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小国主義✨

地政学的宿命って?

前田有一さんのnoteを読んでいて、「地政学」「必然(宿命)」というのがまるでわからなかった。と、取りつく島がーーあっ、伊勢崎賢治さんだ。前に集団的自衛権のことを知りたくて新書を読んだーー🔎読む検索読む🔎読むーー「小国主義ー日本の近代を読みなおすー」(田中彰著 岩波新色)を読みなおしたほうがいいかな、と思ったところで、見切り発車note。 

戦争を止められたのはウクライナ大統領、という視点
地政学の考え方では、人間同様、国にも宿命というものがあるそうです。ウクライナの場合は、あの位置にあるがために、いまアメリカ(ロシアの敵国)に近づこうとすればロシアから攻撃されることは必然(宿命)というわけです。
(略)
狂っていないプーチン大統領
「いやプーチンが思いとどまればよかっただろうが」との反論もあるかと思いますが、感情的には私も理解できるのですが、それは明らかに間違いです。

プーチン・ロシア大統領は地政学の宿命にしたがい、緩衝地帯を失うリスクとウクライナへの軍事攻撃によるデメリット(国際社会からの孤立)を天秤にかけ、必然的な選択(軍事侵攻)をしただけであって、その選択自体は予想通りであり意外性はまったくありません。

戦争を招いた原因に目を向けず、
"被害国"にのみ肩入れする感情論では何も解決しないどころか、悲劇が繰り返される


【ロシアを含めて「母なるヨーロッパ」という概念にもとづく政治フォーラムにするというビジョンがあった。】

伊勢崎 米国の大学では公文書のアーカイブがある。米国では日本みたいに自衛隊日報を隠したり、勝手に処分したりしない。政府の文書は、それが機密文書であっても国民の財産なので政府が勝手に破棄できない。だから米国では外交文書といういわゆる密約にあたるものでも一定の年月を経ると公開される。それを大学の研究者が整理している。

 そこで「1インチも東方拡大しない」という約束があったことは証明されている。ゴルバチョフが中心になったペレストロイカ、東西冷戦の終焉というのは、別に欧米がソ連をやっつけたわけではなくソ連がみずから変革した。ソ連内には西側諸国に対する強硬派も多かったので、ゴルバチョフが潰されないように、当時のブッシュ米大統領やサッチャー首相(英国)、コール首相(西ドイツ)などが、彼を気遣って約束したことが機密文書に書かれている。当時、東西ドイツの統一をソ連が認めるかわりに、NATOはポーランドも含めてNATO加盟国にしないことなど、「1インチも拡大しない」という言葉として文章に残っている。

そもそもNATOはソ連に対抗する軍事同盟だ。ソ連崩壊後は敵がいなくなるため必要なくなる。だから当時の首脳たちは、NATOを軍事同盟ではなく、ロシアを含めて「母なるヨーロッパ」という概念にもとづく政治フォーラムにするというビジョンがあった。だが、その約束をどんどん破って東方に拡大したのがNATOだった。

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NATOは 「1インチも東方拡大しない」と約束した。
「ゴルバチョフが潰されないように、当時のブッシュ米大統領やサッチャー首相(英国)、コール首相(西ドイツ)などが、彼を気遣って約束したことが機密文書に書かれている。」
「その約束をどんどん破って東方に拡大したのがNATOだった。」
「そもそもNATOはソ連に対抗する軍事同盟だ。ソ連崩壊後は敵がいなくなるため必要なくなる。だから当時の首脳たちは、NATOを軍事同盟ではなく、ロシアを含めて「母なるヨーロッパ」という概念にもとづく政治フォーラムにするというビジョンがあった。」

「ロシアを含めて」の素晴らしいビジョンがあったけど、西側が約束を次々反古にしてまっていた。

長周新聞

伊勢崎 国際法の限界としての武力行使という点。さらに悪魔化されているプーチン側にもそれなりの理由が国際関係の議論上にはあるという点。では、昨日起きたこと(ロシアの軍事侵攻)をわれわれ日本人としてはどう捉えるべきか。その視点を持つべきだと思う。
(略)
だが、日本はウクライナと同じく緩衝国家という立場にある。こちらはアジアだが、同盟国の米国は1万㌔も海の彼方にあるわけだ。

長周新聞

NATOが東欧諸国と結んだ地位協定は対等な協定

NATO地位協定は、日米地位協定のように2国間協定ではないので主語がなく、派兵国と受け入れ国という言葉しかない。立場が逆になることもある。お互いの軍の自由を認めていない。派兵国の軍隊はすべて駐留受け入れ国の法律に従い、環境基準も訓練のやり方もすべて受け入れ国の基準に従う。このような対等なNATO地位協定を、仇敵である旧ソ連圏の国々にも与えて引き込んでいった。

長周新聞

米副大統領が国葬(ギ)で来日したときも「主権国」の管制を受けることなく横田基地に降り立ちヘリでどこへやら。そういえば沖縄のうたで「とーのゆーから やまとのゆー やまとのゆーからあめりかゆー/唐の世から大和の世 大和の世からアメリカ世」(「時代の流れ」)ってある。日本は中華からアメリカか。日本はアメリカの属国だと日米地位協定がいちいち証明してる。沖縄で何があってもソーリダイジンは怒らない、抗議しない、地位を対等にしようとしない。中華よりアメリカの支配は厳しいな。
それとも日本の為政者がが異様に卑屈になってしまったのか。


緩衝国と緩衝材国家

(これらの国は、日本人にはあまり知られていない工夫をしている。」としてノルウェー、アイスランド、フィンランド、スウェーデンのことが話され、)
伊勢崎
 こういうなかで日本はどう考えるか。私は日本は緩衝国家ではなく、「緩衝材国家」と呼んでいる。自分の意志がないからだ。バルト三国も含めNATO加盟国でありながら緩衝国家の国々は、NATO地位協定だからお互いに対等だ。駐留する外国軍にも勝手なことをさせない。主権国家だからこそ緩衝国家になれる。だが、われわれ日本は自由がない。米国のいいなりになっていることがまずいということがわかっていない。自国内で外国軍が勝手なことをして、一番先に報復されるのは緩衝国家だ。だから基本は、駐留させたとしても自由なき駐留だ。これを同盟という。日本はそうではない。

長周新聞

日本の為政者の意思はいかに自分が1秒でも長く権力を握っていられるかしかないように見える。だから「これを同盟という」という状態からかけ離れた実態を放置していられる。日本の為政者のアメリカへの対応は、彼らの権力を延命させるのかもしれないけど、日本にくらす人たちに資するところは微塵もないのでは?
アメリカにはへつらい、危機を煽りながら中国との関係はぞんざいにしてる。悪質だ。
日本でくらしてる人たちが危機に瀕していても気にならないらしい、と思うのは「誤解」ですの?
日本でくらす人たちを権力者たちは愚弄して虐待してるなーって度々実感してしまう。

「おまえなんか大事じゃない」って言わなくても伝わる。
報道が少なくて積極的に探した、と青木理さんが📻で言ってた。


さらに、今日の報道ではチェルノブイリ原発をロシア軍が制圧した。意図はわからないが、これから長期化してロシア軍が入ってきて地上戦になれば、ウクライナ市民も応戦して市街戦になる。そのときに原発は究極の地雷となる。そこを早く制圧するというのは当然といえば当然だ。

山本 重要拠点は真っ先に抑えられる。そうなると、この緩衝材国家(日本)には山ほど占拠されるような施設が林立している。

伊勢崎
 今は亡き私の友人が経団連幹部で原子力産業の中枢にいたが、彼は生前「原発というものはみずからに向けた核弾頭だ」といっていた。それが仮想敵国と向かい合う海岸線にずらっと並んでいるわけだ。こういう国を通常戦力で防衛するというのは無理だ。ウクライナ危機を通じて日本は学ばなければいけない。

長周新聞

事態をこれ以上悪化させないために日本が主体的に何かできたか、という山本太郎さんの問いに伊勢崎さんは「その前に日本にその意志があるのかという話だ。この国にはプレゼンス(存在感)がない。」と。
でも、取りつく島がないことはないらしい。

現状に介入することは難しいが、冒頭でいったように国際法をもう一歩バージョンアップさせるべきだ。国際法のあいまいなところでこの事態が起きている。つまり集団的自衛権の発動を依頼されたという形で軍が入っている。これは明確にやってはいけないというとり決めを、国連憲章に加えるのか、国際協定みたいなものを成立させて批准国を増やしていくなどのやり方で広げる。そういうことを日本が主体になってやってほしい。

長周新聞

⇧「集団的自衛権の行使」関連途中まで読めます。

「ハリボテ」までが。フィクションなら、これでもかってやりすぎで現実味が失われる過剰な展開。

おともだちが喜んでる?


⇧集団的自衛権を行使するが根拠は説明しませんし、後々開示しません、なぜなら「無い」からでーす、が冗談にならない。

本を読んだことは覚えていても中身は・・・「忘れるからまた読める」と太宰治が書いていたはず。
「日本人は人を殺しに行くのか」を読んでほぼ忘れたのに、ずっと気になっていることがある。盲点というか、報道してるのをわたしは見たことがないので、知らない人はけっこういると思う。

しかし、自衛隊法には、自衛隊が国外で犯した過失を裁く規定すらありません。(以下、刑法が使えない理由、一般犯罪としても扱えないなど説明して)軍法がある国でも苦労するこの手の問題を、軍事法廷のない国がどうやって対処するというのでしょうか? 日本では、この大切な議論が一切なされないまま、自衛隊が海外に派遣され続けてきたのです。
(略)
「事件が起こらない想定」で自衛隊は海外に身を置き続けているわけです。それでもなお、自衛隊は何も事件を起こしていません。誰も殺していないのです。
それはひとえに、自衛隊が偉かったからです。現場の自衛隊員が、誰よりこの問題を認識していたのです。
(イラクに派遣された自衛隊はあえて目立つ服を着て、遠くからでもわかる大きな日の丸を身につけ「戦争はしない」と「身体を張ってアピールしていたのです。」)
だから、自衛隊のなかに自殺者が出るんです。こんなことを、いつまで自衛隊の諸君にさせるのでしょうか? 軍法を持たない自衛組織を海外に送る政治的・外交的リスクを、いつまで自衛隊に押し付けるのでしょうか?

「日本人は人を殺しに行くのか」164~167

「軍法を持たない自衛組織」が海外に派遣されている。
当事者・海外に派遣される自衛隊員の胸中察するに余りある。非道い、こんな無茶苦茶な任務って。
この事実だけは頭から消えなかった。でもこの件が議論されてるって聞かない。

きのう充電がなくなってから「小国主義ー日本の近代を読みなおすー」を4分の1くらい読みなおした。いい本持ってるなー😸 わたし、やるじやん!(peachちゃんにならった。)と思った。

明治維新以後の日本近代史は、ひたすら大国への路線を歩み、戦争につぐ戦争をくり返した大国主義の歴史にほかならなかった。
(略)
岩倉使節団における小国の問題は、使節団が探り求めようとしていた日本近代の、「未発の可能性」としての選択肢のひとつだったといってよいのではないか。

「小国主義ー日本の近代を読みなおすー」はじめにⅲ


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