「推し、燃ゆ」を読んで
どうしても読んで感じたことを、どこかに書き残しておきたくて、そういえばnoteがあった!と、初投稿。
先日なんとなくつけていた朝のワイドショーから、芥川賞・直木賞の話題が流れていた。
普段雑誌以外の書籍は読まないけど、芥川賞を受賞した宇佐美りんさんの「推し、燃ゆ」というタイトルとあらすじに強烈に惹かれた。
あらすじは、主人公のアイドルオタクの女子高生が、推しを推すことを自分の人生の中心として生きていた。
しかしある日その推しが不祥事を起こすと共に、主人公の人生も変化していってしまう...というもの。
もう既にリモートワークを開始していたが、気になり過ぎてTwitterで検索したところ『作者には8年推している俳優がいるらしい』という情報を目にした。
自分と同じ人種だ。めちゃくちゃ読みたい...と思った瞬間に、秒で電子書籍買ってた。
退勤して、一気に読む。
前半は、ああ、わかる。わかる。ほんまそれな...の嵐。
見返りを求めているわけでもないのに、勝手にみじめだと言われるとうんざりする。あたしは推しの存在を愛でること自体が幸せなわけで、それはそれで成立するんだからとやかく言わないでほしい。お互いがお互いを思う関係性を推しと結びたいわけじゃない。
(「推し、燃ゆ」550ページより)
自分自身も「推しを推すことが、生活の中心で絶対的なこと」と思っていた学生時代があった。これをするためだけに、生きているとさえ思っていた。
だから主人公の感情が全て、過去の自分の事のように思えたので、後半の主人公が堕落していく場面が、読んでいて苦しかった。
きっとこの話は、たまたま私が回避できた、人生のバッドエンドのパターンだ。と思った。
バッドエンドのパターンになっても、現実を生きていかなきゃいけない。辛い。想像しただけで辛い。
私が思うバッドエンドのパターンでこのお話は終わってしまうけれど、どうか主人公のあかりが生きていける場所がありますように...、と心から願った。
最後に、いま推しがいる人、過去に推しがいた人は、絶対に刺さると思うので、是非読んでみて欲しい。
推しが居たことのない人が読むと、どう感じるのかが気になるので、読んで感想聞いてみたい。
あと、これを読んでもらえれば『推し』という概念について、少しは理解してもらえるんじゃないかと思う(笑)
そんな自分はこれを読んで、最近ご無沙汰していた推しを猛烈に見たくなり、収納ケースの奥底から、たくさんのグッズを引っ張り出しているところだ。
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