みつこさんの言葉

今年もVOGUE Fashion’s Night Outは大盛況だった。
そしてぼくは、今年のVOGUE Fashion’s Night Outを複雑な想いで迎えた。

三年前のVOGUE Fashion’s Night Outの話

ぼくは環境省でアンバサダーをさせていただくようになって４年になるが、その期間で最も複雑な想いになったのは、三年前のVOGUE Fashion’s Night Out（以下FNO）だった。
三年前のFNOは、世界のファッション界の帝王カール・ラガーフェルド氏のブランドが日本にやってくるタイミングで、FNOのメイン会場では盛大な前夜祭が行われ、ぼくは光栄なことに、カール氏のキャラクターを描かせていただき、前夜祭にも参加させていただいた。シャンパンタワーが並び、色とりどりの食べ物や装飾が並び、とても華やかな空間だった。
そして翌日のFNO当日。ぼくは埼玉県の小川町というちいさな町で開かれる野外のオーガニックフェスに、環境省アンバサダーとして登壇していた。
森に囲まれアコースティックライブを聴く。スマホを開くと、東京では友だちたちがFNOをキラキラとして楽しんでいる。ぼくは一人、なんとも言えない気持ちになり、いつか環境省とFNOの取り組みが一緒にできたらなと思ったのだ。この想いは、環境活動家でないのにアンバサダーをさせていただいている自分が貢献できるものだと考え、アンバンサダー活動をするモチベーションのひとつになった。

一年前の話

一年前、日頃お世話になっているVOGUEGIRL、占い師しいたけ.さんがムック本を作られ、その打ち上げがあり出席させていただいた。
目の前に座っているのは、VOGUE、VOGUEGIRL親元のコンデナストジャパン副社長。これは直接想いを伝えねば！と神様も（無神教だけど）、隣に座るしいたけ.さんも応援してくれている気持ちで、「次のFNOはもっと地球環境に配慮したものにしませんか」と伝えたのだ。ただの一アーティストがなんということを！あぁ、今思い出してもドキドキ。
しかしながら彼は大変興味を持って耳を傾けてくださり、後日、いつもお世話になっている環境省の方々とお会いしていただけることになったのだ。

今年の夏の話

環境省の方々にも大変関心を持っていただいた。この夏日本で開催されたG20では、海洋プラゴミからきれいな繊維を生み出せる世界的企業の日本環境設計社とともに、ブースも出させていただいた。FNOのテーマも「Fashion × Sastainability」に決まったということで、少しずつであるけれど、たくさんの方の想いと努力が渦となって、動き始めた。

今年のVOGUE Fashion’s Night Outの話

そして今年のFNO。三年前華やかな前夜祭の場所となった会場では、「Fashion × Sastainability」のテーマのもと、渡辺三津子VOGUE編集長と環境省環境特別広報大使の柴咲コウさん、そして環境省アンバサダーの盟友鎌田安里紗ちゃんがモデレーターとなりトークショー powered by 環境省が行われた。ファッションとサステナビリティ、両方を熟知されていている三名によるトークショーは、とてもバランスが良く上質で、うっとり聴き入ってしまう素晴らしいものだった。うるっと感動してしまった。本当に素晴らしかった！

新しい時代の話

それでは、どうしてぼくは複雑な想いだったのだろうか。答えは明確で、三年前に感じた複雑な想いや、一年前にドキドキしながら伝えた想いは、自分の力不足でまだまだ解消されず、そして、これがゴールではないなと感じたからだ。むしろこれからが、新しい時代のスタートだ！（まあ、サステナビリティとか言うのが当たり前過ぎて声高に叫ぶものでない時代になるのがいちばんだけど）　

みつこさんの言葉

最後に、今回のトークイベントで、渡辺三津子VOGUE編集長の言葉がとても印象的だったので紹介したい。
「これからのファッションにおいて、ラグジュアリーをどう考えるか」という質問について、彼女はしばし考えて
「自分にとってのラグジュアリー」
「自分にとっての豊かさ」
という言葉を使って返答した。
なるほど、環境省アンバサダーとして地球環境のことを考えるようになって、これまで多く仕事で携わってきたラグジュアリーをどう考えるか本当に答えが見つかっていなかったぼくにとっては、すっと肩の力が抜ける穏やかで素敵な言葉だった。

おわりの言葉

そんなわけで、来年のFNO、それに限らなくとも、環境省アンバサダーとして一アーティストとして、自分の感性を大切に、少しずつでも良いことが積み重ねていけたらなと思います。

来年は２０２０年、また新しい景色が見えますように！

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