第38回 サロマ湖100㎞ウルトラマラソン まとめ
ウルトラマランナーの憧れの大会サロマ湖100㎞のまとめを残したいと思います。完走できなかった私が書き残すのもなんですが、次回参加してみようと思う方たちの参考になればと思い、まとめてみました。
最大の難関、0次関門突破!
100㎞の定員が3550名、50㎞が550名の先着順。
2023年2月27日の20時に募集が始まるとアクセスが殺到、15分以上はつながりません。私は運よく2020年(コロナ禍で延期になり、21年の出場権をもらったけど、21年も中止になり白紙に戻りました)と2023年にエントリーすることができました。知り合いの方はスマホとパソコンを両手で駆使してエントリーしています。
サロマにエントリーできただけでラッキーなんですよ。
どうしてもエントリーしたい人は、引っ越して地元枠でエントリーするという手もありますよ。
料金も2万円を切る価格。比較的安いと思います。
アクセス
初めての方はツアーがいいと思いますが、利用しない人対象に話を勧めます
新千歳が便も多く利便性が高いですが、新千歳からサロマまで、車で6時間はかかります。北海道は広い!
サロマ湖付近の空港は、女満別空港か中標津空港、釧路空港、旭川空港、紋別空港が近いです。新千歳、帯広、稚内もありますが、ちょっと離れています。
近隣のホテルは旅行代理店が抑えているでしょうから、空港でレンタカーを借りて車中泊がいいですね。
現実的なプランとしては
女満別空港と中標津空港、釧路空港はゴールの北見市常呂町に車を止め、ツアーバスでスタート地点へ。
旭川空港と紋別空港はスタートの湧別町に車を止め、ゴール後ツアーバスでスタート地点へ。
スタートの湧別町に一番近いのが紋別空港(車で30分ほどだが、1日1便しかない)、ゴールの北見市常呂町に近いのが女満別(こちらも30分ほどで便数は多く、関空発着あり)なので、お住まいの場所の発着便数で検討してもいいかと。
ただ、ゴール地点で車を止め、ツアーバスでスタートまで移動となると、朝3時には車を止めないと、スタートまでの余裕がありません。スタート地点はトイレの数も少なく激混みですし。
スタート地点
フルマラソンの大きな大会に比べると企業ブースは少ないので、少し寂しく感じるかもしれません。
湧別図書館が解放されており、トイレや着替えに浸かっている人たちがいました。簡易トイレも設置されていますが参加者の数にすれば圧倒的に数が足りません。私は20分ほど待たされました。
トイレ待ちのせいで、「スタートの5時過ぎても並んだせいで遅れた人いるのでは?」というくらい混んでいました。
朝4時ごろ、近場の指定された選手駐車場はすでに満車状態。車中泊している人たちでしょうか。なので、ちょっと離れますが、道道の反対側の指定駐車場を利用するといいと思います。
スタート地点の駐車場で車中泊もアリですが、テント設営している常連の方が多数いらっしゃいました。ただ水回りや食事の心配があるので上級者向けです。道の駅 かみゆうべつ 温泉 チューリップの湯が近くてお風呂もあるのでオススメ。ちょっと離れていますが、道の駅遠軽森のオホーツクが旭川紋別自動車道の出口にあるので、わかりやすいです。紋別の道の駅は2023年6月現在工事中。
スタート地点近くのすぱーく湧別のテントが手荷物の預け場所。サロマンブルー用の荷物預け場所があり、VIP待遇となっています。荷物は54.5㎞地点とゴールで受け取る2つを預けられます。いろいろ想定して荷物を預けたほうがいいでしょう。
レースの様子
3000人を超える参加者がいるウルトラランナー憧れの大会。やはり活気があります。※3,550人定員のうち2,987人が出走したそうです。
5時00分に湧別町をスタート。
でも、一般参加者は3~4分は待たされます。
サロマ湖はもともと海とつながっておらず、災害対策として海とつながる湖口を2つ設けているので、今は海とつながっています。その湖口を目指して湖畔に沿って走るコースです。
スタートから5~6㎞と12㎞~27㎞あたりは民家並んでおり、小さなお子さんからお年寄りまで熱い声援を送ってくださいます。早朝からありがたくて力が湧いてきます。20㎞地点のキャンプ場より先は、普段閉鎖されており湖口までの道に入れませんので、ちょっとうれしいです。
北海道ならではの雄大な景色
道外の方がイメージする北海道って、札幌か丘の多い北の国からの富良野のイメージだと思いますが、サロマ湖周辺の風景は海あり、酪農地帯あり、小さい丘が続きます。牛が草を食み、遠くの海には多くの漁船が漁をしている。ハマナスが咲き始め、風が強いせいで虫があまりいない。
道産子にはありふれた風景ですが、道外の方なら魅力的なんでしょうかね。
35㎞付近から国道を走ります。歩道がないところがほとんどで、コーンが置いてあります。ここから70㎞の栄浦に入るまでは、道民は
「法定速度?( ゚Д゚)ハァ?」
ってくらいとばすところです。さすがにゆっくり走っていましたけど。
エイドは、前半は水とスポーツドリンク、アップルジュースなどが続きますが、20㎞以降は捕食が出ます。「アンパンとようかんばかりで単調」「バナナが丸ごと1本で出ていた」とRUNNETの大会レポで酷評されています。ボランティアさんが、炎天下で頑張っていたので感謝しかありません。
41㎞あたりで旧道に進み、見えてくるのがこのモニュメント。
キロ数表示は市町村によって違いました。湧別町は5㎞間隔、
佐呂間町、北見市は1km間隔。
よく見ると、北見市の表示は合併前の常呂町のゆるキャラ「ところくん」が描かれていたので懐かしくなりました。
40㎞~65㎞のアップダウン
ここからは車でコースの下見した時の話、収容バスから見たことが中心です。実際に走っていないので偉そうなことは言えませんww
緩やかな登りと下りを繰り返します。森に囲まれた国道ですが、日陰はほとんどなく交通量も多いです。54.5㎞地点でてすぐ道の駅サロマが見えてきます。更に進むとライダーさんに有名なホタテバーガーでおなじみの北勝水産があります。そして60㎞をすりたあたり、森を抜けるとサロマ湖が広がります。
61km付近で左折しキムアネップ岬を目指します。
木々の間を抜けて日陰で一息ついて、浜佐呂間漁港を目指します。
そのあと国道に戻り、浜佐呂間市街をとおり、栄浦に向かいます。
サロマ湖 鶴雅リゾートではそうめんのエイドがあり好評だとか。
この近くの船長の家も有名です。
民家の屋根の上で大漁旗を振って応援してくれる方もいらっしゃいました。
今年はコースの一部が波の浸食により崩落したのでコースが変更になりました。栄浦漁港とワッカ原生花園をむすぶ栄浦大橋を超えてワッカに入ります。
無念の制限時間オーバー
話を戻して。
41㎞キロの関門をのこり5分でクリア。この時点で完走は諦めましたが、止められるまで走ろうと決意しました。諦めないぞと!
しかし、道道685号線を超え、計呂地川を渡る橋を過ぎた坂道で50㎞の関門制限の時間が来てしまいました。関門まで歩くぞ!と思っていたら、収容車が横付けして。「時間ですので乗ってください」と声をかけられます。
収容バス
ハイエースの収容車で水をもらい、大型の収容バスの待機場所へ向かい、乗り換えて、54.5㎞地点まで向かいます。そこでまた乗り換えてゴールへ向かいます。
54.5㎞過ぎは多くのランナーさんが粘りの走りをしていました。
小1時間かけて常呂町に入りました
この時、7時間台でゴールする人たちの祝福のアナウンスが!
ふとみると、完走者のメダルとバスタオルが山積みになっていました。メダルは仕方ないけど、タオルは欲しいなあとちょっと思ってしまいました。
54.5㎞地点
54.5㎞地点にある、ホテルグランティアサロマ湖(休業中)に入ると、手前がサロマンブルーの人のバッグ受け取り所、その奥からゼッケン番号順になっており、ボランティアの方がナンバーを読み上げて持ってきてくれます。
エイドが充実していましたが、棄権した私がパクつくのもどうかと思い、チラ見してバスに戻ります。
ゴールすると
公式の発表はわかりません、2023年の完走率が65.6%だそうです。
ゴール横のスポーツセンターまで歩き、預けた荷物を受け取ります。ゼッケン番号をマイクで読み上げるとボランティアの方が持ってきてくれます。受け取ったら、簡易シャワーがあり使わせてもらいました。12時間台でゴールしたなら、激混で使えなかったでしょう。
また、1.000円分の飲食店ブースで使えるチケットがもらえるので、お金の心配がいりません。
送迎バス
私はゴールから駐車したスタートまで戻るバスを利用しました。事前にオフィシャルツアーで、アカウント作成し手順に沿って注文すると、後日メールが届きます。
代理店のサイトにログインすると、web乗車券が発行されています。
バスに乗る前に立っている、添乗員さんにログインして乗車券を見せるか、ダウンロードしておいてみせると乗せてくれます。
バスは約1時間おきに出発していました。12時間でゴールした人ならかなり待たされるかと思います。北見方面行き、鶴雅行きのバスがありましたが、どのくらいの間隔なのかはわかりません。
さすが長い歴史と、IAUの選考会レースだったこともある大会です。
運営の安定感といい、シビアな関門時間といい、0次関門といい、
ウルトラランナーが憧れる理由を、出場して実感しました。
もう少し参加人が多くても行けるのではないかと思いますが、難しいんでしょうね。
ウルトラランナーが増えているので、検討してもらいたいですね。
番外編 北見市常呂町の有名人
北海道民はよく知っている彼女たち。みなさん冬季オリンピック見ていますかね?どこに行っても「ロコソラーレ」ばかり!
そして、カーリングと常呂町を題材にした映画「シムソンズ」知ってます?
この映画はソルトレイク五輪に出場した選手がモデルとなっています。そのうちの2名が元祖カー娘で親しまれていた、チーム青森に所属していた小野寺選手と林選手なのです。小野寺(現姓は小笠原)選手はカーリング協会の理事、林(現姓は船山)選手は今も現役で活躍しています。
私この映画が大好きで、DVDBOX買っちゃったほどです。
荷物の受け取り場所がカーリングホールで、映画で使われた場所でテンション上がりました。そして、
ここに、シムソンズの横断幕が!
今は立派なカーリングホールがあるので、こちらはどのように利用しているかわかりませんが、勝手に感動していました。聖地巡礼です!
見ていない人はぜひ見てほしいです。ありふれた内容ですが、ラストシーンで「そういえば、これは実話をもとにしたストーリーだった!」と衝撃を受けるはずです。
カーリングの体験と、映画で撮影された場所をめぐるツアーもあるそうです。大会後にぜひ体験してみてはいかがでしょうか。