『ニッポン無責任時代』:1962、日本
バー「マドリッド」では、乗っ取り屋として有名な黒田物産社長・黒田有人が女給の麻田京子に太平洋酒の株を買うよう勧めている。彼は次の乗っ取り先として太平洋酒を選び、株を買い占めているのだ。太平洋酒総務部長の谷田と部下の大塚が店にやって来たので、黒田は見つからないように退散した。
京子が谷田たちのテーブルへ行こうとすると、バーテンの春木が「あの男、知ってる?懐は大丈夫かな」と一人の客を指し示す。カウンターに座っていたのは平均(たいら・ひとし)という男だが、京子は初めて見る相手だ