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日記;父母覚書

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脳内出血で倒れた父と認知症の母。もう亡くなりましたが、日記にしたためていたメモを後悔する事に意味を感じ公開します。
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#介護

母:近況

母:近況

(父母生前の日記:覚え書き)

 いつものように朗らかに明るく

わたしの名を忘れようと、迎えてくれる喜ぶ母の姿があるものと

思って疑わず・・その日も少々わたし自身が辛かったが、

顔を観たくて立ち寄った。

骨折後、かなり回数減、申し訳なさが常に心にあり、自己満足かも知れない、がー

母の笑顔を見れるものと信じていた。

しかし三日前の母は・・

ただベッドで呻き声をあげるばかり。

苦しそう

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父の顔

父の顔

 (父母生前の日記より)

「何をどう言ってもつまらんのぅ。」

と、父がふっと笑う。

その顔があまりに寂しくて

帰宅後も脳裏から離れない。

豪胆でまさに九州男児そのものだった父、

やんちゃを重ねた十代

そして、企業を興した二十代

転身して、経済より誇りを望んだ三十代

父の人生は(父が手記をとうの昔、現役の頃、わたしに預けたのだ)

まさに波乱万丈、そして、輝かしい業績を残した人生で

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母の外出/日記覚書

母の外出/日記覚書

主治医と面談後、初の外出訓練。

痴呆は回復することは、現在は不可能。が、薬によって進行を遅らせることは可能。

薬及び家族の声かけ、刺激、そうした力が、大きな作用を果たすであろうと医師は言う。

外科的治療と内科的治療は、ほぼ終了。持病に対しての常備薬は必須だが、手術後の状態良し。

父は脳、母は心臓。

二人とも、いつ果てても可笑しくない大病を持っている。

今年のお盆は何とか共に迎えることが

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