水を飲むかは馬次第

相談者の大半は「会社の社長」です。
ですが今回は社員から相談を受けました。

「家族経営の大好きな会社なんです...どうか助けて下さい…」

この社員、なんと自分でもローンをし、その金を会社に貢いでるとのこと。
なんという愛社精神なんだ….

でも皮肉なことに、決算書は悲惨な有様。
債務超過どころか、多額の金を銀行だけでなく個人からも借り入れしてる始末、なんとその数100人超。
返済できないと分かってて借りている節もあり「詐欺」にも問われそうな有様でした。

何度か会話を重ねましたが、肝心の社長は上の空。
癌ステージ4なのに「癌などない」といったご様子。これでは話になりません。

「意思決定を行う当事者が本気にならない限り話を前に進めることはできない」
そう伝えると、受話器越しで涙を流す社員。
こんな素晴らしい社員を抱えながらも、会社は沈没に向けて一直線。
なんとも皮肉な話です。

後日社員からLINEが届きました。
「今後を思うと悲しくなり取り乱してしまいました。あとは代表の意思に託そうと思います。」

馬を水辺に連れて行く事は出来ても、水を飲むかは馬次第です。
喉が渇くのを待つしかない事もあります。
ここの社長がいつか再生を望む日が来て、社員が救われることを望むばかりです。


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