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詩 7年目の梅雨入り

7年目の梅雨入り
福島は星空だった
私はなまり言葉を覚えて
だばいやねごーなど
身体に東北を吸収した
九州男子から見て東北は
いつも真面目で我慢強く武者が良かった
男は純粋で寡黙だったし
女性は美しく我慢強かった
その空間が自分には心地好く
自然体なる民族的アミニズムが根底にあるように感じた
その哲学的なまた思想的な人の歩みは客観視以外には見えない現象なのだ
まるで人並みな凡庸な言葉で表現すれば「美しい」というそれだった
季節折々の風景が絵画のように神秘的だったし
あまりにも日常化した衣食住という奇跡は
一つ一つが細胞の栄養として記憶された絵の具の一太刀だった
さ迷える細胞の木偶の坊が黄昏て町を歩けば木々の隙間から季節の花びらが万の風になって吹き抜けてゆくのだった
手づかみで拾う砂金の色々の金貨を広いあげよう
さあさあさあ
ほらほらほら
とんでけとんでけ
とその花びらを空の彼方に飛ばして
空中へ星星に光輝く銀河鉄道が風と共に走る夢を奏でるのだ
でんでんどんどん松明太鼓のように
だべーだべ!などを心合わせ言葉に変えて
旅立ちの前に一人北の大地と空と戯れるのだった

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