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信用創造「資金運用・調達」の視点②

前記事では、「実務で大事な点は”ノーリスクで+0.1%金利、0%金利は死守だから、日銀当座預金の2層・マクロ加算残高額が大事だよ」、言い換えると「理論的な準備預金残高の議論って、実務としては”おとぎ話??”」と紹介しました。

《実務で大事な点②》

貸出時に、あるいは貸出前に
その額が必要か否か?

この点も「資金運用・調達の視点」からは
支店長視点の又貸し論否定論者とは全く違うように見えています。

「自行預金に貸出額を入金記載すれば貸出終了」というのはあくまで支店長の視点で、資金運用の視点では「いやいやそれはプロセスの一部で貸出業務は他銀行との決済完了まででしょ」と。

日銀総裁が「貸出金と預金は同時に発生する」と言っても、「それはその通り。でも、貸出決定の時点でその額が不要とは言えないよね?」と。

この記事で紹介したように
「銀行間決済で、その瞬間に全額必要となる」場合もある、と。

 つまり、貸出全額が他行振込もある話だから
事前に貸出額が日銀当座預金には必要(な場合もある)
という意識になりますよね。。。

《「事前に必須」が理解できなかった》

当初僕は支店長の視点だったので
「事前に原資が必要」意見に賛成できなかった。
下記の意見に賛同していました。
 「事後調達でもいいでしょう」「『厳密に事前必須』と拘る理由が分からないなぁ…」と。

ステップ1)自行の預金記載で信用創造が完了
ステップ2)現金引き出し、他行振込とかいろいろあるよね、と。
「信用創造=ステップ1で完了」という支店長視点だった訳です。

《「資金運用・調達の視点」で見れば…》

ということで
元々の「支店長視点での説明」も納得してるし
それに追加して
「資金運用・調達の視点」での説明もバッチリ理解した、と思います。

”貸出時にはその額が必要”
 それはつまり
”貸出には原資が必要”
 と理解すれば
”「貸出時に原資が必要」という又貸し論が正しい”
 という結論にもなる。

「自分も正しい」し「相手も正しい」。
「自分を正当化する」ために「相手を否定する必要はない」。

「自分も相手も、両方正しい」
前提や視点や定義が違うのだから、当然で、その違いを明確にしていくことに価値があるなぁ。

両方を肯定できたところで
次が最後の信用創造についてです。(不安…)

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