【参加者インタビュー】#5勝浦英吾先生

今回のインタビューは、最終発表も終わり、年度末が近づいてきた3月に行いました。今回のプログラムに参加された感想、最終発表を終えた後の気付き、今後のビジョンなどをうかがいました。




自己紹介

―よろしくお願いします。自己紹介をお願いします。

勝浦英吾と言います。常翔学園中学校・高等学校で特進系コースのコース長をしています。母校である本校に勤めたいと思っていたので、他校で経験を積んで本校に勤務することができました。
正直、今回のプログラムには、参加するか迷っていました。あまり前向きではなかったのですが、そんな時に他コース長の先生から「コース長3人で参加してみない?」と声を掛けていただいて、自分も参加を決めました。
 

研修全体を振り返って

―研修全体は、どうでしたか?
自分にとって、大きな変化があった研修でした。変わったことは、学校全体に目を向け、考えるようになったことです。これまで、「学校経営」とは、校長先生や教頭先生などの管理職や分掌長が関わり、学校をつくっていくという感覚でした。自分は関係ないというか、任せていました。学校における課題解決はどこか他人事というか、まだ自分の立場じゃないととらえていたのだと思います。
今回、研修プログラムの中で、学校の課題を洗い出す、解決方法を考えることを通して、自分も学校全体のことを考える立場にいるということを感じさせられました。また、学校における課題は何か?解決策はどのような形が求められるか?などと継続的に考えるようになったなと思います。
 
―学校全体を考えるような視点は、いつ頃から持つようになりましたか?
田原さんの課題解決講座で特に考えさせられましたね。課題が出されて、1,2週間後にはその回答を提出する期限があったので、その期間はフルで考えていたと思います。通勤の行き帰りの電車の中では常に考えていましたね。携帯に必要なアプリを入れていたので、自分の考えを練ったり、考えたことを言語化して見直したりしていました。それが学校全体について考えを広げるきっかけになったと思います。

講座内容とメンタリング 

―講座の中で行っていた課題はどう感じていましたか?
課題に関しては、最初の方は「どこから考えたらいいか」「どのように取り組むか」など難しい時期もありましたが、回答を考える中で生まれた質問を田原さんに投げかけると丁寧にフィードバックをもらえたので、最後まで取り組むことができました。一つ一つの課題をクリアしていけば、最終課題(自分の学校における課題解決方法の立案)に繋がっていたので、上から目線ですけど、よく考えられたプログラム内容だったと思います。
また、なんとなく考えていることがあってもどう表現していくかと悩んだときには、一緒にプログラムに参加していた本校の先生と話したり、他校の先生の回答を拝見させていただいたりしました。互いの課題の取組を見ることができるのは助かりました。
 
―やはり継続的に課題に取り組む中で気付きや変化が生まれてくるのですね。講座の中では、メンタリングも行っていましたが、課題を進める助けになりましたか?
私は、大坪先生にお世話になりました。大坪先生は、「今日はどうします?」「今回の課題の話をしますか?」と聞いてくれて、話しやすかったです。出された課題に対してどうつくり上げていいか分からないときには、ご自身の実践や話をしてくださいました。また、少人数だったことや大坪先生の人柄もあり、オブラートに包まず、率直な意見を聞くことができる時間だったので、聞いていてすごく心地よかったですし、参考になりました。メンタリングは、全部で3回ぐらいだったと思うのですが、最終発表前の時には準備してきた資料や自分の課題解決の方法について個別にアドバイスをいただくこともできました。メンターの先生方によってカラーがあると思うのですが、僕は大坪先生ですごくありがたかったです。

今後に生かす 

―ありがとうございます。今回の経験は、今後にどのように生かせそうですか。
最終発表で出した「スリーマンセル」を動かすべきだと思っています。教科や分掌などが異なる先生方で3人組をつくり、気軽に相談したり話したりできるようにする制度を考えています。
私がインタビューをした教員は若手の教員でした。何から始めていいか分からなかったり、他校から異動してきた先生方はやはり学校の文化が違ったりするので、誰にサポートを求めたらいいのか分からないままこれまでやってきたと言っていました。そんな先生方のために、実施できたらいいなと思っています。そして、「スリーマンセル」は若手の先生を救うだけじゃないと思っています。経験を重ねた方たちは、新しい取り組みを始めたりチャレンジしたりすることに足踏みをしてしまうと思うんです。新しいことをやってみたいと考えたときも、「一人では難しいな」と思っている人達にとっても気軽に話ができる人がいるというのは、救いになると考えています。
今の学校全体で、同僚に対して支援、助言する人が減っていたり、学校規模が大きいこともあって、教員同士で対話する機会が少なくなっていたりすると感じています。その部分を「スリーマンセル制度」で解決していきたいです。

「未来の教育のリーダー」へメッセージ

 ―学校全体に対話が増えたら、それが生徒にも広がっていきそうですね。最後に、「未来の教育のリーダー」である読者の皆様にメッセージをお願いします。
 
参加してこそ価値が分かると思います。私にとっては、スクールツアーがすごくよかった。実際に探究学習や生徒主体の取り組みを行っている学校を見て、考えたり自分の学校の様子を振り返ったりする機会になりました。本校の校長も、「教員は外に出て学びなさい」というのはよく言ってくれていますが、他校がどんな取り組みをしているのか、聞いたり文字で読んだりするだけでなく、自分が行って見てほしいと思いますね。管理職に文句言っている教員ほど、大抵外に出て学ぶということをしていない、だからこそ上の立場の人たちのことを考えられないのだと思います。
自分がそうであったように、「できるかできないか」と考える暇があったら「やってみたら」と思います。僕の恩師の先生は、「Don’t think, feel.」というような人で、考えずにどんどん行動していかれる方でした。良いか悪いかというのは後で分かる結果なので、考えずに、迷ったら参加してほしいと思います。

ー同僚と共に参加し、学校全体の課題や実施していきたい解決策について話ができるというのは、学校がよりよくなる大きなきっかけだろうと思います。今後の実践も楽しみにしております。ありがとうございました。

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