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餌付け

時が経つにつれて

君とリンクすることが増えていく

同じ時間

同じ場所

同じタイミング

同じしぐさ


それはきっと
試している


私を神様が試していて…

これ以上の距離を
縮めないように
理性を踏ん張らせている

なにも感じないなんて嘘


君が異性である以上

私を揺るがすのは仕方がなく


本当ならもうすこし
踏み込んだ質問や
好みや
音楽だって

知りたいのに


今のこの間隔を壊したくなくて

聞かずにいる

早合点をすれば

神様はくすりと笑い

罠にかかった私を転ばせる

鍵がかかって
君に触れられないことに
なるのなら


いっそ
少しぎこちのない

他愛もない

上辺だけの関係で

毎日が終わればいい

それなのに

私ばかり

君に話しかけては


君が無機質に返る言葉と
記号の意味を知りたくない


君が私に
投げ掛けることを

いつもしないのは

不屈の心があるから

君は本当は私の檻をあける鍵を持ってるはずでしょ?

檻をあけないで
いつも君は

隙間から餌をくれる


飢えた私は
よだれを滴ながら
あなたの手を噛む

あなたは微笑う


団長は調教がうまいこと。。


2020年11月12日作

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