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season5 20話 ポケモン×この世界の片隅にクロスオーバー(ポケモンAYG)

20.『秘伝スパイス、結晶にあり』


 職員室に寄ると、サワロ先生から頼まれ事。
「ヨーコさん」
「あ、サワロ先生お久しぶりです」
「ああ。元気そうで何よりだ。ところで、折り入って君に頼みたいことがあるのだ」
「頼みたいこと?」
「実は、大きな声では言えないのだが……、パルデア地方のどこかに、とてつもなくあま~い!
 ……調味料があるらしいのだ。
 どうしてもその甘美な味を体験してみたい。ワガハイが大の甘党なのはきみしか知らないので、きみにしか頼めず……。表立ってワガハイが動くとイメージを裏切ってしまうのでな……」
「な、なるほど……」
「もちろん謝礼はしよう。興が乗ったら考えてみてくれ。とてつもなくあま~い調味料については調べておくので、詳細がわかり次第共有させてもらおう」

 数日後……。

「ヨーコさん、例の件なのだが……。とてつもなくあま~い調味料、その正体がわかったのだ」
「はい」
「その名は秘伝・あまスパイス! 宝探しの過程で見つけたら、ぜひ譲っていただきたい……」

 ということで親友達4人と(依頼人の名前は伏せて)レイドバトルしてあまスパイスゲット。
(前にバトル学で出るテラレイドバトルがここで『学外で行動していると、大きく光り輝く結晶を見つけることがある! 結晶は地中から滲み出るテラスタルエネルギーのかたまり!』)
 家庭科室へ赴くヨーコ。

「サワロ先生!」
「ヨーコさん」
「これ!」
「こ、これが秘伝・あまスパイス! さ、さ……、さっそく調理させてもらおう!!」

 サワロ先生、喜びに震えながらクッキング。上品な甘い匂いが漂う。
 そしてスパイス入りサンドウィッチを食べてみるサワロ先生。

「──あ……、あ……、あま~い!!」

 おいしさに頬をおさえる。

「なんと甘美な味わい! まるであまいミツを100倍ほど甘くしたような……!!」

 サワロ先生満面の笑み! と、そこで教室に入ってきた女の子が無邪気に、

「わー、サワロせんせーなにたべてるのー!?」
「……!!」

 とたんに固まるサワロ先生。ヨーコもあわあわ。

「すっごくあまいにお~い! えがおでたべてたしー!」
「ち、違う……! これにはワケが……!!」

 必死で取り繕うサワロ先生。ヨーコも何か言おうとするがその前に、

「あまいのすきなんだ! ギャップでいいねー!」
「ギャップで、いいね……!?」
「うん! こんどわたし、だいすきなおかしもってくるね!」

 去っていく女の子。

「──これまでの人生、期待されるイメージを崩さぬよう努力してきたが……。そのような考え方もあるのだな……」

 サワロ先生しみじみ。ヨーコもホッと胸を撫で下ろして、

「ほうですね」
「さて、ヨーコさん。秘伝・あまスパイスの謝礼だ」

 ヤドンカップもらう。

「ええんですか?」
「きみのおかげで甘美な体験が出来た。それに……、ワガハイのせまい世界が少し広がったような気さえする。きみにたらふくの感謝を送ろう」
「ありがとうございます!」
「さっそくで悪いが、おすすめの甘味処があれば共有を願いたい」
「それなら……」

 翌日、みんなを呼んでクレペの饅頭屋さんへ行ったのだった。

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