できないものはできない。でも、最善は尽くす。
こんにちは!歯科医師Hachiです!
今日はこんな患者様がいらっしゃいました。
昨日、別の歯医者で前歯のかぶせが悪くなっているから治療した方がいいと言われ、かぶせを取り除いて仮歯にしてもらったそうです。
ですが、その仮歯の色が茶色くて気になるとのこと。そこの歯医者では最終の被せが入るのが8月下旬と言われ、近々友達の結婚式があるから今日でなんとかしてほしいとのことでした。
確かに意味不明なほど茶色かったです。これはかわいそう。それだけではなく、治療後からジンジン痛みがあるとのことでした。
本来ならそこの歯医者に行って相談してもらう方がいいのでしょうが、おそらくその患者さんはそこの歯医者さんではダメだと思って転院をされたのでしょう。
基本的なことを言うと、前歯一本の被せをつくるってものすごく難しいんです。
全然見た目も気にしない方なら、1週間くらいで被せ入れて終わりですが、その方はまだお若い女性の方でした。
見た目もしっかりするのなら、顔と歯のバランスを見たり、歯の色や形をみたり、噛み合わせを見たり、いろんなことを診査してから作るものです。
それを1日でやってくれなんて、無理な話です。
ましてや痛みもある歯なので、新しい被せをつけてから痛みが増してしまったら、もっと大変です。
それを再三説明したのですが、理解を示さず、どうしてもセラミックの被せを入れて欲しいと泣いて頼まれました。
セラミックの被せを作るなら10万かかります。
しかもおそらくそんな急いで作っても満足の得られる結果にはならないでしょう。
ですので、折衷案としてめちゃくちゃキレイな仮歯をお作りして、それでひとまずは結婚式を過ごしていただくことをご提案しました。
それでも納得していただけませんでした。
なので、しょうがなく作ってみました。
作った結果、言った通り満足は得られなかったので、結局仮歯で対応させていただきました。
セラミックは本来技工士さんが手作業で色付けをして初めて天然の歯と遜色ない色が再現できます。
形も顔とのバランスをみて精密に作るので、そんな短時間でうまくいくはずがないのです。
仮歯も決してすごくキレイになるわけではないですが、セラミックよりは調整がしやすいので、短時間で作るなら仮歯の方がキレイにいきやすいです。
結局患者様も仮歯の方でご納得いただけたので、よかったです。
今回の反省点としては、難しいものは難しいと最初にもっとしっかり言い切るべきでした。
ただ、この患者様も被害者なので、突っぱねるわけではなく、代替案でしっかり対応させていただく姿勢を見せるということが必要でした。
そうすれば、今回のように無駄にセラミックを作る手間と時間がなくスムーズに終わったでしょう。
日々学ぶことが多いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回もよろしくお願いします!
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