父親育児1

『男の産休、義務化されたらどうなる?』に参加して

10月31日(水)参議院議員会館にて行われた『男の産休、義務化されたらどうなる?』に参加してきました。
フォロワーさんも複数参加していて色々と楽しみにしている会でした。
主催のみらい子育て全国ネットワークの皆さんをはじめ、複数の国会議員の方、専門家の方、子育て中の方、100名を超える参加者が集まった。

『義務化』というパワーワードを用いて議論の活発化を図っていたこともあり、前半はパネルディスカッション、後半はグループセッションという構成でした。
全体的に『義務化』に対する意見が極端に偏ることなく様々な視点で意見が出ていたのはとても良い印象でした。
個人的にはファシリテーターを勤められたハフポスト編集長竹下さん(@ryuichirot)のバランスの取れた回しが秀逸で参考にしたと思いました。

それでは自分なりに感じたことをまとめてみようと思います。
私が感じたのは以下の5点。




1、取得すれば良いってもんじゃない
2、本人だけではどうにもならない問題
3、当事者意識という壁
4、義務化による懸念点
5、様々な角度からの発信


1、取得すれば良いってもんじゃない
皆さんご存知の通り、日本における男性の育休取得率は非常に低いです。
もっと問題なのは取得していても非常に短期間である事と、取得したい人が取れていない事です。
今年の5月に発表された厚生労働省の調査によると、取得できたとしても5日未満の取得者が6割という現状も問題です。
更に、厚生労働省「平成27年度雇用均等基本調査」によると、育休取得を希望している男性の8割~9割が取得できていないという結果も相当に闇が深い問題です。

これだけ取得を望む人がいれば育休を取得できる環境さえ作れば良いのではないかと思ってしまう。
しかし、以前twitterで投稿したとおり取得する事が目的ではない。
当事者意識を持って関われているか、パートナーの支えになっているかという事が大切だと思う。
ここはパートナーとの会話を重ねていきたいところです。


2、本人だけではどうにもならない問題
いざ男性が育休を取得しようとしたときに、立ちはだかるのは職場。
参加者の方からも『職場の人員体制を考えると育休を取得する事は抵抗があった』という意見が出た。

個人的には組織の人員体制については組織の責任者や経営陣の責任であり、一メンバーがそれを担うものではないと考えています。
共に働く人に対する配慮は当然必要ではありますが、『だから取得しない』ではなく、『ではどうするか』を考えるべきです。

日本人が大好きな『空気を読む』という行為がこうした問題を助長しないようにしなければならないと思います。
『空気は吸って本を読め』という言葉を添えておきます。

管理者の端くれとしてメンバーが急遽抜けるようになっても業務が回る体制を作ることは日々意識しており、それがマネジメント層の重要な役割です。
実際、私のチームでも2週間前から急遽1名のメンバーが抜けていますが、業務分担を再調整してなんとか回っています。(少々残業時間が増えている事は大きな課題ですが...)
技術的に難しい職種もあると思いますが、管理者と経営層は組織の体制を柔軟に組み上げる事がこれからの社会では必要になると考えます。

参加者の方から『出産はプロジェクトで言うと長期のものになるので、事前の準備が肝心。早めの相談と検討期間の確保が重要になる』という意見には心の底から共感しました。
その為には普段のコミュニケーションから言い出しやすい雰囲気作りが必要になってきます。
これも、管理者として非常に重要な役割です。


3、当事者意識という壁
参加された議員の方から『男性は父親としての自覚が無い』(意訳)という言葉が出ました。
また同じくママさんからは『男性は外で稼いで家にお金を入れれば良いと思っている』(意訳)という言葉も出ました。
個人的には物凄く苦しい言葉ですがこれが現状です。

法が整備されても、取得しやすい雰囲気になっても、給与面のサポートがあっても、取得する人に当事者意識が無ければただの休業になってしまう。
それでは何の解決にもならない。

海外では出産前に親学級が無料で受けられたり、育休取得率が上昇した事で父親の家事関与が高まったりしているようです。
きっかけはなんであれ、自分が『親』であり家事育児はパートナーと共に担うものであるという意識を芽生えさせる何かが必要だと感じました。

グループセッションでは、男性は出産や育児について知らない事が多過ぎるというという意見が出ました。
これは一概に誰が悪いとは言いづらく、事実として知る機会が少ないというのが現状です。

かく言う私も妻の妊娠中期までは実感が湧かず、なんとなくふわふわしていた事を覚えています。
あの時は妻に寄り添えていなかったと今更ながら反省したりします。

まずはパートナーにどんな変化が起こるのか、そういった基本的な事を知る場を(強制的にでも)作る必要があると感じました。


4、義務化による懸念点
現行制度や意識に改善点がある一方で、今回のテーマである『義務化』に関する懸念点も話題に上がりました。
義務化することで労働者は自宅待機や出勤停止を命じられる事と同義の扱いになる、つまり労働権の剥奪に等しいという考えも出来る。
大げさな表現かもしれないが、言われてみればその通りだなと。

所得等の関係でパートナーが産休育休を取得しないという結論を出した家庭にも、取得が義務化がされると違った問題が起こってくる。
給付金等の制度も並行して整備していく必要があるんだろな。
選択の余地が無い制度は単なる強権になり、歪みを生むという話は盲点だった。

とはいえ、取得を選択制にすると前述の当事者意識の差がモロに出る。
当事者意識の低さから必要性を感じずに取得しないという選択をしてしまう可能性もある。
それでは何の意味も無い。

ただ一方で意識の変化を待っていたらいつまで経っても変わらないという意見も多く聞こえた。
取得させる制度を作り、当事者意識を芽生えさせる。
難しいようだがこれを目指さないといけないんだろう。

5、様々な角度からの発信
知る機会が無い、知る意欲も無い、そういった人たちにどうやって理解してもらうか。
これには色々な意見や方法があると思う。

父親初任研修の義務化を取り入れることで父親の家事育児への関与・参画を高めることが出来た国がある。
男性社員の産休を義務化したことで、1年目こそ紛糾したものの2年目以降は定着して「どのくらい取るの?」といった会話が生まれている国内企業もある。
方法は色々なんだろう。

そして伝え方もそれぞれだ。
子育ての楽しさや尊さを伝えること、母親の体調変化やワンオペ育児の危険性を伝えること、親としての役割を伝えること。

7人のグループセッションでも意見が割れるくらいだから画一的な方法では一部の人にしか届かない。
様々な角度で多様な事例が共有される事こそ必要なんだろう。

体力がある会社、社員の子育てに対して意識が高い会社、手厚い補助がある会社、そうした会社だけで改善されても意味が無い。
そこで、政府、自治体、企業に任せるだけでなく産育休を取得した・しなかった父親が積極的に発信していく事が必要だと思う。
SNSで誰でも想いを発信できる今だからこそこれが可能だと思う。

育休取得の意向を会社に伝えたら嫌がらせに近いような配置転換を命じられた人がいる。
育休の取得を拒まれ、『父親になる権利』を奪われている父親もいる。
そしてそれを乗り越えた人がSNSにはいる。
そういった人の声はとても貴重でもっと取り上げられるべきだと思う。

自分はSNSで情報を発信するようになってから色んな意見に触れて自分の考えを組み上げてきた。
心が軽くなったり、新しい知識を身に付けたり、時には意見が対立したり、そうした交流を繰り返して育児を乗り越えてきた気がします。
更には母親目線の意見に触れることも自分にとっては大きな経験になっています。

だからこそ、自分が出来る事として微力ながら発信は続けていきたいし、誰かの気付きになればそれに越した事は無い。


ダラダラと書きましたが以上が私の感想です。

偉そうな事を言いながら自分も合計5日間しか育休を取得しておらず、長期間のサポートはできませんでした。
妻との話し合いの結果ではあったものの、今にして思えば妻と実家に甘えていた部分はあったと思います。

前述のように、本来の目的は産育休は取得する事だけではなくパートナーと共に親として子育てに携わる事だと考えています。
その方法には正解は無く、最適解を導き出せるのはその家族しかない。
どちらかだけに任せるのではなく、家族で育児を行う解を導き出して欲しいと思います。
そしてそれぞれの家庭に合った選択が出来るようになる、それが理想だと思います。

個人的には現状の発信に加えて新しい活動が出来ないか考えているところです。
自分の育児をもっと良いものにする為にも自ら動き出す事が必要だと思っています。
それはまた少し先の話かな。

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