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はじめてのインターネットは不純まみれ


公式のお題に沿って書く練習をしてみます。

練習なので、特に誰かを意識した文章ではありません。

恐ろしく暇な方だけ読んでいただければ幸いです。

まずは、手始めに。


#はじめてのインターネット


物心ついた頃には、僕の机の上は白くて大きなモニタに3分の1ほどの面積を占領されていました。

それに加え大きなキーボードが机のド真ん中に居座っており、ノートや鉛筆たちはとても居心地悪そうにしていました。

筐体は足元付近に置かれていたため、床に届かず宙ぶらりんな足でボンボンボンボン蹴っていたのを覚えています。


父のお下がりデスクトップパソコン。OSは確かWindows2000でした。

父の趣味で我が家には何台もパソコンがあり、一人一台どころではない飽和状態であったため、まだまだ未熟な末っ子の僕の元にも立派なデスクトップパソコンが回ってきたのです。


最初はなにをするものかも一切分かっておらず、マウスのみのGUIに頼ったオセロゲームなどをして遊んでいました。

そんなある日、まるで原始人のような僕に偶然が重なり、キーボードで文字が打てることを発見してしまったのです。

「なんだ、なんでも調べられるじゃないか」と。

(改めて考えると、そんなことも教えずにパソコンを与えるだけ与えた親もなかなか凄まじいですけど)


そこからやっと、僕のインターネットライフが始まりました。

廊下の壁に貼ってあったローマ字表をいちいち確認しに行き来しながら、四六時中エッチな単語を調べていました。それが小学一年生のころ。


僕にとってのインターネットとの出会いは、革命そのものでした。

わざわざ父の部屋に忍び込んで、バレないように(どうせバレていたんだろうけど)棚の奥からパチスロ雑誌(巻末辺りにちょっとエッチな記事がある)を引き抜いてくるというリスクを冒す必要がなくなったのです。

僕はあの瞬間の胸の高鳴りを一生忘れることはないでしょう。


エロは凄まじき原動力となり、長谷川少年のローマ字学習効率を飛躍的に向上させました。

当時の柔軟さもありますが、ものの数週間で完全マスタしたことには両親もとても驚いておりました。

(その当時の独学人差し指タイピングでひたすらガラパゴス的に鍛錬を重ねていたら人並みに速くなってしまったのですが、いかんせんタイプミス等の粗には目をつぶったままでした。なので、社会人として最近になって正式なフォームに直してみたのですが、なかなか癖が抜けず苦労いたしました……)

学校で平仮名の授業を受けている間も、僕の頭の中はローマ字とエロで埋め尽くされていたのです。


ミニスカポリスを観ていたのを父親に見つかり、その教訓を活かして常に右上の×印にカーソルを合わせながら観ることを学習しました。

ですが、履歴というものを知らなかったため、どうせすべて把握されていたんだろうと今は思います。

最近、父とこの話題になったとき、父はこんな話をしてくれました。

「中学くらいのときかな。帰ってきたら屋根裏に隠してたエロ本が全部床に並べられててね。あのときは青ざめた、死のうかと思った」

「そのときお袋にはすげー怒られたけど、親父が宥めてくれてた。親父はずっと黙ってたけど、もっといい女にしたらどうだ、とだけ言われた」

時代やテクノロジは変われど、やっていることは同じだな、と。

こんな親子だから、見つかっても決して怒られることはなく、『母さんには見つからないようにもっと上手くやれ』と言われていました。


ここまで書いてきて分かるのは、その当時、僕はそこまでインターネットが好きではなかったということ。

ただの、エロのためのツール――本と同じく、媒体の1つと化しています。


会社の面接なんかではこの不純極まりないエピソードを『幼少期よりパソコンに触れ、身近にあるさまざまなテクノロジに感動を覚え~』なんて具合に捏造して美化しまくっていましたが、言っていて辛くなることもままありました。

僕はその嘘の挙句、現在では某大手通信事業会社にてネットワークの保守運用業務を行っています。

もちろんこの会社に入ったキッカケがエロでないのは弁解するまでもなくご理解いただけると思うのですが、大体のはじまりなんてそんなものだなあ、とつくづく感じています。

高校のころにバンドを始めたのだって、不純な気持ちがなかったと言えば嘘になってしまいますし。


いまではインターネットをはじめとするネットワーク技術全般が大好きで、日夜その勉強に明け暮れています。

いまはまだ誇れるような技術なり実績はありませんが、こんな僕になったよと、当時のピュアにエロを追い求める長谷川少年に伝えたら、果たして彼はどんな顔をするでしょうかね。


いまの僕は彼にこう伝えたいです。

おいマセガキ、あんまり調子に乗るなよ。

間違ってないからもっと上手くやれ、と。


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