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夜道のおしゃべり

例えば夜の道で、出会い頭の車がフッとライトを消す。
「お先にどうぞ。」

道を譲られた車は、点けていたライトを消して、またすぐに点ける。
「どうもありがとう。」

夜だからお互いの顔は見えないけれど
見えないはずなんだけれど
でもきっと、そんなときのお互いは、悪い顔はしていないはずだ。

声に出す言葉があるからこそ伝わるものもあれば
必ずしも声に・言葉に出さなくても伝わるものもある。

そのどちらも、大事なもので
そのどちらも、うまく使いこなしたいと思う。

「お先にどうぞ。」
「どうもありがとう。」

夜道のおしゃべりは、意外とにぎやかだ。

※ ※ ※

帰り道に乗ったバスで、運転手さん同士がライトで挨拶をしていました。
自分で運転するときもそうなのですが、僕はなんだか、このライトでのやりとりがとても好きなのです。

見えていないはずの顔が見える。最近、noteなどを通じてそんな経験をすることが時々あります。
チカリチカリと点けたり消したりするライトは、思ったよりもずっと遠くまで届くのかもしれません。

そんなことを思った夜なのです。
今日もお読みいただき、ありがとうございました。

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