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season10 19話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

19.『教師の役目』


 授業準備と重なり生徒たちの質問が相次いで、最近寝不足気味のヨーコ。久夫に心配されつつ部室でゆっくりしていると、タイム先生がやってきた。代わりにお茶を出してくれるタロ(ハーブティー)。

「いきなりだけど、ヨーコさんに復習問題出しちゃおうかしら?」
「がんばりまーす」
「通常ポケモンの技が急所に当たる確率はいくつでしょう?」
「え、4%ですよね?」
「はい、よくできました! さすがヨーコさん! 学んだ知識が身についていますね」

 タイム先生、ため息をついて、

「先生ね……、ブルーベリー学園で生徒たちを見てると不安なの。授業のほとんどが、バトル学とか勝負に関するものばかり……」

 お茶を飲んで、

「将来、その知識が活かせる仕事に就ける人はいいわ。でももし夢破れたら……? ほかの道まで閉ざされちゃわない? 数学や家庭科、言語学……、いろんな未来があるよって知っているのは大事よね。無駄な勉強なんてないって、先生思うんだけど……」

 黙って聞くヨーコ。

「……ごめんなさい。長々と話しちゃって」
「いえ大丈夫です! 先生やっとるけえ勉強になります!」
「あら、うふふ、ヨーコさんは優しいわね。先生も、ちょっとがんばってみるわ」

 ヨーコ笑い、考え込む。果たして自分のトレーナー基礎学はどうなのか。確かに法律と家庭科もやったけれど、もう少しそういうのを入れた方がいいのか。
 と、ジニア先生もやってきた(先生の研究のために呼んだ)。

「ヨーコさん、どおもー」
「あ、ジニア先生いらっしゃいですー」
「ぼくもブルーベリー図鑑、アプリに入れてみましたよー」
「わ、おそろいですね!」
「えへへ……、おそろいになっちゃいましたねえ」

 ジニア先生照れる。

「色々調べたくてテラリウムドームをまわってますが、とーってもわくわくしますねえ。注目すべきはドームの設計!
 考えた人すごすぎですー。多種多様なポケモンが、みなさんいごこちよく暮らしてて、ポケモンの生態を知りつくしてないと、あんな設計できないですよお。帰るまでにたくさーんドームに行かないとですねえ」

 ここで少しあくびをしてしまうヨーコ。講義をするも、終了直後倒れてしまった。騒然となる教室。ヨーコの部屋で話すふたり(寝不足とわかってホッと一安心)。

「たしかに、しかることは一番むずかしいかも?」
「タイム先生でもですかあ!?」

 目を見開くジニア先生。タイム先生、しーっ、と人差し指を立てて、

「それはそうよー。どんな先生だって、すすんで子供をしかりたいわけないものー」

 柔らかく笑い、

「でも必要とあらば、例え嫌われててもしからなくっちゃ! それが先生の務めだもの」
「そういうものですかあ……」

 ジニア、ヨーコの寝顔を見、ややあって、

「うーん、苦手だけど、がんばろう。タイム先生、ありがとうございますー」
「がんばって、ジニア先生!」

 目を覚ましたヨーコ。思わず叱るジニア。ヨーコ素直に謝り仲直り。
 と、みんなが押し寄せてきた! これも叱るジニア先生。これまた仲直り。

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