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『泥沼』PL 31節 4/5 Chelsea vs Man United [マッチレビュー]


展開予想(4/4時点)

直近リーグ5試合の結果
Chelsea [12th] 2W 3D
vs Crystal Palace[A] 1-3 W
vs Man City[A] 1-1 D 
vs Brentford[A] 2-2 D 
vs NewCastle[H] 3-2 W 
vs Burnley[H] 2-2 D 

United [6th] 2W 1D 2L
vs Luton[A] 1-2 W
vs Fulham[H] 1-2 L
vs Man City[A] 3-1 L
vs Everton[H] 2-0 W
vs Brentford[A] 1-1 D

低迷する名門同士のミッドウィークビッグマッチ
リーグ戦は残り9試合。両チームの直近5試合の対戦成績はユナイテッドが2勝、残りは3引き分けとユナイテッドが勝ち越している。
直近の結果、順位を見ても互いにこの位置に甘んじていてはいけない両チームだが、共に好転の兆しは見えていないのが現状だ。

チェルシーはLSBのファーストチョイス、チルウェルが体調不良。DFラインだとリースジェームズ、フォファナ、コルウィルも怪我で欠場。他にもラヴィア、エンクンクなども怪我。グストとチャロバーは復帰濃厚という情報もあるが依然として台所事情は厳しい。ユナイテッドも同様の台所事情。前節復帰を果たしたマルティネスはトレーニングで再び筋肉の負傷。(どんなTRしてるの?!)リンデロフも同様に怪我、それに加えショーやマラシアも依然として欠場と特にDFラインの選手が枯渇。互いにメディカルの改善は来シーズンヘ向け優先事項だろう。

展開としては、保持率は同じくらいになると予想。前線からのプレスの強度はそれほど高くせず互いに引き込んでコンパクトなスタンフォードブリッジでカウンターを撃ち合うプレミアリーグらしい展開を予想。そういった中で両チームのサイドアタッカー、チェルシーはチームの攻撃面でのスタッツリーダーでもあるパーマー、そしてムドリク、ユナイテッドはラッシュフォード、ガルナチョ。このあたりが個の質でどこまで違いを生めるかが試合の鍵を握るだろう。

スコア予想 1-2 [パーマー]   [ブルーノ、ガルナチョ]

スタメン予想

1st half 

チェルシーは予想通りのラインナップ。ベンチには情報通りケガから復帰したチャロバーとチュクエメカが入った。ユナイテッドはラッシュフォードがベンチへ。代わりにアントニーが右WGへ。そして前節とは異なり両SBは本来のポジションへ配置。

スターティングラインナップ

ゲーム展開
意外にも保持はユナイテッド。
(支配率 Che 47% Utd 53%)対するチェルシーはギャラガーとジャクソンで2TOPを作り4-4-2の配置で構える守備。チェルシーの攻撃フェーズではエンゾ、カイセドが2BOで受けに行きながらもタイミングでパーマーもインサイドにドロップし前進の形を作る。対してユナイテッドは守備時カゼミロをアンカーに配置し4-1-4-1で2BOを捕まえる形。チェルシーは2BOで出口が作れず保持率が低下したと考えられる。しかし、カゼミロの両脇のスペースをうまく使えたシーンも。また、1つ狙いとして見えたのは右SBのグストが高い位置(ガルナチョ、ダロトがプレスをかけられない微妙なポジション)を取った時にパーマーがインナーからポケットへランするという形。相手のDFラインに混乱を与えられる効果的な形である。

チェルシーの狙いの1つ
チェルシーの攻撃サイド


スコアとしては荒れた展開。4分にユナイテッドのパスミスが生んだショートカウンターからマイナスのボールをギャラガーが決め先制すると、19分、アントニーのファウルによるPKでチェルシーが2点のリード。ユナイテッドは難しい状況を強いられたが、こちらもミスからガルナチョが34分に先制ゴールを挙げると、ダロトの素晴らしいファーサイドへのクロスにフリーになっていたブルーノが頭で合わせ39分にゲームを振り出しに。互いに前半からシュートを10本以上放つ撃ち合いかつオープンゲームの様相。

クロス時の対応の悪さ

ユナイテッドは前節のブレントフォード戦と似たような形で先制点を許した。それは同様にマイナスのクロスからの失点だった。ユナイテッドは今季この形での失点が少なくない。問題はマークのつき方である。クロス時のDFのセオリーとしてはマークとボールの同一視が求められる。それは口で言うほど簡単ではないが、あまりにもマイナスへの対応が良くない。ボールへ対応している選手のプレスの角度、それに対する中の戻る位置を明確に整理する必要があると私は考える。

1失点目のシーン
前節の失点シーン フリーのマイナスの選手

中盤の優位性を持った前進

この試合に関して中盤の構成は今季のリーグ戦の中でも良かった。チェルシーが2BOなのに対し、ユナイテッドはカゼミロ、ブルーノ、メイヌーで3CM。常に数的優位かつ、DFラインがボールを保持した時のブルーノとメイヌーのドロップしてくるタイミングが絶妙なため、中盤以降でうまく循環を作れていた。
これがテンハフによる配置なのか、ブルーノとメイヌーの個人戦術なのかは今後の試合の出来から推測しよう。

ブルーノのサポートシーン
中盤の数的優位性

2nd half

ゲーム展開
ユナイテッドはハーフタイムでCBのヴァランが負傷交代。代わってエヴァンスが入った。
後半の保持は大きくチェルシーが上回った。(Che 66% Utd 34%)加えトータルショットもチェルシーが17本に対し、ユナイテッドは6本とホームの後押しもありチェルシーが攻勢を強めた。
一方で先に得点を決めたのはユナイテッド。アントニーが右サイドを突破し、左足のアウトサイドでクロス。GKと交錯寸前のところでガルナチョが頭で流し込みこの日2点目。1試合平均失点数リーグ11位(1.7)のチェルシーはDF陣の脆さを露呈した形に。しかしゲームは終盤にドラマが。両チーム交代を交えながらゲームは進みアディショナルに入りちょうど100分。ダロトがエリア内で突破を許したマドゥエケに手をかけPK。そして1分後の101分ラストワンプレーのCK。守備で集中力を切らしたユナイテッドの隙を突きショートコーナーからパーマーがミドル。ディフレクトしゴールに吸い込まれ4-3勝負ありだった。

修正すべきミドルゾーンの守備

今試合は前線からのプレスも配置的な問題もあり良い形でプレスをかけることに成功していたユナイテッド。一方で、FWのラインを越えられてからの守備、要はミドルゾーンの守備陣形は修正が必要に見えた。
この試合「1st halfのゲーム展開」でも述べたようにユナイテッドは守備時4-1-4-1配置。前線からはうまく人を捕まえられていたがミドルからはカゼミロの両脇からボールを保持されシュートまで運ばれるシーンが散見された。

ミドルゾーンの守備配置
広大なミドルスペース

プレスを突破された後はカゼミロが同サイドを遅らせながら逆サイドのIHは脇を埋める動きをしなければどうしてもミドルゾーン以降の守備は難しくなる。

理想形

まとめ

ユナイテッドはゲームに対する組織作りは今シーズンの他の試合と比べて良かった。守備、攻撃ともに配置が相手に対して効果的だった。それだけに失点の軽率さには目を覆いたくなる。上の順位へいくために1番必要な「したたかさ」がユナイテッドには大きく欠けている。ラストのCKが象徴的だろう。
そして次節はホームでのリヴァプール戦。リヴァプールはアーセナルとシティの試合結果により首位浮上。クロップ政権ラスト8試合、リーグ優勝へ向けチームの雰囲気は最高潮だろう。ユナイテッドは2試合勝利がない中で迎えるこの試合。しかしホーム、負けは許されない。面白いゲームを期待しよう。

長くなりましたが読んでいただきありがとうございました😉

Next match 4/7 vs Liverpool [PL 32]

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