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歯医者が使う「たとえ」

こんにちは!歯科医師Hachiです!

僕は、患者さんに分かりやすく説明するために「たとえ」を使います。

いくら「歯周病はプラークが〜」とか、「入れ歯はクラスプがかかる歯が〜」とか必死に説明しても、

歯周病とかクラスプとか、知らない言葉が出てくるだけで人はストレスを感じて聞く耳を持ちません。

なので、少しでもイメージが湧きやすいように僕が使っているたとえをご紹介してみたいと思います。

歯周病治療は「爪あか」にたとえる

歯周病治療は、主に「歯石」を取ることをします。

上の図のように、歯石は歯と歯茎の隙間についています。

歯石がついていても、自分には見えないし、痛いとか症状もないので、普段気にすることはないでしょう。

であれば、「爪あか」はどうですか?

爪あかは黒色してるので、痛くなくても気になって取りますよね?

おそらく多くの人は、反対の手の爪を使ったりして取ろうとするはずです。

それで取れたらいいのですが、深いところに詰まってるものを取ろうとすると痛いですよね?

それが歯石取りも同じことが言えます。

こんな感じで、歯茎の上についている歯石は基本痛みを感じずに取れます。

ですが歯茎の中に埋まっている歯石、つまり奥に詰まっている歯石。

これを普通に取りに行くと痛いです。

なので歯科医院では麻酔をしてから奥に詰まっている歯石を取ります。

キュレットという器具で奥深くにある歯石を取ります。

これにより、歯茎が引き締まり、歯周病が改善されます。

口臭も改善します。


部分入れ歯は「栓抜き」にたとえる

部分入れ歯とは、下の図のようなものです。

残っている歯に「クラスプ」と呼ばれる金具をかけて、患者さん自身で取り外しできる装置です。

患者さんでも入れ歯は外れやすいんじゃない?って心配される方もいらっしゃいます。

確かにこのクラスプが緩んでくると、外れやすくなったりします。

その時は金属を曲げてキツくします。

これでまた外れにくくなります。

ですが、キツくするということは、それだけ歯に負担をかけるということ。

そして、外すたびに歯には「抜く方向」に力がかかります。

まさに栓抜きと同じ感じです。

つまり、入れ歯は残っている歯に負担をかける治療になります。

ここで、一つ補足があります。

今、部分入れ歯は残っている歯に負担をかけると言いました。

ですが、正しい設計や準備をすれば逆に歯を守ることもできます。

ですがそれは基本保険外でつくる入れ歯である程度高額になるのと、残っている歯も削って被せをして補強するなどの準備が必要になります。

今回お話ししてる入れ歯は保険診療でつくる入れ歯です。

保険の入れ歯はある程度制限があるので、設計に自由度がなく、どうしても残っている歯に負担がかかりやすいです。

なので、入れ歯が必ずしも良くない治療と言いたいわけではなく、入れ歯も種類によっては長持ちさせることができるということを補足しておきます。


以上、歯周病治療と部分入れ歯に関するたとえを紹介してみました。

参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございます。

明日もよろしくお願い致します!

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