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ある朝と、その奥にある思い出

夏の匂いがした気がした。

朝、目が覚めると、すきなひとはもう起きている。

仕事に行く服を着て、化粧の途中。

陽射しがまぶしい。

支度をして一緒に家を出る。

今日は暑い。
外に出ると、やっぱり暑い。

晴れた空にあったかい風。


あーーーーやっぱりなあーー。マスク外したくなっちゃう気持ちのいい天気。こんな日はぜったいいい匂いがするんだ。太陽であっためられた、心地よい匂い。

…ちらっ。

ちょっとだけマスクをはずしてみた。
やっぱり、いい匂い。

すきな匂いだ。

なんだろう、、なんとなくなつかしい匂い。

そもそも、このくらいの季節は、だいたいどの年代でも、新しい学年なり年度がはじまったばかりで、すこし感覚が敏感になってるから、匂いとかそういうものもよく覚えている。なんとなく切ない気がするのは、そのせいなのかなあとおもう。

でも、切なさの奥に圧倒的にたのしい記憶が・・・

ああ、去年パートナーと一緒に京都や大阪に行った季節がきたからだ。

初めてパートナーの仕事について行った京都、
初めて一緒にコブクロのライブをみにいった大阪

その土地に初めて行く季節というのは、とても印象深くなる。ましてだいすきなひとと歩いて感じた空気や匂いは、こんなにもしっかり残っているんだなあ、、

あーーーー旅行に行きたい。

わたしのすきなひとは、派手な格好がすきだ。
わたしはそれに負けじと派手な柄を選んで並んで歩くのがだいすきだ。

旅行となると、お互いそれはもう張り切って服を選ぶ。
ホテルや交通機関を予約した日から、旅行ははじまっている。

前日なんてお祭り騒ぎだ。

ああ、たのしかったなあ、、
今は、思い出すことしかできない。

思い出すものがあるのは、しあわせなのかもしれない。
だけどやっぱり、今年のパートナーは、旅行先でこの季節に、どんな格好をするのだろう、どんなカバンかな、そしてどんな、表情を見せてくれるのかな、、そんなことを考えてしまう。

だけど、こんなにも家でのんびりした空気をまといながら、ゆっくりパートナーの顔を見ることもなかなかない。

今はゆっくり、どんな場所に行きたいか、話しながらお昼寝でもしたいね。

そんなことを考えていたら、職場の最寄りについた。そんな、朝のぼんやり。今日も一日おつかれさまでした。

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