追いながらもとどめ!
 しかしエンペルトのくさむすびでわっぷるさん倒れる。
 代わりに登場ぴっかりさん。ネリネはハッサム。

「さて、あの技やりますかぴっかりさん」

 不敵に笑うヨーコ。

「ぴっかりさん、いかづちおろし!」

 ぴっかりさん、エンペルトに肉薄!

「エンペルト、ハイドロ……」

 攻撃くらう前にエンペルトを一撃でしとめる!!

「……お見事」

 思わずため息のネリネ。しかしすぐに冷静になり、

「しかし戦闘はまだ続いています」

 ポンさん、ハッサムにツタこんぼう。今一つでも急所あて! だがつばめがえしを返され倒れる。

「う……、失礼しました」
(なんじゃろ、やっぱり、熱を感じる)

 べとべとさん出すヨーコ。ネリネはランクルス。
 ぴっかりさん、ランクルスにはたきおとす攻撃。効果抜群。べとべとさん、ついでにハッサムを挑発。こちらも見事に乗るハッサム。
 ぴっかりさんにとびつくハッサム。なんとかもちこたえ、せいでんきを浴びせるぴっかりさんだが、ランクルスのサイコキネシスに倒れる。

「ありがとう、ぴっかりさん」

 相棒に礼を言うヨーコ。

(強い。やっぱり、何かを背負うとる人は、本当に強い!)

 ヨーコ、ペパーやボタン、スター団の面々を思い出し、

「初陣じゃ、頼んだ!」

 ちっちらさん出す!



 出るなりちっちらさんハイパーボイス! ハッサムに効果は今一つだが、ダメージは加えられた。
 べとべとさん、ランクルスを挑発。やっぱり乗るランクルス。べとべとさんにとびつく攻撃をくらわすハッサム。べとべとさん耐えるも素早さが下がる。10まんボルトをハッサムにくらわすちっちらさん。大ダメージだがたおれず、とびつく攻撃で大ダメージを負う。
 べとべとさん、ランクルスにはたきおとすを食らわせてしとめる。
 ネリネ、メタグロスに交代。ヨーコもちっちらさんを戻しツノじろうに交代。

「……時間が押しています。そろそろ決着とまいりましょう」

 口調の割には何だか楽しそうなネリネ。メタグロスをテラスタル!
 ヨーコも大きくうなずく。

「ええ! まずはべとべとさん、かえんほうしゃ!」

 ハッサム倒す! が、

「体力があればあるほどに、この技はアナタを苦しめる」

 メタグロス、ツノじろうにハードプレス! 大ダメージだが、耐えるツノじろう。

「ぶち燃え上がって、ツノじろう!」

 ツノじろうをテラスタル!

「メタグロス、しねんのずつき」
「ツノじろう、フレアドライブ!」

 かち合う2匹! だがべとべとさんのげっぷの手助けを得て貫くツノじろう! メタグロス倒れる! ヨーコ勝利!

「か、勝ったぁ……」

 ネリネ、メタグロスを戻し、眉を下げる。

「ネリネでは……、ダメですか」
「ネリネさん……?」

 ネリネ、ヨーコの元に来て、

「ポケモンの強さ。それは思いの強さ」

 ついと顔をそむけ、

「──スグリを思う気持ちは、ネリネよりヨーコのほうが強いのですね」
「そんなことないです!」

 強く首を振るヨーコ。

「スグリさんを助けたい、元に戻ってほしい気持ち、ちゃんと伝わりました! 勝負の時だってそれが伝わるくらい熱かったです!」

 ネリネ、少し目を見開き、かすかに笑う。

「ヨーコ……、優しいです」

 いつもの調子に戻り、

「さて、ヨーコ」
「はい」
「ネリネに勝利した記念です。撮影を開始しましょう」

 パシャリ。ハートマークポーズをとって。

(うん、確かにおもろい人じゃ)

 写真を確認しながら思うヨーコ。

「続いて、ネリネの技も譲渡」

 ネリネ、ハードプレスのわざマシンくれる。

「ありがとうございます」

 ネリネ、ぴしっと横を向き、ヨーコをしっかり見て、

「──スグリを救いたい気持ち、……ヨーコに託します」
「はい!」

 ネリネ、懐中時計を確認し、

「……時間です。ネリネは去ります」

 歩き出すネリネ。

「さようなら」
「ありがとうございました!」

 お辞儀で見送るヨーコ。

(熱いお人じゃ)



 しばらくしてカキツバタがやってきた。

「おーす、未来のチャンピオン」
「どうも、カキツバタさん」
「1ヶ月くらいでもう四天王倒したのが3人目たぁ、すげえ飛び越えて怖えよ! スグリでも3ヶ月くらいだったぜぃ」
「はあ、どうも」

 ヨーコ、少し困惑。カキツバタ少し笑い、

「ネリネのやつ、おもしれえだろ? あいつがゼイユと話してっと不思議と噛み合ってんのがまた笑えんだよな」

 笑うカキツバタ。

「ああ……、確かに」

 ヨーコ納得。カキツバタしょんもりして、

「ネリネはよ、マジメで堅物で……、でも人一倍繊細なんだ。誤解されやすいけど、ヨーコはわかっといてくれよ」
「ええ、もちろんです」

 ヨーコ、しっかりうなずく。

「あそこまでクールで熱い人はおらんと思います」

 カキツバタ、ふっと笑い、

「しっかし、キョーダイみてえな才能……、間近で見せられたら、そりゃスグリのやつも影響されちまうか」

 ヨーコ、それに関してははっきりと、

「どうじゃろう、それに関してはうちの相棒達の実力もありますけえ、うちの力だけじゃないと思っとります」
(でも、やっぱり、なんか違う気がする……。この世界の片隅にいるのを、嫌っているような、どんな手を使ってでも真ん中に行きたいような……。そんな感じがする)
「……だよな。トレーナーはそんなもんだよな」

 カキツバタ、気を取り直したように、

「……さてっと。残るラスト天王は……、オイラかい」

 大きく伸びをし、少し不敵な顔になるカキツバタ。

「しんがりにしてくれたおかげで、ゆーっくり準備できたぜ」
「どうもです」

 ヨーコぺこり。

「そいじゃ、がんばってくれーい」
「お疲れ様でしたー」

 ヨーコ、ゼイユとネリネの言葉を思いだし、改めてスグリと落とし前を着けることを決意する。

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