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虚像

歳月がお前の顔に

身体に陰落とし


幾多の皺を刻むとき

思いだすがいい

若き日のお前を
誰がどのように愛したか


どのオトコが
お前を真摯に

まことのココロもち愛したか

時には偽の


多くは若きお前を本気で


耳元で愛を囁き
その指でお前の身体の隅々を愛撫したであろう

が、老いてゆくお前を


哀しさと苦悩に身体病み、心蝕まれ
絶望した日


その傍に居るオトコは
ただ独りであることを

思い出すがいい

歳月の重みより

事象の試練より


ただ変わらず

悲しむお前を

密かに慈しむオトコを


虚像

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