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さぁ、自分の「守り本尊」を知ろう

守り本尊」という言葉をご存知でしょうか?
人の生まれ年の十二支により決まっている守護仏のことで、その人を一生守ってくれる存在として古くから信仰されてきました。

言ってみればドラクエでいう「鎧や盾」、鬼滅の刃でいう「藤の花」、ジョジョにおける「スタンド」、刃牙における「本部以蔵」なわけで、自分を守ってくれる仏さまを知っておくことでいざという時に背中を押してくれる心強い存在になるかもしれません。信じるかどうかは別として。

十二支について

まず初めに十二支について。
十二支とは、「(ね)・(うし)・(とら)・(う)・(たつ)・(み)・(うま)・(ひつじ)・(さる)・(とり)・(いぬ)・(い)」のことで、生まれ年により「○○年生まれ」と表現されます。
要は年賀状に描かれるあの動物たちのことです。

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桃太郎のお供が猿・雉・犬なのは十二支が関係しています。
鬼が出入りする鬼門の方角は北東(丑と寅)、なので鬼は牛のような角を生やし虎のパンツをはいています。
鬼を抑える裏鬼門の方角は南西(未と申)、なので本来ならお供は羊と猿、だったのですが羊には角があり鬼とかぶるため不合格、その次の鳥は弱いためさらに次の犬が加わり、お供は猿・雉・犬となったそうです。

自分の十二支は下記サイトなどで調べることができます。

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さて、十二支がわかった所で自分の守り本尊がどの仏さまか見ていきましょう。


子(ねずみ)年生まれのあなた

2千手観音

守り本尊 千手観音菩薩(せんじゅかんのんぼさつ)
特長 派手派手な千の手を持つ菩薩。その手には一つ一つ眼を、頭の上には十一の顔を持ち、困る人をくまなく探し無限の慈悲で生ける者すべてを漏らさず救う。阿修羅や金剛力士などが属する二十八部衆を配下とする。
有名なお寺 
奈良 唐招提寺金堂像 
京都 三十三間堂本尊像
大阪 葛井寺本尊像

丑(うし)年・寅(とら)年生まれのあなた

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守り本尊 虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)
特長 知恵と記憶力を授ける菩薩。空海が御厨人窟で虚空蔵求聞持法(虚空蔵菩薩の真言を100日間かけて百万回唱える修行)を行ったことでも有名。左手に如意宝珠を持っていることが多い。
有名なお寺
京都 東寺五大虚空蔵菩薩像
京都 広隆寺虚空蔵菩薩像
奈良 額安寺虚空蔵菩薩半跏像

卯(うさぎ)年生まれのあなた

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守り本尊 文殊菩薩(もんじゅぼさつ)
特長 元はインドで釈迦に仕えて出家した実在人物。知恵を司り「三人寄れば文殊の智恵」の諺は有名。普賢菩薩とともに釈迦如来の脇侍として釈迦三尊像と言われ、向かって右に控え獅子に乗り右手に宝剣を持つことが多い。
有名なお寺
山形 大聖寺亀岡文殊菩薩像
京都 智恩寺文殊菩薩像
奈良 安倍文殊院渡海文殊群像

辰(たつ)年・巳(へび)年生まれのあなた

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守り本尊 普賢菩薩(ふげんぼさつ)
特長 全てに賢いという意味の菩薩。女性の救済を説く法華経に登場することから女性の信仰も厚く、文殊菩薩とともに釈迦如来の脇侍として釈迦三尊像と言われ、向かって左に控え白い象に乗り左手に蓮華を持つことが多い。
有名なお寺
東京 大倉集古館普賢菩薩騎象像
大分 大山寺木造普賢延命菩薩坐像
京都 岩船寺普賢菩薩像

午(うま)年生まれのあなた

2勢至菩薩

守り本尊 勢至菩薩(せいしぼさつ)
特長 知恵の光で生あるものをすべて救済し足を踏み下ろすと台地が揺れる怪力の持ち主。阿弥陀三尊の脇侍で阿弥陀如来の右脇侍(向かって左)。首をかしげ身体をひねり片足を上げ宝冠に水瓶を付け合掌することが多い。
有名なお寺
京都 清水寺伝勢至菩薩立像
奈良 法隆寺勢至菩薩像
愛知 七寺勢至菩薩像

未(ひつじ)年・申(さる)年生まれのあなた

2大日如来

守り本尊 大日如来(だいにちにょらい)
特長 宇宙の真理そのものの根本仏と言われ密教世界観の中心に位する最高至上の絶対的存在。胸の前で印を結び螺髪でなく長い髪を結い、より人間に近づくために如来の中では比較的派手なことが多い。
有名なお寺
千葉 妙楽寺大日如来像
奈良・円成寺大日如来坐像
大阪・金剛寺大日如来坐像

酉(とり)年生まれのあなた

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守り本尊 不動明王(ふどうみょうおう)
特長 明王の最高位にあり大日如来の化身とも言われ、元は少年奴隷。その顔は親が子を叱る顔、頭の蓮の花はこの上に乗りなさいという優しい思い、人間の煩悩を焼く炎を背負い右手に剣を左手に綱を持つことが多い。
有名なお寺
京都 教王護国寺不動明王像
千葉 成田山新勝寺御本尊不動明王像
神奈川 浄楽寺不動明王像

戌(いぬ)年・亥(いのしし)年生まれのあなた

2阿弥陀如来

守り本尊 阿弥陀如来(あみだにょらい)
特長 無限の寿命を持ち、二十の光により「南無阿弥陀仏」と唱えたあらゆる人々を極楽浄土へ導くことで広く民衆から信仰されている如来。阿弥陀三尊として聖観音と勢至菩薩と並ぶことが多い。
有名なお寺
神奈川 高徳院鎌倉大仏
京都 浄瑠璃寺九体阿弥陀如来坐像
京都 平等院本尊阿弥陀如来坐像

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さいごに

以上、自分の十二支による守り本尊とその特長でした。
今の時代、自分のことを守ってくれる存在はあった方がいいし、自分の味方は多いに越したことはないかと思います。
またお寺巡りしたとき、御本尊が自分の守り本尊だったらより愛着が湧くことでしょう。
なによりも生まれながらにして既に仏に守られている、ってちょっとかっこいいし心強くないですか。
自分の守り本尊を頭の片隅においておき、お寺に参拝する際はちょっと気にしてみるとより楽しくなると思います。

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