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season1 2話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

2.『冒険は突然に』


 冒頭、謎のポケモン(ミライドン)が飛んでくる(ゲームの冒頭部分)。
 力尽き、コサジの灯台のあたりの海にドボン。



 一方、北條家にお茶を呼ばれるクラベル。

「せっかくじゃし、お茶でも飲んで行ってつかあさい」
「いえいえ、お構い無く……」
「さあさあ、どうぞこちらへ」
「……それでは、お言葉に甘えて」

 出勤する周作と径子を見送ってから、リビングでヨーコについて話すすず。



 そのころ、ぴっかりさんとわっぷるさんと共に歩き出したヨーコの元にネモが。

「ヨーコ!」
「ネモさん」
「クワッスが仲間になったんだ! じゃ、さっそく勝負しよっか!」
「勝負? どこで?」
「うちの裏にビーチがあるから、そこで!」

 ビーチのバトルコートに案内されるヨーコ達。
ヨーコはびっくり。

「お、お家の裏にバトルコート……」
「ポケモンと一緒にいれば、誰もがポケモントレーナー! わたしたちポケモントレーナーは、ポケモンを戦わせて強くするんだよ! ヨーコ、準備はいい?」
「あ、うん、いつでも大丈夫!」
「やった! 待ってました! 今回のわたしのポケモンは……」

 そこで、クラベルがやってくる。

「ネモさん」
「あ、クラベル先生」
「ヨーコさんはポケモン勝負をしたことがあるとはいえ、初心者! ですからね」
「アハハ……。うっかりいつものポケモン、くりだりしゃうところでした」

 たは~、なネモ。すぐに気を取り直し、

「ええと、それなら……、ホゲータの修行がてら!」
「じゃ、うちも今回はわっぷるさんだけで!」

 コートに立つふたり。ぴっかりさんはサイドでクラベルとともに見守る。

「ヨーコ! 実りある勝負をしよっ!」

 さっそくみずでっぽうとひのこのぶつかり合い! 競り勝って効果抜群!

「みずはほのおに強い! そうそう、予習はばっちりだね!」
「訳あって勉強したけえね!」

 ホゲータ、にらみつけるでわっぷるさんのうごきをとめ、たいあたり。
 ホゲータから再びたいあたりを受けたところで、わっぷるさんいなしてはたき、ふらついたところにホゲータにみずでっぽう! 勝利!

「へぇー、やるね! スター団を追い払っただけはあるよ! 絶対もっと強くなる!」
「えへへ、ありがとうございます……」
「じゃ、違う戦法も試したいし、もっかい勝負しよーっ!」
「え」

 固まるヨーコ。咳払いで止めるクラベル。

「コホン! ヨーコさんもクワッスさんも疲れておいでですよ」
 「あ、すみません、興奮しちゃってついつい……。ごめんねふたりとも」
「ううん。ぴっかりさんもおるし、またやろう」
「ピッチュ!」

 コテンパンにしてやるからね! なぴっかりさん。

「えへへ……、ありがと、ヨーコ」

 ネモ嬉しげ。クラベルも微笑んで、

「この前出会ったばかりなのに、もう仲良しさんですね。チャンピオンとして、色々教えてあげてください」
「はーい! あ、そうだ。ヨーコ、スマホロトム持ってる?」
「うん。ついさっきお父さんからもろうたばかりじゃけど」

 ヨーコ、言いながらスマホロトム取り出す。

「なら、あのアプリいれなきゃね! ちょっといじらせてね」
「うん」
「これをこうして、と」

 画面を操作するネモ。少しして、

「はい!」

 ヨーコが画面を見ると、ポケモン図鑑がインストールされていた!

「おお、噂のポケモン図鑑!」
「そ! ポケモントレーナーなら要チェック! 担任のジニア先生が作った、すごいアプリなんだー!」
「私の時代は、図鑑と言えばノートに手書きでしたから、本当に頼もしい世の中です」

 クラベルしみじみ。ヨーコはうなずき、ネモはびっくり。

「おじいちゃんとおばあちゃんも言うとりました」
「図鑑を手書きって大変すぎっ! 想像も出来ないですよ!」
「フフ、そうでしょうね……。しかし時代は変われど、ポケモンと出会う素晴らしさはいつの世でも色あせません。出会いの数だけ、あなたたちに大きな成長をもたらすでしょう」
「「はい!」」

 ヨーコとネモ、元気なお返事。ぴっかりさんもこっくりうなずく。

「では、私はネモさんのご家族とお話がありますので、ネモさんにはヨーコさんをアカデミーまでご案内してくださると助かるのですが……」
「もっちろん! まかせてください!」
「お願いしまーす」
「ピーチュ」
「頼りにしていますよ」

 ということでネモと一緒に登校することに。すると、

「ヨーコちゃん」

 道の向こうからすずが駆け寄ってきた。

「お母さん」
「そちらは?」
「生徒会長のネモさん。さっそく友達になったんじゃ!」
「ネモです」
「初めまして、北條すずです」

 ネモ、すずの右手に気付き思わず、

「あ、右手……」
「ああ、ちいとね」
「すみません!」

 素直に謝るネモ。すず笑って、

「ええよ、気にせんで」

 ヨーコ、ぴっかりさん共々首をかしげて、

「お母さんどしたん?」
「おこづかいとお弁当と、おやつ渡すの忘れとった。最近流行りのサンドウィッチ作ってみたんよ」

 サンドウィッチの包みと『クスノキ饅頭』とかかれた箱を手渡すすず。

「やった! あ、クスノキ饅頭じゃ!」
「今日から寮生活じゃけ、しっかりご飯たべるんよ」
「うん」
「あとこれ、径子お母さんたちから」

 キズぐすりとモンスターボールの包みを渡すすず。

「ぴっかりさん達が傷付いたら使ってあげるんよ。ボールは、新しい仲間に出会った時にね」
「うん!」
「……これからお家を離れて、初めてづくしの毎日が始まるけえね、楽しいことも大変なこともいっぱい経験してきんさい。
じゃけどいつだって帰ってきてお休みしてもええんよ。あんたとあんたの相棒達の居場所は、いつだってここじゃ」
「……うん!」
「ほいじゃあ、みんな気を付けてね」
「はーい!」「ピーチュ!」

 歩き始めるヨーコとネモ。コサジの小道に入ると、ぴっかりさんがきのみを拾ってくれたりする。

「ヨーコのお母さま、優しくていいね」
「えへへ、ほうじゃろ」

 と、野生のグルトンが歩いてきた。

「あ、あそこに野生のグルトンが!」

 ヨーコ、さっそく図鑑で確認。ネモ、説明してくれる。

「町と違って、道や草むらには野生のポケモンがいるんだ! 近付くと戦うことになるけど、ポケモンがいるなら大丈夫!」

 そしてポケモンゲットの方法を見せてもらうことに。パモを出して電気ショックを浴びせ、

「ポケモンを弱らせて、投げる!」

 ボールを投げる! が、失敗……。逃げていくグルトン。
 ※ネモのサポーターの話もここで。

「あ、あの灯台は?」

 しょんもりしているネモ気をそらすため、灯台を指差すヨーコ。

「コサジの灯台! あそこからアカデミーが見えるんだよ! ひとまずそこを目指そうか」

 ポケモンを観察したりきのみを拾いながら歩いていくと、突然、

「グギャォォォ!!」

 どこからともなく謎の咆哮が。

「ピチュ!?」
「何!? 今の……!?」
「ポケモンの声、かね……?」

 みんなでキョロキョロしている間にも聞こえる。

「オオオ……」
「でも知らない鳴き声! 強いポケモンいたりして! ヨーコ、声の出どころを探してみよっ!」
「うん!」
「このへん、危ない洞窟もあるから、そこには行かないように! スマホロトムの安全機能があるけど、崖には気を付けてね!」

 あちこち探すもよくわからない。そして残った場所である灯台近くの崖にそっと近付くと(ぴっかりさんヨーコの肩に乗る)、謎のポケモンが倒れている。   
 弱っているのかデルビル達に吠えられている。

「アギャアアアアオ!!」

 ようやく立ち上がり、威嚇する謎ポケモン。辺り一帯が震え、

「え、ちょ、ええええええ!?」
「ピーチュー!?」

 崖から落っこちるヨーコとぴっかりさん!



 しかしスマホロトムの安全機能で助かる。
 ふたりで胸を撫で下ろして見ると、尻尾をまいて逃げるデルビル達。変わらず弱っている謎ポケモン。恐る恐る近付く。

「……グゥゥ」
「……ピーチュ?」

 ヨーコの肩から首をかしげるぴっかりさん。

「……お腹、すいとるんかね?」

 迷うことなくサンドウィッチの包みを取り出し、破いて差し出すと、謎ポケモンは匂いを嗅いでヨーコとぴっかりさんを見る。

「……アギャ?」
「……食べる?」

 ヨーコの問いに答える代わりに、バクッ……、と一口。そのままガツガツ咀嚼し立つ。

「アギャアス」
「よかった。饅頭は食べんでも大丈夫そうじゃね」
「ピチュ」

 謎ポケモン、どうやら後ろの洞窟を見ているらしい。のそのそ歩いていくと、

「アギャアアアス!!」

 一声吠えて体が光る!

「アギャアアアス!!」

 四つ足から竜のような姿へ、フォルムが変わる。呆然と眺めるヨーコとぴっかりさん。
 ちらりとふたりを見る謎ポケモン。そのまま洞窟へ。

「あ、待って……」

 ヨーコの言葉も気にせず、謎ポケモンは洞窟へ。そしてヨーコ達を待っているそぶりを見せる。
 ヨーコ、ぴっかりさんと顔を見合せ、謎ポケモンについていき、入り江の洞穴へ。
 それから謎ポケモン先頭に歩き出すヨーコ。

「おーい! ヨーコー! ぴっかりさーん!」

 入って少しすると、遥か上の穴からネモが。

「ネモさーん! ここー!」
「ピーチュー!」

 手を振り上げるヨーコとぴっかりさん。謎ポケモンはいったん止まってくれている。

「いた! ふたりとも大丈夫!? 怪我してない!?」
「スマホロトムさんのおかげで大丈夫ー!」
「よかった……。本当に心配した……!」

 胸を撫で下ろすネモ。

「わたしが声の出どころ探そうとか言い出したから……。ううん! 今はとにかくこの状況を解決しないと!
 どうにか上まで登ってきて! 近くに来てくれたらポケモンの技で引っ張りあげるから!」
「わかったありがとう! 行こう、ぴっかりさん」
「ピーチュ」

 ひとまず謎ポケモンについていくことにしたふたり。

「ところで、ふたりの前歩いてるポケモン何!? 強そう!」

 上から呼びかけてくるネモ。声が反響するので、普通の大きさでもよく響く。

「うーん、見た目的に、ぴっかりさんと同じでんきタイプかねぇ。あとドラゴンタイプ?」
「っぽいねー。それにヨーコ達のこと気にしてる? ついて来いって言ってるのかなー?」
「みたい……」

 話している内に岩を壊す謎ポケモン。デルビルが逃げていく。

「ありゃ!」
「わっ、わーっ! すごいすごい!」

 慌てて追いかけると、ヘルガーがじっと見てる。
 こっそり駆けていくヨーコ。
 でもその先でデルビルがわらわら。謎ポケモンが威嚇し追い払う。

「あ、ありがとうございます……」
「ピ……」

 恐る恐るお辞儀するヨーコとぴっかりさん。

「この洞窟、暴れん坊のデルビル達が棲んでるんだ!」
「うん、気をつけて、歩いてる」

 その間にも岩を壊す謎ポケモン。

「岩が壊れちゃった!? すごい破壊力!
なんて技なんだろう!? もっと近くで見せてほしいなー!」
「ネモさんは本当にポケモン勝負が好きなんじゃねえ」

 ヨーコ思わず笑う。と、ネモ緊迫した声で、

「あ! 気を付けて! 何か来てるよ……!」
「え……?」

 身構えるヨーコ達。

「後ろ! 後ろー!」

 振り向いた途端、ヘルガーが立ちはだかる!
 ヨーコを守るべく戦闘態勢に入るぴっかりさん! でもヘルガーのあまりの気迫に動けない。
 そしてヘルガーが襲いかかろうとした刹那、察した謎ポケモンが助けに来てくれる。しかしヘルガーもデルビル達を呼び、囲まれてしまうヨーコ達。
 多勢に無勢。雷を出そうとする謎ポケモンだが、ヨーコとぴっかりさんも囲まれてるのを見て即座に駆けつけ、ヨーコを抱き上げる。

「わっ!」「ピッ!」
「おーい!」

 謎ポケモンと見上げると、ネモが手を振っている。いつの間にかネモの真下に来ていたのだ。

「こっち! 急いで!」

 謎ポケモン、一気に飛び上がり、ネモの元へ。思わず拍手を送るネモ。
 おろしてもらうと、ネモ大興奮。

「すっごい身のこなし! 危機一髪だったね!」
「本当にありがとう、謎ポケモンさん」
「ピーチュ!」(まぁ感謝してやるわよ!)

 黙って外に目を向ける謎ポケモン。そして外に出ると、四つ足の姿に戻り倒れてしまった。

「謎ポケモンさん!」
「ピチュ!」
「大丈夫!?」

 駆け寄るヨーコ達。

「力を使い果たして疲れちゃったのかな……?」
「うん。ずっとうちらを守ってくれんさっとったし……」
「何だろこのポケモン……。モトトカゲってポケモンに似てるけど」

 図鑑でモトトカゲを見るヨーコ。

「ホント、似とりんさる」
「でもこんな姿見たことない。いきなり形が変わったけど、大丈夫……、なのかな?」
「どうじゃろ……、わかんない……」
「ヨーコにもわからないんだ……」

 ネモ、ハッとして、

「──っていうか本当、無事でよかった!! にしてもさっきの戦いすごかった。ヘルガー相手に、謎ポケモンと息ピッタリじゃん!」
「え、うちなんもしとらんよ?」
「えー! この子に指示出してなかったの!?」
「うん。まだうちらの仲間になっとらんし……」
「そう……、まだヨーコのポケモンになったわけじゃないんだ」

 と、立ち上がる謎ポケモン。

「謎ポケモンさん」
「あっ、良かった! ちょっと元気出たみたい。さっきの謎の声……、正体はこの子だったのかな」
「うん」
「ギャオス……」

 少し動く謎ポケモン。目を輝かせるネモ。

「く~ッ! 見れば見るほど不思議なポケモンだね! ヨーコのポケモンになったら、絶対、勝負させてねっ!」
「う、うん……」(汗)
「そうだ、もしものときのために、連絡先交換しとこっ!」

 スマホロトムを出して連絡先交換。互いのスマホロトムが電波をだす。

「はー、こうして色々送るんじゃねえ」
「それと、強いポケモンと戦うための技を覚えさせる道具もあげとくよ!」

 スピードスターとかみなりパンチのわざマシンをくれるヨーコ。

「へー」
「わざマシンは一回使うとなくなっちゃうから、注意してね」
「使い捨てCD的な感じなんね」
「大変な目にあったし、ちょっと休憩ー!
灯台にのぼってひと休みだ!」
「うん!」

 灯台までてちてち歩く。すると人影が。
 みんなで近寄ってみると……。

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