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即効!職場のコミュ技法

はじめに

本書は、
職場での共創のためのコミュ技法
(=コミュニケーション技法)を
文章とイラストで紹介する本です。

既刊拙著(note)
「職場の人間関係を良好なものにするコミュ法」
内の技法の部分を要約したものです。

紹介する技法は、
すぐに使えて、すぐに効果があり、
いろんな場面に応用が利く技法です。
自分らしさを活かす技法です。

例として紹介している
言葉づかいと非言語による表現は、
実際には相手や状況、内容に合わせて
変えていただく必要があります。

本書が、
あなたの「ビジネスパフォーマンスのサポーター」
として
お役に立てれば幸いです。
田中義樹



1 良好な関係をつくる第一歩は

(1)良好な関係をつくるあいさつには

良好な人間関係づくりや場づくりの第一歩は、
感じのよい「あいさつ」
です。

あいさつの良否が、
人間関係づくりや場づくりに大きく影響します。

好感度の高いあいさつには、
次のことを心がけるようにします。
①あいさつでの声と顔の表情を
 自分の気分がよくなるレベルにする
②相手や周囲(周囲の中心)に
 あいさつ言葉の語尾まで目線と体を向ける
③おじぎはあいさつ言葉を言った後に行う

(2)あいさつの効用

あいさつには、次のような効用があります。
①相手の心を開くことができる
②相手と心を交わすことができる
③お互いの気持ちを乗せることができる
④相手の気持ちを汲むことができる

まず、「①相手の心を開くことができる」ですが、
あいさつは相手を受け入れているという気持ちの表現です。
自分が心を開くから相手や周囲も心を開いてくれるのです。

次に、「②相手と心を交わすことができる」とは、
相手や周囲から返ってくるあいさつ言葉は、
あなたへの共感の表現です。
あいさつ言葉を交わすことで心が通い合うのです。

そして、「③お互いの気持ちを乗せることができる」
ですが、前述の②に関連して、
あいさつはお互いの気持ちをつくるものです。

さらに、「④相手の気持ちを汲むことができる」とは、
あなたのあいさつに対する相手や周囲の反応から、
心の状態を汲み取ることができるということです。

明るいあいさつが返ってくれば、
「相手や周囲は乗っているな」
とわかります。

逆であれば、
「体調不良や何か問題を抱えているのかな」
ということがうかがえます


2 会話の切っ掛けのつくり方

(1)切っ掛けづくりのポイント

人間関係を前に進めるためには、
相手の気持ちをこちらの意向に向ける言葉
を返してもらう
ようにします。

言葉は、
自分の気持ちや考えを伝える手段
です。
また、言葉は発した人の気持ちを、
よりその言葉の意味する気持ちにするもの
です。

そこで、
「会話の切っ掛けづくりには」ということですが、
それには次のような言葉を返してもらう働きかけ
を行います。
①了承の言葉→「あぁ、いいですよ」など
②感謝の言葉→「ありがとうございます」など
③同意の言葉→「私もそう思います」など
④注目・興味の言葉→「ええ、本当ですか?」など
⑤共感の言葉→「そうそう、そうですよね」など

(2)切っ掛けづくりのいろいろ

まず、「了承の言葉を返してもらう」ですが、
こちらは「人への働きかけにおいては必須のこと」と言えます。

次に、「感謝の言葉を返してもらう」と
「同意の言葉を返してもらう」ですが、
人は
「ありがとうございます」
「私もそう思います」
と言った後には、
「いや」
とは言いにくい(否定しにくい)ものです。

そして、「注目・興味の言葉を返してもらう」ですが、
人は興味のある話には進んで乗ってきます。
相手から、
「どうなったんですか?」
「どうしてですか?」
「どうすればいいんですか?」
といった言葉が返ってくる話題から入ると、
会話がはずんできます。

さらに、「共感の言葉を返してもらう」ですが、
人は共通の体験や情報、近い体験や近い情報を
持っていると早く親しくなります。

相手から、
「本当ですか、凄い。一緒です」
「あれは○○でしたよね」
「近い体験してますね」
といった言葉が返る話題から入ると、
親近感が生まれ、会話がはずんできます。


3 相手の意向を汲む聴き方

話を聴いてくれる人はいい人です。

聴くことは、
あなたやあなたの話す内容に好意を持ち、興味を持ち、
「関心を持っていますよ」という意思表示です。
好意には、好意が返ってきます。

また、聴くことにはいろいろなメリットがあります。
相手の知識や知恵、話し方などを学ぶことができます。

そして、相手にとっては、
自身の改善や新たな考え・方法への気づき
につなげることができます。

そこで聴き方ですが、
それには相手の思いや考えをきちんと汲み取る
聴き方をします。

まずは、うなずきを大切にします。
つまり、好意や内容への関心を
目線と前向きな動作で伝えるようにします。
話すテンポに合わせたうなずきによって、
相手の気持ちは乗ってくるものです。


4 思い通り話してもらう聴き方

(1)相づちの活かし方

話を聴く際には、内容に合わせた相づちを活用します。
相づちとしては、
次の5つを適時適切に入れるようにします。
①受容(復唱も含む)の相づち
②促進の相づち
③共感の相づち
④感嘆の相づち
⑤同意の相づち

(2)受容の相づち

まず、「受容の相づち」ですが、
これは
「ええ」
「はい」
あるいは
相手の話を復唱したり要約をして返す相づちです。

こうすることで、
「あなたの話を受け入れていますよ」
という気持ちを伝えます。

(3)促進の相づち

次に、「促進の相づち」ですが、
これは相手の話を前に進める相づちです。
「そして?」
「それから?」
といった相づちです。

この相づちによって、
相手は
「もっと話を聴きたい」
といった興味や関心に応えようとするものです。

(4)共感の相づち

そして、「共感の相づち」ですが、
こちらは
「そうそう、あれは○○でしたよね」
「いやぁ、それは○○でしたね」
「その気持ちわかりますね」
といった共感の気持ちを伝える相づちです。

この相づちで、
相手は
「彼は私の気持ちがわかってくれている。彼はいいやつだな」
といった気持ちになるものです。

(5)感嘆の相づち

4番目の「感嘆の相づち」ですが、
これは
「ほぉ〜、○○を、凄いですね」
「へぇ〜、○○なんてなかなかできませんよ。素晴らしいですね」
といった相づちです。

相手は
「もっと聴いて、聴いて」
といった気持ちになるものです。

(6)同意の相づち

5番目の「同意の相づち」ですが、
こちらは
「本当にそう」
「私も同じ」
「私も○○については賛成です」
といった相づちです。

こうすることで、
相手の話を勢いづけることになり、
相手の心の中に
「彼は信頼できるな」
「話の合いそうな人だな」
といった気持ちを生むものです。

ところで、
相づちに関しては特に次のことが大事です。
①同じあいづちを繰り返さない
②声と顔の表情、
    態度や動作を話の内容に合わせたものにする
 

加えて、
こちらのねらいどおりに話してもらうためには、
うなずきや相づちだけではなく、
ほめることや励ますことを入れるようにします。


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