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ちょっとした【たとえばなし】

目の前にある草花を
美しいと思う

でも
それは全ての人にとってそうではなくて

雑草だと抜いてしまう人
目にすら止まらず踏んでいく人

雑草だとそれを抜いた後に
「キレイになったね」と言う周りの人

その人は
「キレイな植物だね」
「抜かないで」
と声を上げたが、
声は届かなかったし
聞いたふりをされ続けた

更に
「こっちの花の方がキレイだよ」と
鮮やかな花の苗を手渡して
一緒に植えようと声をかけられ
拒否する間も無く
その場は鮮やかな花でいっぱいになる

目の前の草花を
美しいと思っていたその人は
もとある景色と変わり果て
鮮やかな花に覆われた地を見て

苦しみ
かなしんだ

少しずつ傷ついて
声をあげられなくなった
感じないフリをして
我慢を続けた

その人の
心の割れ目は
いつのまにか器全体に及び
形を保てなくなりそうになっていた

その時ふと

隣にすわって
「キレイだね」と言ってくれた人がいた
それ一言で
涙が溢れた

その草花は
自分自身だったのかもしれない

自分と違う意見は大切
でも
自分をどんな環境に置くかも大切

目の前のキレイと感じるものを
守れる自分でありたい

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