ザッ

1997年7月23日(水)
高速で走る汽車に乗っていた。座席に丸くなって──蚕豆の形──眠っていた。真っ暗。
ぼんやり目が覚めてきて、恐ろしくなった。こんなスピードで、いったいどこをどう走っているんだろう？　いまに、次の瞬間にも激突してしまうんじゃないだろうか。
恐がりながら、いまのわたしは電車でも眠れるようになったけど、子どものころは車に乗るのが本当に恐かったな。激突して大破するような恐怖でいっぱいだったなと考えていた。５歳くらいまで本当に恐かった。

ザッ

水が落ちる。
破水して羊水が無くなって、わたしは落ちた。
そのまんま出てこられなかった。

記憶はないけど、からだに感覚が残っていたんだな。

2023年10月17日　たまに恐怖がよみがえる。