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「ヤクザと家族 The Family」を観た。

最近また映画熱が高まってきた私。推しの映画監督の藤井道人監督の「ヤクザと家族 The Family」をNetflixにて鑑賞しました。

間違いない作品。面白い。エンディングは本当に秀逸で涙しました。

ヤクザ映画は白石和彌監督の「狐狼の血」で二部作鑑賞し個人的に一押しですが、ヤクザ映画は暴力や組対組の抗争、薬物などいわゆるアウトローな世界や人間ドラマといった非日常を味わうことが醍醐味なのかなと私は思っています。そういったものを受け付けず抵抗がある方も多いのかなと思います。

しかし、この作品は自分のイメージのヤクザ映画と全く違ったもので新しいなと思ったのが全体的な私の感想です。

主な内容として、暴力団排除条例により、徐々に社会的に肩身が狭くなっていく状況の中で、ある暴力団とその中の新人団員となる主人公の人生が3部構成となって描かれています。

しっかり暴力や組同士の抗争などヤクザ映画としてのアクションや世界観をしっかり描きながらも、衰退していく組やその組を取り巻く人物たちの人間ドラマがとても丁寧に描かれています。

タイトルに家族やfamilyとあるように、暴力団の世界の非日常的な世界の中に家庭的で心温まる日常的で心温まる場面が多く描かれているなと感じました。

主人公の自分に置かれた状況を真っ当に生きようとする姿、家族や仲間思いであり、恋した女性への一途なところがまた感情移入しやすく観やすい要素かと思います。またアウトローな状況の中でも主人公が薬物には一切手を出さない設定も個人的に好感が持てます。

マイノリティなど立場の弱い者の表現は、よく貧困層やLGBTQの世界を描く物語が多いですが、今作はヤクザという世界から大切なものを強調して示し教えてくれます。生きづらさの表現としてSNSの要素も取り入れ、うまく表現されており、より現代にフィットしている感じで、今見るべき映画といえます。

millennium paradeの主題歌もとてもはまっており、MVも藤井監督が手掛けておられ、映画のキャストの方が出演されています。本編を見終わった後、このMVを観ると更に泣けます。

2021年公開で自分もやっと観たという感じですが、まだ観ておられない方、本当におすすめです。

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