【読書メモ】『境界知能:教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』
基本情報
タイトル:『境界知能:教室からも福祉からも見落とされる知的ボーダーの人たち』
著者:古荘純一
読了日:2024年6月19日
メモ:図書館から
自己開示
WAIS-Ⅲ(2022年実施)
全検査IQ(FIQ):108
・言語理解(VC):126
・知覚統合(PO):103
・作動記憶(WM):79
・処理速度(PS):86
→ 指標得点の最大差分:47
引用
参照用外部サイト(書籍とは無関係)
全体まとめ
「境界知能」。
なんだか妙に聞き覚えがある単語だと思い、図書館で手に取った。
今考えてみると、知能検査を受けた2年前に聞いたのだと思う。
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統計データと診察経験を豊富に起用した、難しい本だった。
数字が多く、よく目がすべった。
難しい箇所は飛ばしながら読んだので、実際に読んだのは6割程度かもしれない。
私が大切だと感じた内容は、引用した4箇所だ。
まとめると以外のようになる。
1)境界知能とはどの範囲の人たちを指すのか。
2)当事者はどのように過ごしているのか。
3)親しい人は当事者をどのように見ているのか。
4)課題解決のためにどうするべきか。
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この本を読んで、心が少しざわついた。
先述したように、私は2年前に知能検査を受けている。
転院前のメンタルクリニックで(なかば騙されて)検査を受けた。
結果は「自己開示」にて書いた通りだ。
当時の私は抑うつ状態だったので(今もだが)、この結果を受けても、特に驚きも悲しみもしなかった。
ただ、今まで感じていた「社会不適合感」や「周囲とのズレ」の原因はこれだったのか、と思った。
そのとき出てきた単語が「境界知能」と「発達障害」であった。
臨床心理士は、私の「作動記憶(WM)」の得点を指さして「境界知能」と言い、4つの指標得点が描く折れ線グラフの形をなぞって「発達障害」の典型的な形状である、と説明したように記憶している。
折れ線グラフの凹凸が大きいことが、脳の発達に凹凸があることを意味していると言っていた。
しかし同時に、発達の凹凸は誰にでもあり、あくまで「個性」である、とも言っていた。
グラデーションなのだ、と。
働けているから発達障害と診断するのはムリだ、と。
知能検査を受けたいと頼んでいないのに。
発達障害と診断してほしいと頼んでないのに。
―――勝手にフラられた。
結局その後、そのメンタルクリニックから発達特性に関するアドバイスなどは一切なかった。
ただ検査だけが終わり、いまだにモヤモヤを抱えたまま生きている。
*********
この本で指摘している「境界知能」とは、知的障害とは診断できないが日常生活で困りごとがあるIQ数値の話、である。
だから厳密には、発達障害の話ではない。
でも同じ指数を使うから、混乱してしまった。
心は少しざわついたが、この本を読んでよかったと思っている。
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