見出し画像

タイの地獄寺で野犬に恐怖した話

 皆さんは地獄寺についてご存知でしょうか?
聞いたことのある人中にはいったことのある人もいるでしょう、今回は私が始めて地獄寺に行って野犬に噛まれそうになった話を書こうと思います。

まず地獄寺とは
タイには約3万の寺院があるといわれ、中には立体像で地獄を表現している寺院、通称「地獄寺」が存在します。人間の等身大よりも少し大きいものから十数メートルを超えるものまで、さまざまなサイズの地獄の番人である獄卒や罪人の像が置かれ、実際に参拝者が地獄を疑似体験できる空間になっています。 

 地獄寺に訪れる2日前にタイに入国した。初日は一泊500円のドミトリーの宿に泊まったのだが、その宿で複数人の中東人に日本のビザを発行してくれと言われ続けたり部屋での喫煙、疲れた体に響く賑やかな音など、タイに入国する前にフィリピンで1週間過ごし疲れた自分にはとてもしんどかったため翌日から宿を取り直し一人部屋になった。


 一人旅で初の一人部屋で初のエアコンがある環境に置かれた私は、快適で心置きなくリラックスをし気づくと寝落ちしていた。このときエアコンを付けっぱなしにしていた。私の勘違いかもしれないがタイのエアコンは強すぎて寒すぎる!そして初期温度が低い!そんなこんなでタイに入国3日後、地獄寺に向かう日に風邪を引いた。(一人旅中で最も快適な宿だったのは間違いない)

宿

 風邪を引いたが地獄寺にはどうしても行きたかったため、苦し紛れの持ってきていたビタミン剤を飲み、地獄寺に強行した。

 地獄寺にはタクシーで向かった。タクシーは前日に乗ったタクシードラバアーから「明日の予定は決まってるかい?」と聞かれ、その流れで「明日、地獄でまで行きたいから予約させて」といった感じでタクシーを用意した。そして地獄寺に向かう当日、風邪を引きながらタクシーに乗った。だがタクシードライバー(名前は知らない)の服装がとてもラフだった。前日会った時は制服のような服装だったので不思議に思った。そのときは1日私に付きっきりになるからだと思い、深くは悩まなかった。

 タクシー内では風邪を少しでも治すためにタクシードライバーにはもし申し訳ないが寝ることにした。乗車直後に寝始めどのくらい経ったか、都会と田舎のはざまのような地域で起こされ、「今から弟のところに行かないといけないんだ、だから今から兄に運転を変わってもらうけどいいかい?」と聞かれた。寝起きと風邪で朦朧とする中ひとつ返事で「いいですよ」と答え、いつの間にか控えていた同じくタクシードライバーの兄のタクシーに移った。だが次第に目が覚めていくうちに、あまりの兄の準備の良さに疑問を持ち考えてみた。あくまで憶測だが、ラフな服装であったことから初めから弟と会う用事があったのだと思う。結果的に地獄寺には行けたのでいいが、そこまでしなくてもいいのに…。

 そんなこんなで地獄寺に到着した

地獄寺の門

 地獄寺に到着し門を潜り初めに目に入ったのは野犬だった。バンコクでは全く見なかったのとフィリピンで見た野犬よりもガッチリとした体格で少しビビッていた。(たぶん寺からご飯を貰っているのかな?)

野犬


 地獄寺への参拝者はおそらく私と会話の無いカップルの3人のみで、野犬にビビりながら地獄寺を悠々と散策しました。地獄寺には上記にあるようにさまざまなサイズの地獄っぽい像が多くあり、それらは何とも言えないクオリティーで風邪を引きながらも夢中になって大量の写真を撮っていました。


 そして一通り散策し、この地獄寺のメインと思われる地下になっている展示エリアに入った。入口は何の動物か分からない口から入り、中は薄暗く演出とかではなくナチュラルに蜘蛛の巣が張っていたりグロく禍々しい展示も相まってほぼお化け屋敷の様になっていた。ほぼお化け屋敷であるからか、途中で離脱できるようになのか、はしご上に通路が構成されていた(今思うと離脱できる様になっていて本当に助かった)。

地下エリアの入口
地下エリア
多分地獄釜?
わからない

 地獄寺地下エリアを恐る恐る奥に進んで折り返し地点に差し掛かった時だった。

 折り返し地点へ曲がったところ、野犬が寝ており気が付かず急接近してしまったこの時、人生で初めて犬に本気で威嚇された(犬は本気で威嚇すると目をギラつかせ唾液を垂らすんですね)。

 疲れと風邪で一瞬何が起こったのか分からなかったが、脳裏に目の前の野犬に噛まれ狂犬病などの病気を貰い死ぬ映像が流れ、動くことができなかった。

「犬に襲われそうになった時ってどうしたらいいんだ?」
「狂犬病ワクチン接種しただけで逃げ方は調べてないな」
「目を離さず後ろに下がるんだっけ、あっそれ熊か」
「目離すんだっけ、でも今目合ってるよ?」
「終わったか、あーこの後病院行きだー」
「死んだかもな」
なんて思ったりしました。

 そして悩んだ末、熊同様に目を離さず後ろに下がることを選択し、折り返し地点に戻ることにしました。救いだったのが途中通離脱できる通路があることでした、この通路のおかげで野犬の近くを通ることなく地下エリアから脱出することができました。

離脱後、恐る恐る振り返り撮った写真

 死を覚悟した地下から命懸けで這い出ることができ、それはさながら地獄からの生還でありこの世が天国に思えた。

 地獄からの生還後は、ハクレンに餌をあげ心を落ち着かせタクシーに乗りバンコクの帰りました。このとき安堵し車窓から見た田舎の風景は一生忘れられないでしょう。

ハクレン

皆さんも野犬には気お付けましょう。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?