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「夢」と「志」 - 時代の変化を映す言葉

 言葉は時代とともに変化し、その使い方も少しずつ移り変わっていきます。私自身、特にそれを感じているのが「夢」と「志」という言葉です。

 昔の生活では、「夢」よりも「志」という言葉が重んじられていました。「志」とは、人生の目標や理想を意味する言葉です。江戸時代の武士道では、誇りと責任を持って生きることが強く求められ、「志」を立てることが重要視されていました。
 一方、「夢」は現実から遠く離れた空想のようなイメージがあり、実現が難しいものと捉えられがちでした。

 しかし、現代社会では「夢」という言葉がより一般的に使われるようになってきました。夢は、希望や目標を表す言葉として前向きな意味合いを持つようになりました。自己実現を重視する風潮の中、「夢を追う」ということが尊ばれるようになったといえます。

 この変化には、日本文化と海外文化の影響も考えられます。日本では伝統的に「志」が重んじられてきましたが、欧米文化の影響を受けて「夢」という言葉が浸透し始めました。
 一方、海外でも日本のアニメやゲームの影響で「夢」という言葉がポジティブな意味合いを帯びるようになったといわれています。

 文化の行き交う現代社会では、「夢」と「志」の両方が重要な概念として存在しています。ただし、現代人には「夢」の方がより身近な言葉として定着しているようです。
 時代とともに変化する言葉の意味合いを知ることで、私たちの価値観の変化にも気付くことができるかもしれませんね。

参考文献
『武士道』新渡戸稲造 (1899年)
夢を現実にする方法』トニー・ロビンズ
日本のポップカルチャーの魔法

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