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最近の記事

【詩】坂道

坂を登る時は必死だった 平地を求めて 気力を振り絞っていた 登り切ったところで ぷつんと何かが切れて 危ない下り坂 つまづいて転ぶ 絞り切ってしまった気力 つかまるものもなく ぶつかりっぱなしで 平地を見ることもなく 下ってゆくだけの 坂道

    • 【詩】短い一日

      何をしてもしなくても 今日という日は終わってゆく ベッドに横たわり ただ時間が経つのを待つ 短い一日の消費 無駄遣い そうであっても そのように過ごすしかなく また今日という日が 音もなく閉じていく

      • 【詩】月夜

        不安な時も 元気な時も 歩いた この道 暑い日も 寒い日も 歩いた この道 私は変わり この道は変わらない 暗くなって 心細くても 月が照らしている この道

        • 【詩】勇気をください

          目の前が真っ暗 まだ受けていないのにショック そんなことに支配されて 小さくうずくまる 想像なのに 現実みたいに 頭の中を駆け巡る 心配憂鬱 子供の頃から 心配ばかりして 解決のための 行動は起こせないでいた 行動すること 一人が不安なら 誰かを頼ること それができなくて 増幅させた心配は 心を縛り付ける まだ起こらないことに 傷ついている 必要なのは 一歩踏み出す勇気 動いてみたら 案外楽なはず 勇気をください

        【詩】坂道

          【詩】虹

          黒雲が広がり 雨が降り 心にも入り込む 闇と涙 こんな姿見られたくない 部屋でうずくまり 窓の外を憂いて カーテンを閉めた 君の気配を感じて立ち上がる カーテンを開けると 風にゆらめくワンピース 雲間から光 虹が射して 心にも灯る光 君がいてくれるから きっと きっと

          【詩】虹

          【詩】太陽が見ている

          天気は心と関係なく 小春日和 芯は冷えていても じんわり表面は温まる 重たい頭 やっとの思いで見上げる空 正視できない太陽 私のことを見ている あの光の元に きっとあなたがいて 見てくれている そう思えて 祈るように あなたの名を呼ぶ どうか見放さないで そこにいて

          【詩】太陽が見ている

          【詩】砂の粒

          溢れてゆくばかり 木々のように芽吹くこともなく 有限の終わりが姿を現すのを ただ恐れながら 諦めながら 減りゆく時をやり過ごす 何も考えないでいられた頃の 無鉄砲さと希望の煌めきは すっかり色褪せた 笑うことも忘れて溢れる 涙の粒 音もなく落ちる 砂の粒

          【詩】砂の粒

          【詩】解き放って

          疑ってしまったこと 伝わってしまったら 取り返しがつかない 謝っても わだかまりは残る ずっと自分の中に 巻き戻せない時間に ぐるぐる巻きになって 身動きができなくなった 誰も許してくれなくても 自分だけは許そう そうして解き放って 同じことは繰り返さない

          【詩】解き放って

          【詩】海へ

          あなたの温もりは思い出の彼方 時々引き出しを開けるようにして 確かめてまた仕舞う 心の中で呼んでみても 何の返事も無く 自分の足だけが頼り 強がれる気力も無い 心細さの日々 遂にあなたの全てが 海へ還ってゆく 消えてしまっても 決して無くならない 旅をし続けるあなたに きっと会いに行く 海へ

          【詩】海へ

          【詩】道

          うまく歩けない そんな自分が嫌 そうやって気力を奪っているのは私 どんどん魂は痩せ細って 命が危険に晒される このままでは危ない そう思いながらも 歩く気力が湧いてこない 地に足がついていない 命と対峙した人の言葉は 矢のように飛んできて刺さった 私は少しも自分を大切にしていない 危ないと思うのに 少しも どうしたらより良く歩いてゆけるのか 考えてもみなかった 歩いたところが道になる って誰かの言葉を思い出す 弱々しくても 格好悪くても 歩かなくちゃ うまく

          【詩】道

          【詩】真夏の夢

          毎日逃げ出したい気持ち 心の中だけ自由で 束の間救いたくて 窓越しの空に描く夢 今とは違う人生 何の不安もない日々 手元を見つめる 不安のある何もない日々 窓の向こうに 夏の雲がどんどん育って 翳る部屋でひとり 身体を冷やして 雲行きは怪しく 風が吹き始める 描いた別世界は 雷鳴と共に閃光に斬られ 大粒の雨が 窓を打った

          【詩】真夏の夢

          【詩】花火

          下を向いてため息ばかり 地面に落ちた蝉を数え 暑さも他人事 実感の無い日々を息継ぎして 色彩も味わいも見当たらない 心にかけたサンドペーパー どうしたら元に戻るの 賑わう人々が 闇の中で更に黒く 蠢く中で溺れるように流され 空を切る魂のような光 力一杯鳴らす太鼓のような轟き 広がり落ちる輝きが 未来からやってきたかのように 瞳を顔を照らして 大丈夫 懸命に空から語りかけるように 降り注ぐ 光 光の雫が頬を伝った

          【詩】花火

          【詩】会いたい

          こんな時 あなたならどうするのか 聞きたくても もうそれは叶わない ずっと心配ばかりかけて 私は少しもあなたの方を 向いていなかった 会えたなら まだ伝えていなかったこと 今なら言えること もっと聞きたかったこと 空っぽの部屋に 静寂が残響する

          【詩】会いたい

          【詩】Gift

          今までどれだけの時間を 無駄にしてきたのか 失ってから気づく いつかきっとの 時間はきっと来ない 過ぎたら手の届かない 遠くへ行ってしまうだけ 埃のようなものが 目の前に積もっていくだけ いつだって 与えられていたのに あなたがくれた もう二度とない時間

          【詩】Gift

          【詩】止まれ

          勢いよく走ってきた 我が物顔で 世界は自分のためだけにあって 邪魔なものは蹴散らして ブレーキの存在も忘れて 衝突 当たり前の結果 大怪我をしてもなお 自分のしたことが見えずに 自分が可哀想で 世の中のせいにして 繰り返し 過ちを冒して やっと何がいけなかったか じわりじわりと 涙と共に滲んで 穴があったら入りたい 神様許して

          【詩】止まれ

          【詩】心

          同じことをして 今日は楽しくて 翌日はつまらない 今日はつまらなくて 翌日は楽しい 私は楽しくて 誰かはつまらない 私はつまらなくて 誰かは楽しい それは 心を取り巻くものの 違いや変化で左右される だから対象自体に 楽しいもつまらないもない 人生自体にも 楽しいもつまらないもない それは 心のあり方でどう感じるか だから つまらないと思っても 心が変われば楽しいかもしれない 心を変えるのは 難しいかもしれないけれど つまらなくても 本当はそうではないかもしれないと

          【詩】心