見出し画像

「誰一人取り残さない」と「誰一人見捨てない」のちがい

信州大学三崎隆教授をゼミ仲間と訪ねました。

個人的には、上教大ではないところで、『学び合い』を発信している大学の先生はどのような考えをもっていて、どんな風に話をされるのかに興味がありました。
西川先生の発信との相違点や共通点が見えたら面白いなぁと思っていました。

西川先生を「純ちゃん」と呼ぶ三崎先生。かれこれ35年の付き合いだそうです。

ご丁寧にミーティングルームを用意していただき、我々一人ひとりに水とご著書をご用意いただきました。
物腰柔らかな表情、丁寧なご対応に三崎先生のお人柄を感じました。

我々の質問への返答も含めながら、三崎先生が捉える『学び合い』の観をお話していただきました。

印象に残ったことを書き下しておきます。

・一人ひとり(教師)の力を発揮してください。
・『学び合い』のターゲットは見捨てられる下の2割
・SDGsでいう「誰一人取り残さない」の主語は「教え手」、『学び合い』の「誰一人も見捨てない」の主語は「学び手」。前者はテクニックに走りがち。後者は教師のテクニック以上の思いが必要。
・「誰一人も見捨てない」にたどり着いたのは、経験に由来するのだろう。
見捨てられた経験。見捨ててしまった経験。それを繰り返したくないし、繰り返させたくない。
・教師の魔法の言葉は「~~いいんだよー」。NGは「しましょう」「しなさい」
・学び手の魔法の言葉は「一緒にやろう」
・集団の居心地の良さは、「一人も見捨てない」ためのワンステップに過ぎない。
・『学び合い』は難しい。「子ども集団は有能」と思えるのは教師にとって、「よき同僚との付き合い方(折り合いをつける)」ことは子どもにとってハードルが高く感じるよう。
・教師が集団の辛い姿をフィードバックすることが辛くなってしまうのかも。
・子どもが目標をつくる授業も挑戦している。複数のゴールを子どもたちの納得のもとつくればよい。
・理科の実験も任せるのは
①飛び込みならしっかり安全教育する。
②定常的にやるなら貼っておいて「危ないぞー」「見といたほうがいいぞー」
・上位2割に「火をつけた」状態を測定するのは、かなり困難だろう。地道な行動分析をするしかない。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?