【精神病院入院2西なう】 60話
令和5年7月6日(木) 入院29日目(その2)
最後の昼食は入院中に仲良くなった患者達と一緒に過ごした。
12:50 病室に戻り荷物をまとめる。
1週間だけだが同じ病室になった患者さんが、新聞の切り抜きを見せてくれた。
癌を乗り越え、トラックドライバーの傍ら音楽活動をされているという内容。
人生って考え方次第で、幸せにも不幸にもなる。この1ヶ月間でそう思えるようになった。
「頑張りすぎず、元気で頑張ってください」
こんな一言が宝物に思えた。
14:00 お世話になった先生をはじめ、看護師さん、患者さん達にお礼を言い、皆さんに見送って頂き病棟を後にした。
約1ヶ月ぶりの外の世界は予想以上に暑い。そしてバリアフリーの生活に慣れたのか、少しの段差や凸凹の地面を歩く事がこんなにも疲れる事を思い知る。
6月5日(月)の自殺に始まり、今日で1ヶ月。ゆっくり今までの自分とこれからの自分を見つめ直し改める事ができた。
明日から新しい人生のスタート、7割死んで全て失ってしまった。
もう失うものすら残されていない。
新しい自分を0から積み重ねていくだけ。
完
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?