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喇叭亭馬龍丑。日記「ハンバーーーグ!」12/28(木)

2023.12.28(木)
「ハンバーーーグ!」

 夜、帰宅して昨日買っておいた合挽き肉を冷蔵庫から取り出す。今日はハンバーグを作る。With マッシュポテトもだ。料理は良い。別に無心になれる、とかじゃないけど、何もない皿の上に一つ一つ料理が乗っかっていくのを眺めているのは気分が良い。無から有が立ち上がっていく、その過程に携わっていると神のような気分を味わえる。―――大袈裟か。

 でも、自分で作る料理は作っている最中から味が想像出来てしまい、大幅な感動はない。「まぁ…美味いな。想定内」が基準となる。だからこそ外食店があるのだろう。家庭料理だって店レベルになればそれはそれで感動的だから。冷や奴、とかでもな。



その日一日のテンションは朝のトランペットの音出しに規定されてしまう。唇の調子が良く、綺麗に吹ければ一日中気分が良い。もし駄目ならーーーまぁ推して知るべし、である。

トランペッターの役割なんて、先陣切って突っ込んで、後に続くサックス部隊の為の地ならし用捨て駒みたいなものだ。だからこそトランペッターは明るい馬鹿が良い。俺も普段は部屋の隅で膝抱えている根暗だが、トランペットを持っている間だけは明るく、元気になれるから不思議なものだ。

 これはトランペットという楽器に元々そういう力があるのか、息を吹き込むことで自分の中の陽面が引き出されるからなのか、はたまたこのトランペットの前の持ち主が陽気なアメリカンパリピでその魂が宿っている故なのか、それは知らない。知らないけど、事実、トランペットを抱えている間だけ、「ヤーマン!」って気分だ。それはテキーラ二、三杯分に匹敵する。

 向精神作用の合法金属、それがトランペットである。どんなモノより、飛べるぜ?

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