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「ホテル・ニューハンプシャー」に想うこと

村上春樹が好き

最近はあまり読んでないのですが、高校から大学時代一番読んだ作家の本は村上春樹だと思う。
きっかけは、高校の国語の授業で担当教師が世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランドをつかったことでした。
当時の自分は世間とのギャップに鬱屈としてた時期だったので、世界の終わり側の世界観にひどく共感したのを覚えています。

そこから先は一気に他の作品を読み、当時発売されてたねじまき鳥クロニクルも読み漁り、という感じ。彼の作品を全部読んだあとは(全集のみに収録されてるバージョンの短編も全部)、彼のエッセイを読むようになりました。そこで紹介されていたのが、ジョン・アーヴィングでした。

それまでアメリカ人の作家と言ったらスティーブン・キングやアーネスト・ヘミングウェイくらいしか知らなかったので、早速読んでみようと思い、「ホテル・ニューハンプシャー」という作品にたどり着いたというわけです。

「ホテル・ニューハンプシャー」が教えてくれたこと

どんな話かと言うと、ホテル経営を夢見る父親の夢を叶えようと家族総出で奮闘するファミリードラマのような話だったと思います。
色々面白い展開をするのですがネタバレになるので内容にはあまり触れません。

大事なのは、父親のホテル経営の夢が人生のいろいろな局面での救いになり、人生を切り開いていったことでした。

この作品を読んで強く感じたのは、「ビジョン」ってめっちゃ大事だよな、ということでした。
もし「ビジョン」がなかったら、この一家は離散してたかもしれないです、いや100%そうなってたと思います。

「ビジョン」なき人生だと、歯車のように淡々と同じ一日を繰り返すだけの人生に簡単に陥ってしまうなとも感じました。人は機械じゃないです。欲望に駆り立てられて自律的に歩く生き物です。

この作品は、人間らしく生きるにはビジョンて大事だし(それが他人から笑われてしまうような突拍子もないものであっても)、そのビジョンが良いものであれば、そこに共感してくれる人が自然と集まるし、人生をドラマチックに彩ってくれるものなのだ、と教えてくれました。

読んでみたいなと思った方はこちらからどうぞ。別にアフィリエイトとかそういうのではないです。

振り返り

さて、今の自分に振り返ってみます。自分の未来像を妄想して、そこに向かって歩めているだろうか?と。

それがないと、時代に翻弄されて誰かに動かされるだけの存在になるか、同じ毎日をただ繰り返すだけの存在になってしまいます。

なんとなくのビジョンはあります。今の生活で不合理だなと思うことは多いし、その状態をいつまでも我慢したいとも思わないし、なんとかして変えたいなと言う気持ちのものがいくつかあります。

ただそれらは妄想の断片でしかないので、ビジョンには至ってないなというのが正直な思いです。

このマガジンを書こうと思ったきっかけは、妄想の欠片を集めることで、ビジョンが生まれるんじゃないかなという期待をしたからです。

ビジョンの先に待っているもの

欠片を集めて生まれたビジョンが実現可能性の高いものであれば、それに向かって今足りてないものを集めるための試行錯誤(will-can-mustでいうところのwillです)が始まるし、実現可能性が低いものであっても、人々の共感を集めるものであればそれはコンテンツになるんじゃないかなと思っています。

コンテンツはクリエイターの妄想やビジョンにどれだけ共感できるかで、その大きさが決まると思っています。逆に言うと、日々妄想してないとコンテンツなんか生まれないと思っています。他人の妄想(コンテンツ)を消費しているだけではただのコピーしか生まれないと思います。

妄想は人生を切り開く「ビジョン」にもなるし、「コンテンツ」になりうる可能性も持っています。

みなさんも妄想、してみませんか?


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