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歌詞と雑文。

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2023年7月の記事一覧

キンモクセイ

キンモクセイ

落ち葉の小舟に乗って森の泉に行こう
青い小鳥は金木犀の花の香りを運ぶよ
子ウサギが耳を出したり引っ込めたり
バラ色の目を閉じて居眠りをしている
ワンピースの少女は空飛ぶ欠片の上

風のブランコが揺れているのを見たよ
澄んだ目をした入道雲のイヌ
ドーナツの穴から覗いてごらん
森のエンゼルはニコニコしている

色とりどりのキノコが唄っているよ
アーモンドの実は可愛い花を咲かせる
パンケーキに滴るカスタ

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夜の扉

夜の扉

生まれたままの心に返る
夜の扉ひとつ
愛の約束を全て打ち捨て
掴んだ手を放て

捨てられた頃の人並みに返る
価値ある全てのための
冷たい水に身を横たえて
微かな声を聞け

香しい命を気にする御身
かぞいろ
それは貴方
真実を持って全てを分け合う

それも貴方

しいさいど

しいさいど

メロンの夏が恋しい
あなたは優雅な朝に憧れ
あなた優雅な明日に憧れ
ぼくは・・・
ぼくは指で塗装するように
風の隙間をふさぐ

メロンの夏が恋しい
汗の匂いに呼吸を止めて
熟れた匂いに呼吸を止めて
ぼくの・・・
ぼくの暮らしは日の目を浴びず
滑り台から転げた

メロンの夏が恋しい
貴方のバカンス夢にまで追って
ぼくはバカンス夢にまで追って
ぼくは・・・
ぼくは崩れたカボチャみたいに
ふさぎ込んでし

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向日葵

向日葵

いつでも優しい人だった
失った時に思い知る
明けてゆく空が綺麗だね
虹を渡って行くんだね
太陽は昇ったよ
雨は止んだよ
雲の中に光が差した

悲しいことだけ多いけど
ぼくたちはいつも似ていたね
それでも微笑みを貰った
その思い出だけあればいい
夢のような夢から醒めた
ぼくはいつも夢中だった
あなたの笑顔だけ見ていた

闇を照らす向日葵だった
時に暗闇の中に立って
低く垂れ込めた厚い雲
あなたの笑顔

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地下の楽園

地下の楽園

涙の船の上
手を振るけど
風が吹いて
見えなくても面影を
追いかけていけば
立ち止まり振り向いてみても
わからない事ばかりだった

言葉は知らない話したこともない
胸の奥で叫び続けてきた

横にいる人
最近見かけないと
言われることにこみ上げる
いつか会えると信じてここまできた
変わらないまま
時は止まってる
あの日のまま

ありわけ

ありわけ

一日でもよく仲のいい子
君を見てたい腐っていくわ
忘れないわよお帰りなさい
面白くない帰り

世紀の一戦

世紀の一戦

子カンガルーは考えた
どうしてぼくはママのことが好きなんだろ?
ぼくはいつでも袋の中に居たいんだ
袋の中って落ち着くんだ

ママカンガルーは考えた
ママも小さい頃は袋の中にいたの
外に出ると楽しいことや悲しいことが沢山あるの、それに大人になると大きくて袋に入らなくなるわ
「だからぼくはずっと袋の中にいて大きくなんてなりたくないんだ!」
「袋の中に居たからって小さいままじゃないわ!」

子カンガルー

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夜の岸辺

夜の岸辺

悲しみ浮かぶ少女でも
百万の赤ん坊を集めても
流す涙は同じ10cc

心の奥つ深間には涙しずくと染み透る

日暮し汚れたシーツに沈み
もはや口には言葉もない
ただ溢れる涙ばかり10cc

明日を知らせる呼鐘が夜の静寂に鳴り渡る

芥の中に生まれ落ち
いつも心と共にある
寂しさに白く曇る10cc