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喇叭亭馬龍丑。日記「ロイ・ハーグローヴ」11/26(日)〜11/27(月)

2023.11.26(日)


 SNSを眺めていると相変わらず、〇〇協会とか〇〇認定士育成とか情報商材ビジネスを主戦場にしている人の投稿とすれ違うことがある。


こういう投稿に遭遇するのは、出会い頭のもらい事故、みたいなものだ。はるか昔に知り合った(顔や声すら曖昧な)人間達。感覚的には、墓所から蘇ってきた亡霊を眺めている様な気分。

文章の行間からは「お金ください」という思念が隠せないほどに溢れ出している。


 昔、異業種交流会みたいなものに何回か参加したことがある。なんとか塾、とかね。自分のビジネスの発展の為に行った訳だけど、そこで得た結論、というか教訓は「俺は人間が嫌いなんだな」ということくらい。


見知らぬ他人とざっくばらんに話すことほどキツいこともない。共通点としてはお互い「金を儲けたい」といったところ。欲望を間に挟んで話をするなんて男女の密会くらいにしておきたいものだ。


だから、もう二度と行きたくないね。あからさまなる詐欺師もいるし、そもそも交流会を仕掛けて金を稼ごう(あわよくば商材も売りつけてやろう)なんて世界、うんざりだろ?




2023.11.27(月)


 ロイ・ハーグローヴのドキュメンタリー映画を観る。二〇一八に四十九歳で亡くなる前の最後のツアーを追った密着ドキュメンタリー。ソニーロリンズやハービーハンコックといったジャズレジェンドからロバートグラスパーやエリカバドゥ、ウィントンマルサリス等のインタビューを挟みつつの一〇七分。


 七十年以降のジャズはあまり熱心に追っていないから、ロイ・ハーグローヴについて、そこまで詳しくはない。だから彼が透析を受けていたことも知らなかったし、(そのような身体での)業界への献身的なまでの貢献にも無知だった。

 ただ、ディアンジェロの『Voodoo』に参加していたトランペッターだということだけは知っている。


 トランペットを片手に、おぼつかない足取りでドアの向こう側に消えていく姿や哀しみの滲む笑顔。そういったものが相まって、映画のラストシーン近くで吹く『アイ リメンバー クリフォード』があまりにも美しすぎて…涙を誘う。

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