【調理方法別】さつまいもの味分析
食欲の秋! あなたは今何が食べたいですか?
秋の味覚のひとつが、さつまいも!
さつまいもの特徴のひとつが加工用途の広さです。焼く・煮るといった調理はもちろん、干しておやつにしたり、醸造により焼酎やビール、ワインといった飲み物の原料にも使われます。果てはでん粉としての利用や、紫いもは色素原料にもなるなど、さつまいもの姿が見えないかたちでの利用もあるほどです。
このように広く使われるさつまいもは家庭でも身近な食材ですね。おかずになったり、お菓子になったり、家庭でもさまざまに変身します。
使い方が幅広いさつまいもだからこそ、どのように調理するかはとても大事なポイントです。加熱方法による味の違いを分析して、特徴をまとめたので参考にしてみてください!
今回は、さつまいもの中でも人気のある「紅あずま」を使用し、6通りの加熱調理をして比べてみました。それぞれの調理方法による味の違いをグラフで見ていきましょう!
①電子レンジ ②蒸し専用容器
他の調理法と比較して非常に濃厚な味わいが特徴的でした。加熱中にラップや容器の隙間から水分が蒸発したことにより濃厚な味わいになると考えられ、実際に食べると若干パサパサした舌触りがありました。手軽に短時間で加熱調理できるのは大きな魅力です。
③圧力鍋 ④蒸し器
③圧力鍋は、さつまいもの素材感と濃厚さが強い味わいになりました。特に素材感は今回実験した6種の調理法の中で最も強い結果になり、インパクトのある味バランスになっているようです。
④蒸し器は、素材感が控えめなほかは平均値に近い結果になっており、バランスのとれた味わいと考えられます。
⑤オーブンレンジ ⑥炊飯器
時間をかけてさつまいもを加熱する調理方法。どちらも濃さが控えめで、さつまいもの甘さと素材感を感じられつつもさらりと食べられる味バランスになっているでしょう。
これは、さつまいもの内部温度がアミラーゼ活性の高い温度帯を維持しやすいため、他の調理方法より多くのデンプンを分解し麦芽糖が生成されたためだと推測されます。じっくり加熱することで甘さをより楽しめるのが特徴です。
実際に加熱調理したさつまいもを触ってみたところ、他の調理方法よりも柔らかくなっていました。これも食べやすさのポイントになっていると考えられます。
まとめ
調理方法を変えることで、さつまいもの味わいが変化するということがわかりました!
今回の調査では「紅あずま」を使用しましたが、他にも「安納芋」や「紅はるか」などいろいろな品種が流通しています。品種の違いと調理方法の違いを組み合わせることで、自分好みのおいしさのさつまいもが発見できるかもしれません。
これから寒くなる冬に、調理したてのさつまいもで温まってみてはいかがでしょうか!
注)さつまいもは青果物のため個体間差があり、別の測定では異なる結果となることがあります。