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season12 1話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

『いざ、因縁の地へ』


1.『北條家の沢瀉』


 進級前の長期休暇まであと1月。ヨーコのスマホロトムにオモダカから連絡が来る。3日後に北條家に訪問するとのこと。
 はたして当日、お茶とクリームパイをいただきながら、すずと語り合うオモダカの胸中は……。
※周作と径子は仕事、円太郎とサンは気を利かして、サポート役のヒナじろうと共にご近所に出掛けた。
 クスノキシティでのあれこれをお互い話して(オモダカもそこに父の生家があると話す)、

「あん子は偉いわ。自分で自分のなりたいもん、やりたいこと見っけて、そのために相棒達と頑張っとりんさる。うちじゃあ恐ろしゅうて、あん子を快く送り出せたかどうか……。
 ぴっかりさんに出会えて、グレープアカデミーに入れて友達出来て、チャンピオンなれて、色んな冒険しとりんさって、本当に良かった」
「ええ、本当に……。しかし、お母さまとお父さま達今のご家族がいなければ、パルデアチャンピオン・北條陽子は存在しないと思います」

 オモダカ、ヨーコの話を思い出しながら、

「ポケモンに触れられなかった自分を家族として受け入れ優しく見守ってくれたと、ピカチュウと相棒に、親友になれたのはお母さまのアドバイスがあったからだと、ヨーコさんはお話されていました。本当に嬉しそうに……。
 何よりヨーコさんは、ご自身のご家族のように強く優しくしぶといトレーナーになりたいと語っておられましたよ」
「ほうですか……」

 嬉しいすず。続けるオモダカ。

「そしてそんなヨーコさんに救われた人はたくさんいます。類い稀な才能が故に孤立していたチャンピオン・ネモ……、ネモさんや、仲間の為に残酷な決断をせざるを得なかったボタンさん、ご家族との軋轢の中で相棒を失いかけ、絶望の淵に立っていたペパーさん……」

 オモダカ、一旦言葉を切り、

「アカデミー教師陣やジムリーダーにも、そんな方々が多数います。ネモさんと同様、ポケモン勝負の才能故にアカデミーに行くことを拒んでいたポピーは、ヨーコさんと友人になってから一層楽しそうで……。私やチリといる時よりも視野を広げることが出来て、アカデミーに通いたいとまで言えるようになった。なんとお礼を言ったら良いのか……」

 オモダカ、少し寂しげだが嬉しそう。

「ヨーコさんがそうなれたのは、ご自身の性格はもちろん、ご家族の養育もあってこそだと思います」
「ふふ。ほうですか。嬉しいですけど、うちらだって、あん子にはいつも助けて教えてもらってばっかしですよ。うちと夫がちゃんと親やれとるんは、ヨーコちゃんのおかげです」

 すずにっこり。オモダカも微笑むが、盛大なため息と共にイケ指ポーズで、

「ああ、あと、アオ……、気立てに難がありすぎる私の部下がヨーコさんにもご主人にもお世話になっておりまして感謝してもしきれません」

 すず、チーン(汗)。

(ヨーコは食べた後に席を外して、庭で学校最強大会に向けてトレーニング。あとゴンさんとかけっこ)
 オモダカが帰る際には一緒にミライドンに乗ってオモダカの自宅へ(直前に円太郎とサン、周作径子が帰ってきてご挨拶。
「次は家族みんな揃うとる時に、ポピーさんと来てつかあさい」)

 すず、仕事の合間にでもと緑茶と金平糖の瓶をオモダカに持たせる。
 夕暮れの空を飛んでいる時、

「チャンピオン・ヨーコ、明日行われる学校最強大会へはエントリーされているのですか?」
「もちろんです!」
「それは楽しみです」
「トップは? 参加されるんですか?」
「いえ残念ながら、明日はリーグ職員の手持ちポケモンの健康診断でして」
「あ、ほうじゃお父さんも言うとった」
「しかしチャンピオン・ヨーコの久しぶりのご参加とポケモン勝負、私も楽しみです。ご健闘をお祈りいたしておりますよ」

 テーブルシティ内の高級マンションに到着し、そのまま別れる。

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