掛け時計【日常アイテム003】

無印良品

日々の時間感覚を保つために私は掛け時計が部屋にあるようにしている。腕時計を付けることは左右非対称であり、机やキーボード、液晶タブレットなどに干渉したり、用を足したり手を洗ったりする際に気を使うのであまり好きではない。よほどの思い出やブランドに対する敬意、広告塔として、あるいは健康機能を考慮しなければ付けるメリットをあまり感じない。人や世間のファッションを楽しむことはあっても自分がしようとは思わないのがただ乗り精神だ。

スマホやpcで時間を確認することもあるが、一手間あったりデジタル表示だったりと、見たい時に特定の場所を一瞥して分かるほうが便利だ。
しかし一般的には掛け時計を持たない人が多いようにも思う。時計を見ない生活は行動をルーズにするし、過ぎ去る時間に対して無頓着になってしまう。この世に無駄なことは何一つないが、それでも時間の使い方に反省はつきものだ。

こだわりは適切なサイズと、文字のフォントや針の見やすさ、連続秒針による静音性と、正確さ、10年先を見越した普遍的なデザインと耐久性だ。経験上2000円前後の商品は何かしらに問題があり、耐久性も一年と持たない。
そして、時計自体の枠の色を壁と同じ白色にして無駄な情報を抑えているところが最重要だ。黒い枠のデザインも選べたが、それをすると時計本来の機能が僅かでも劣ってしまう。視線がスッと入り抜けていくような自然さが何よりである。デザインとしては閉合と呼ばれる見せ方の応用で、文字の配列により丸い枠はすでにそこに存在しているのでわざわざ説明する必要はない。しかし、このシチュエーションであればほとんどの人が黒い枠のものを選択するのではないか。なんとなくの"ぽさ"を求めるのではなく、自分の中の価値基準を持って考え抜いた上での選択が真の勇気だとよく感じる。

この記事が参加している募集

#買ってよかったもの

59,196件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?