【調理方法別】さつまいもの味分析

食欲の秋! あなたは今何が食べたいですか?

秋の味覚のひとつが、さつまいも!

さつまいもの特徴のひとつが加工用途の広さです。焼く・煮るといった調理はもちろん、干しておやつにしたり、醸造により焼酎やビール、ワインといった飲み物の原料にも使われます。果てはでん粉としての利用や、紫いもは色素原料にもなるなど、さつまいもの姿が見えないかたちでの利用もあるほどです。

(参考)日本いも類研究会 さつまいもMiNi白書 Ⅰ さつまいもの特徴
https://www.jrt.gr.jp/spmini/spmini_tokucho/

このように広く使われるさつまいもは家庭でも身近な食材ですね。おかずになったり、お菓子になったり、家庭でもさまざまに変身します。

使い方が幅広いさつまいもだからこそ、どのように調理するかはとても大事なポイントです。加熱方法による味の違いを分析して、特徴をまとめたので参考にしてみてください!

実験概要 2018年9月調査
さつまいもの品種:紅あずま
加熱調理の方法
①電子レンジ:さつまいもをラップでくるみ、電子レンジ600Wで1分半加熱後、200Wで更に10分加熱。
②蒸し専用容器:電子レンジで蒸せる容器にさつまいもをそのまま入れ、電子レンジ600Wで6分加熱。
③圧力鍋:圧力鍋にさつまいもと精製水150mLを入れて加熱。圧力がかかってから8分加熱後、火からおろし、圧力が抜けるまで静置。
④蒸し器:蒸し器に水とさつまいもを入れ加熱を開始。蒸気が出てから30分加熱。
⑤オーブンレンジ:アルミホイルと濡らしたキッチンペーパーでさつまいもを包み、オーブンレンジで余熱なし160度の設定で90分加熱。
⑥炊飯器:炊飯器にさつまいもと精製水200mLを入れ、通常の炊飯モードで加熱(加熱時間:約50分)。

今回は、さつまいもの中でも人気のある「紅あずま」を使用し、6通りの加熱調理をして比べてみました。それぞれの調理方法による味の違いをグラフで見ていきましょう!

①電子レンジ ②蒸し専用容器

さつまいも1

他の調理法と比較して非常に濃厚な味わいが特徴的でした。加熱中にラップや容器の隙間から水分が蒸発したことにより濃厚な味わいになると考えられ、実際に食べると若干パサパサした舌触りがありました。手軽に短時間で加熱調理できるのは大きな魅力です。

③圧力鍋 ④蒸し器

さつまいも2

③圧力鍋は、さつまいもの素材感と濃厚さが強い味わいになりました。特に素材感は今回実験した6種の調理法の中で最も強い結果になり、インパクトのある味バランスになっているようです。
④蒸し器は、素材感が控えめなほかは平均値に近い結果になっており、バランスのとれた味わいと考えられます。

⑤オーブンレンジ ⑥炊飯器

さつまいも3

時間をかけてさつまいもを加熱する調理方法。どちらも濃さが控えめで、さつまいもの甘さと素材感を感じられつつもさらりと食べられる味バランスになっているでしょう。
これは、さつまいもの内部温度がアミラーゼ活性の高い温度帯を維持しやすいため、他の調理方法より多くのデンプンを分解し麦芽糖が生成されたためだと推測されます。じっくり加熱することで甘さをより楽しめるのが特徴です。
実際に加熱調理したさつまいもを触ってみたところ、他の調理方法よりも柔らかくなっていました。これも食べやすさのポイントになっていると考えられます。

まとめ

調理方法を変えることで、さつまいもの味わいが変化するということがわかりました!

今回の調査では「紅あずま」を使用しましたが、他にも「安納芋」や「紅はるか」などいろいろな品種が流通しています。品種の違いと調理方法の違いを組み合わせることで、自分好みのおいしさのさつまいもが発見できるかもしれません。

これから寒くなる冬に、調理したてのさつまいもで温まってみてはいかがでしょうか!

注)さつまいもは青果物のため個体間差があり、別の測定では異なる結果となることがあります。



【引用について】
当レポートの著作権は、株式会社味香り戦略研究所が保有します。引用される際は、「株式会社味香り戦略研究所調べ」と出典を明記ください。

※禁止事項
当レポートに記載された内容の一部または全部を改変して引用することは禁止いたします。また、商品・サービスの広告における利用もご遠慮ください。営業・販売を目的とした資料や制作物への引用をご希望の場合は、事前に必ずご相談ください。

※免責事項
弊社が独自に分析・解析を行ったものであり、掲載されている商品の優位性を示すものではございません。引用されたことにより、利用者または第三者に損害その他トラブルが発生した場合、当社は一切その責任を負いません。