文字を読むために【文字認識のための積み上げについて】
こんにちは,umenoです.
文字を読めるようになることは,生活するうえで大切なことですね.特に年長さんの親御さんは文字を読めるかどうかということを気にされている方が多いです.もちろん就学を控えているということがあるためです.ただ,文字を読めるようになる時期は個人差があり,また本人の色々な特性も関係してくるため,この時期はこうすると良いということは言いにくい印象があります.しかし,文字を読む力の獲得は発達の連鎖であり,繋がりがあります.今回は文字を読むことが出来るまでの発達の繋がりという点でまとめてみました.ここに書いたことは私が普段実践していることの一つです.幼児期のお子さんがいる親御さん,教育や療育関係者の皆さまの参考になれば幸いです.
1) 形をみることができること
まず,実物の物の認識ができることが必要です.そして,物の名前がわかるということも必要です.
2) 形を区別できること
型はめパズルなどを使用して形の区別ができるか確認します.
3) 平面の図形を区別できること
実物ではなく,紙に書かれた図形を区別できるか確認します.実物とは少し遠いようなシンボル的なイラストの認識ができるかどうかなどもみていきます.
4) 名前に使われているひらがなを「パッケージ」として区別できること
幼稚園や保育園では自分の名前の横にわかりやすくシンボルをつけたりしますね.この段階ではそういったシンボル無しで,自分の名前を大体ひらがなで見覚えがある,知っているという状態か確認します.なぜここで「名前」なのかという点ですが,頻回に繰り返しみるひらがなだからです.何かを覚える時は,興味関心がつよく,頻回にみるものが一番だからです.
5) 名前に使われているひらがなを,一文字ずつ認識できるようになること
例えば,スーパーで買い物をしていて,「きゅうり」という値札を見た時,「あっ,ぼくの名前の『き』だ!」といったことが言えるかどうかです.もしこの段階が難しいのであれば,スーパーや町中でみるひらがなで,名前探しをして遊びましょう.
6) 名前以外でも自分の興味のあるひらがなを認識できるようになること
恐竜が好きな子,車が好きな子さまざまです.そのため,お子さんが好きなものを中心にひらがなを覚えるようにすると効率的です.50音表をお風呂にはることも良いとは思いますが,好きなものから入った方が本人も積極的になり,覚える幅も広がる印象があります.
7) ひらがなを見て入れ替えたり,しりとりのような音韻操作で遊べるようになること
ここで,「文字は入れ替えることが出来る」ということを認識してもらいます.ある程度文字を認識できるようになったら,しりとりを紙に書きながら行うこともよいと思います.「頭の文字,おしりの文字」という説明は言葉だけではわかりにくいからです.やはり遊びの中で覚えることが一番良い印象があります.
8) 拗音や撥音などの特殊音節を正しく読めるようになること
就学後もここで間違えるお子さんが多くみられます.就学後は音読課題がほぼ毎日でますので,正しく読めているか親御さんに確認して頂くことが一番かと思います.苦手さがあっても決して責めず,「きゃ」のつく言葉は何かな?などことば遊びを通して正しく読めるよう教えていってください.
9) まとめ
幼児期初期からの発達の繋がりに焦点を当ててまとめてみました.もちろんお子さんによって順番通りではないといった方もいると思います.一つの例として参考にして頂けたら幸いです.
本日も最後まで読んでいただき,ありがとうございました.