【マニアックな話】歯茎の移植について
こんにちは!歯科医師Hachiです!
今日はちょっとマニアックなお話です。
こんな治療法があるんだーと思うくらいなので、ご興味あるかたは読んでみてください。
今日お話しする内容は、「歯茎の移植」です。
多くの方にとって、聞き馴染みがないのではないでしょうか?
なんなら、歯科関係者の人にとってもあまり聞かない話かもしれません。
その理由としては、「歯茎の移植をしている歯医者さんが少ないから。」です。
ですので、今日は少しマニアックな話です。
でも、歯茎の移植をすることでメリットも多くあるので、そういった話もしていきます。
歯茎の移植について
歯茎の移植とは?
ますば、そもそも歯茎の移植ってなにするの?という話です。
簡単に言えば、歯茎が足りないところに別の場所にある歯茎を切り取って、移植するということです。
歯茎が足りないところの代表的な例を3つ挙げます。
〈歯茎が足りないところ〉
①歯を抜いた後、歯茎がやせてるところ
②歯茎が下がっているところ
③インプラントの周りの歯茎
こういったところに、上顎の裏側にある分厚い歯茎を切り取って移植します。
この四角で切り取った部分の歯茎を切り取って、移植に使います。
実際の治療例
①歯を抜いた後、歯茎がやせているところ
歯を抜くと、歯の周りの骨が痩せ、それに伴って歯茎も痩せて凹んだ形になります。(写真左)
この状態でもブリッジをして被せを入れることができるのですが、やはり凹んでいるとそこに物が詰まりやすくて、むし歯や歯周病が悪化する恐れがあります。
それを移植することで右の写真のように凹みがなくなり、ブリッジをしてもものが詰まりにくくなります。
②歯茎が下がっているところ
歯茎が下がる原因はいくつかあり、これを放置すると、8割弱の確率でより悪化してしまうので、意外と無視できない状態です。
ここに関しても歯茎の移植で改善できることがあります。
③インプラントの周りの歯茎
これは①の話と同じなのですが、インプラントをするところは歯を抜いた後なので、当然歯茎は痩せてます。
インプラントは天然の歯よりも抵抗力が弱いです。
そうなると細菌に感染してしまい、インプラント周囲炎という病気にかかってしまうことがあります。
抵抗力を強くするためには、歯茎を分厚くすることです。
そのために、インプラントの周りの痩せた歯茎のところに移植をしてあげて、歯茎を分厚くしてあげます。
歯茎移植のメリット・デメリット
メリットは、上に述べたように歯やインプラントの長持ちにつながります。
歯茎の移植によって、歯茎が分厚くなり、歯周病やインプラント周囲炎になりにくくなります。
ですので、適応であればやってあげた方が歯やインプラントの寿命が長くなります。
デメリットは、主に以下のようなものです。
・できる歯医者が少ない。
・傷口が二つになる。
・うまくいかないこともある。
この治療はそもそも難しい治療なのでできる歯医者が少ないです。
なのでできる歯医者さんを探す必要があります。
手術をする際は、移植する部分と、移植する歯茎を切り取る部分の2箇所となります。
なので、手術後は最低1〜2週間くらいはお食事がしにくいなどの不便はあるかと思います。
そのあとは自然に治癒してくるので、違和感などはなくなっていきます。
最後に、すべての治療において言えることですが、100%成功するわけではないので、移植した歯茎がくっつかないこともあります。
以上、マニアックな話ではありますが、「歯茎の移植」という治療法についてざっくばらんにお話しさせていただきました。
もしご質問などございましたら、コメントいただけると幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございます。
次回もよろしくお願い致します。
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