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『学び合い』の授業者は何を見ているのか。

会津ザベリオ学園小学校を訪ねました。
今回は大島研究室の研究に同行させていただき、高橋尚幸先生と菊池南央先生を参観させていただきました。

『学び合い』の授業者は何を見ているのか。

2限 6年生の社会
授業が始まるや否や、先生の言葉そこそこに、して子どもたちは活動に入っていきます。

教室で1人黙々とやる子、せっせと机をくっつけてグループで取り組む子、教室とオープンスペースでつながる隣の教室で取り組む子、様々です。

課題は「学習進行表」で提示されており、何を学習するかなどの細かな説明は、ありません。

しかし、子どもたちは何も困っている様子もなくのびのひと学習していました。

上記の学習進行表も含め、高橋先生の実践は、
「時間割まで子供が決める!流動型『学び合い』の授業づくり」でも紹介されています。

『学び合い』の実践は多々ありますが、自由進度的に単元を子どもに委ね、j徐々に教科の壁も取っ払って、1日の流れも子どもたちでマネジメントしていく実践が紹介されているのは、高橋先生の本が初めてではないかと思います。

高橋先生に視線追跡メガネを装着してもらい、授業中の視線の動きを記録します。
大島研究室の研究は、「授業者が何を見ているのか」を明らかにする研究とのこと。

高橋先生の目線の動きがパソコンへ送られてきます。
人の見ているものを見る、何となく罪悪感があります笑
視点のいくところには赤マルがつくのですが、それを見えていると、何となく授業者の見方が見えてきます。

・子どもの近くに行くとき、もしくは子どもと話すときは、子どものノートや教科書を見ている。
・遠くから子どもを見ているときは、子どもの顔を見ている。
・教卓で作業しているときもチラリと子どもの顔を追うときがある。
・同僚と話すときは、顔を見て話している。

ような気がしました。
(上記は筆者の勝手な主観ですのであしからず)
これから大島研で詳細な分析が進められることになるでしょう。

『学び合い』では教師は何もしないの?と誤解される時がありますが、このように子どもたちの学習を見取る力が必要なのだと改めて感じました。
また、学習進行表も配るのは簡単ですが、単元の学習のイメージが教師の中にあるからこそ、子どもたちに初めて提示できます。
その上で協働して解決する意義を説いたり、フィードバックを繰り返しながら少しずつ『学び合い』文化が構築されていくのだろうと思います。

3月の姿を見させていただきましたが、4月当初からどんな変遷を経ていくのだろうかと思いました。文化が根付くまでの過程にとても興味があります。

授業が楽しめると集団も伸びていく

3限 4年生国語
菊池先生の国語を参観させていただきました。
素敵な映画のキャッチフレーズが紹介され、教科書の題材や自分で選んだ本のブックレビューを作ろう!という課題でした。

これだけでも、なんとも楽しそうな課題です。

iPadで動画をみて、キャッチフレーズを考えるコツを学習したり、あちらこちらに出張してヒントをもらったりしながら思い思いに学習をしていました。

回って見ていると、何とも素敵なキャッチフレーズがいくつもありました。
ある子は、「瞬間」の「しゅん」をどうしても漢字で書きたくていろんな子に聞いていました。
「しゅん間」と「瞬間」と書くのではキャッチフレーズから得る印象が異なってしまうのがどうしても解せなかったようです。
なかなか4年生で「瞬」をかける子はいなかったようで、最後は先生に聞いて満足そうにキャッチフレーズを書いていました。

授業終わりに菊池先生の話をお聞きすることができました。

・遊びに行って楽しいのはもちろんだけど、毎日ある、日々の授業で楽しい!って思えたら素敵だよね!と伝えてきた。
・10月、11月を境に、「授業が楽しい!」という子が増えてきた。
・と同時にクラスが前向きに進んでいける見通しが見えてきた。
・子どもたち自身で学んでいける実感をもたせて進級してもらいたい。

菊池先生からブレない芯の強さ、思いが学級の成長に繋がっているのだと感じました!

お忙しい中、ご対応いただいた高橋先生、菊池先生、ご一緒させていただいた大島先生、大島研の皆さんに感謝します。

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