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スウェーデン留学記#14 スーパーで見つけた変わり種の野菜たち

これは外国あるあるだと思うが、現地のスーパーを巡るのはとても楽しい。

スウェーデンでは物価が高いせいもあって、外食すると日本の倍ほどお金がかかる。だから、現地の人も留学生たちもほとんどの人が自炊だ。私も例にもれず、毎日自炊していた。もともと料理は好きなので、現地の食材を物色しながら、ありあわせの食材で和食を再現したり、現地の料理やハウスメイト達に教えてもらった料理に挑戦するのも楽しみながらやっていた。

スウェーデンで一番メジャーなスーパーはICAだろう。ルンドにも駅の近くやショッピングモールNova Lundの近くなどに何軒かあり、品揃えがかなり豊富なのでそこに行けば大抵の食材が手に入った。日本食材コーナーなどもあったので、味噌や醤油、海苔やみりんはICAで入手していた。ただ、ICAの食材は少し割高だった。シェアハウスの近くには、Lidlというドイツの業務スーパーがあり、そこの食材はICAに比べて激安だった。品揃えはICAには劣るが、日常使いには全く不自由なかったので普段の買い物はLidlに通っていた。

Lidlに入るとまず野菜・果物売り場がある。見た目で何か分かるものもあれば、初めて見る野菜や果物も色々あった。そういう時は、スウェーデン語で表記されたその名前を毎度その場でスマホで翻訳して調べていた。

Jordärtskockaはそんな野菜の一つだ。見た目はショウガとそっくりだが、どうやらショウガではない。何回か買い物で見るたびに気になっていたため、とうとうある日スマホで検索してみた。すると日本語では「キクイモ」という名であることが判明した。日本でも栽培されているらしいが、初めて聞く名だ。芋なら美味しいはず!と、買ってみることにした。

レシピを調べると、意外と色々出てくる。要は根菜なので、サラダでも煮ても焼いても揚げてもよい。ドキドキとしながら、まずはサラダで食べてみる。生だとシャキシャキとした食感で、ゴボウのような風味がする。意外と美味しい。その他、炊き込みごはんや煮物、キクイモチップスなど様々な調理方法に挑戦したが、火を通すとホクホクとした食感に変わり、どれも美味しかった。一言で表すと「ゴボウ風味の里いも」かな(写真はキクイモカレー)。

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キクイモが美味しかったのに気をよくして、次に「スープ用根菜セット」なるものを買ってみた。中にはKålrabbi(コールラビ)、Kålrot(スウェーデンカブ)、Rotselleri(根セロリ)、Majrova(カブ)、Palsternacka(パースニップ)がちょっとずつ切られて入っている。Palsternackaの見た目は「白人参」で、味は「少し甘い人参」だ。Palsternacka以外の野菜の見た目は、正直どれもカブだった。ただ食べるとちょっとずつ違いがある。Kålrabbiは「The ブロッコリーの茎の部分」、Kålrotは「カブと芋のあいの子」、Rotselleriは「セロリ風味のカブ」、Majrovaは「見た目以外ほぼ日本のカブ」といったとこだろうか。それぞれ色んな調理方法を試みたが、結局「スープ用」と書いてあっただけあって、全部混ぜてポタージュにしたら優しい味で最高に美味しかった。

結局、留学している一年の間に日本で見たことがない野菜は一通り全部試してみた。その中でいくつかをご紹介。

Sötpotatis(サツマイモ)は、半分に切ると断面がオレンジ色でびっくりした。大学芋を作ってみたら大失敗。どうやら日本のサツマイモよりも、水分が多いらしく大学芋には向いていなかったようだ。甘さも日本製よりも控えめだ。

失敗と言えば、キャベツも苦労した野菜の一つだ。キャベツは生でも煮ても焼いても美味しく、様々な料理に使われている重要な野菜の一つだ。料理のレパートリーを減らさないためには、美味しいキャベツを探さないわけにはいかなかった。

スウェーデンには4種類のキャベツが売られている。Vitkål(白キャベツ)は見た目が日本のキャベツと全く同じ。だから、最初はこれに手を付けた。ところが食べてみると、すごく硬いし繊維質だし苦い!煮ても焼いても苦味は取れなかった。そこで、次に買ったのがSavoykål(チリメンキャベツ)だ。名前の通り、表面がチリメン状だ。食べてみると、Vitkålよりはマシだけどやっぱり硬くて苦いし、私が知っているキャベツではない。残る2種類はBrysselkål(芽キャベツ)とSpetskål (スペッツコル)。Brysselkålは皆さんご存じの通り普通の芽キャベツだ。そして、Spetskålは見た目が三角コーンとかタケノコみたいに、とんがった形のキャベツだ。どう見ても普通のキャベツじゃないので、最後まで敬遠していた。ところがこれが大正解!食べてみたら、食感も味も日本のキャベツに一番近くて、やわらかくて甘かった。

ということで以後、私はSpetskålを使ってロールキャベツ、お好み焼きやコールスローサラダなど様々な料理を作ることができたのだった。

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