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1855年のMMT。カール・ディーツェル。

あまりの衝撃。
世間に紹介、Wikipedia執筆を猛烈にしたくなった。
2人の人物を紹介したくて。

ドイツ財政学のパイオニアの一人、カール・ディーツェル。
ドイツ財政学、ディーツェルなどを紹介してきた池田浩太郎氏。

ディーツェル(1855)がMMTの源流?

ディーツェル国民経済~タイトル

1855年、明治維新より前。
ドイツ財政学のパイオニア、カール・ディーツェル(Karl August Dietzel)の代表作。
この中で『公債こそが他の方法では達成不可能な国家支出の増加を可能』にし、それ抜きに豊かな生活を享受することは不可能であった、と述べている。

 その支出が多きいことへの批判は「国家信用の拡大そのもの」に向かうべきものではなく「政治目的や意図、あるいは政府の無能」に向かうべき批判である、と。 PDFダウンロードリンク

ディーツェル国民経済抜粋1

彼は財政学、特にドイツ財政学のパイオニアである。
にも関わらず、”公債は本質的に良いもの”との主張をしていたカール・ディーツェル氏はマイナーな存在と言えよう。
また、彼の主張は「財政学の主流に敵対するもの」として封印されてきた?とすら思う...。

しかし、MMTに世界の関心が集まる中で、彼の存在は今一度評価されてしかるべき。

2013年の英語論文「長い19世紀の経済思想における政府負債」(ワーキングペーパー;Holtfrerich, Carl-Ludwig)によれば...

ディーツェル再評価

池田浩太郎の功績、もっと光を。

カール・ディーツェルを積極的に紹介(上記の名著翻訳は1973-75年の3年間)してきた池田氏。
彼の氏である、井藤半彌氏は一ツ橋大学学長になるなどWikipediaにも紹介があるものの、池田氏の記録は少ない。

池田浩太郎氏の「わが国の公債の成立ー明治初期公債政策ー」においてはこんな記載がある。

金札は公債

『...本質においてはあくまで流通手段たる紙幣にあると考えねばならない。
…ただ大政官札発行は本来借入でも公債でもないが公債類似の性格と作用をももった点だけを注意しておけばたりるであろう。』

『そして、明治維新の財政を記述するものは異句同音に「明治政府の財政はまず政府紙幣と借入金とに出発した」 (大内兵衛「日本財政論」公債篇、昭和七年、二二ページ)旨をつげている。
 まことに「紙幣と公債は、明治政府財政をささえた支柱であり、紙幣と公債によって維新の変革は成しとげられ新しい政治が発足しえたのである」』

まさに歴史の研究は目の前の現実理解のためにも圧倒的な力があるなぁ...。

ーー

Carl Ditzel


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