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PNGとJPEGの違い

 日常生活において、画像ファイルを扱う機会は多いですよね。
 そんな中で、ファイル形式としては、主にPNGとJPEGの2つの形式を見る機会が多いと思います。
 しかし、これらの違いについて理解し、きちんと使い分けが出来ているという人は意外に少ないのではないでしょうか。
 本記事では、これら2つのファイルの特性について解説していきます。


それぞれのファイルの特性

1.圧縮アルゴリズム

 PNGとJPEGは、異なる圧縮アルゴリズムを使用しており、画像の品質とファイルサイズに大きな影響があります。

PNGの圧縮
 
PNGは無損失圧縮アルゴリズムを使用しているため、ファイルを圧縮しても元の画像データが全て保持されます。これにより、圧縮中に画質が低下することがなく、高精細で正確な画像を保つことができるので、PNGは高品質が求められる画像に適しています。

JPEGの圧縮
 
一方、JPEGは、損失圧縮アルゴリズムを使用しています。圧縮時に一部の画像データが捨てられるため、圧縮率が高くなる反面、画質が低下します。特に細かい部分や輪郭部分で、この画質低下が目立ちます。

2.透過性

 PNGとJPEGの大きな違いは、透過性の有無です。

PNG
 PNGは透過性をサポートしており、画像の一部を完全に透明または半透明にできます。このため、PNGは不規則な形状のロゴやアイコンなどの画像に適しています。

JPEG
 
JPEGには透過性がなく、RGBカラー情報しか保持できません。そのため、透過性が必要な画像にはJPEGを使えません。

3.色深度

 PNGとJPEGでサポートされる色深度も異なります。

PNGの色深度
 
PNGは24ビットRGB、48ビットRGB、64ビットRGBAなど、幅広い色深度をサポートしているため、鮮やかで正確な色の再現が可能です。

JPEGの色深度
 
JPEGは通常8ビットの色深度ですが、24ビット色深度にも対応できます。ただし、損失圧縮のため、JPEGの画像では色ムラやアーティファクトが発生しやすく、特に微妙なグラデーションの部分で目立ちます。

圧縮アーティファクト

 圧縮時に発生する歪みや異常をアーティファクトと呼びます。

PNGのアーティファクト
 
PNGは無損失圧縮なので、圧縮によるアーティファクトは生じません。つまり、PNGの画像は元の画質を損なうことなく維持できます。

JPEGのアーティファクト
 
一方で、JPEGの圧縮では高い圧縮レベルでアーティファクトが目に見えるレベルで発生します。これらは、詳細な部分や高コントラストの領域で、ブロック状の歪みやぼけとして現れます。

用途

 それぞれの長所と短所を理解することで、適切な形式を選ぶことができます。

PNGの用途

 PNGは透過性が必要な画像や、無損失圧縮が求められる場合に適しています。ロゴ、アイコン、輪郭がはっきりしたイラストやグラフィックスなど、品質を維持することが重要な画像に使われます。

PNGの使用例

  • ロゴ:透過性と鮮明さが求められるため、企業ロゴなどにPNGが適しています。

  • アイコン:アプリやウェブサイトのアイコンは、シャープな輪郭とわずかな透過が必要なため、PNGが理想的です。

  • 線画:塗りつぶしのない線画イラストは、PNGを使うと滑らかな線を保つことができます。

  • グラフィック:図形、チャート、ダイアグラムなどの単色で構成された画像は、PNGを使えば色ムラなく表示できます。

JPEGの用途

JPEGはデジタル写真や複雑なグラデーションを持つ画像に広く使われています。高い圧縮率で画質を維持できるため、オンラインでの写真共有に最適です。

JPEGの使用例

  • 写真:デジタル一眼レフやスマートフォンで撮影した写真は、JPEGが一般的に使われています。

  • 風景:自然な色調の疎密があり、若干の圧縮による劣化が目立ちにくい風景写真は、JPEGが適しています。

  • Web画像:ウェブサイトでは画像ファイルサイズを小さく抑える必要があるため、JPEGが広く採用されています。

  • 印刷物:雑誌や広告などの印刷物でも、JPEGが一般的に使用されます。

まとめ

 ご紹介したようなそれぞれの特性を理解し、PNGとJPEGを適切に使い分けることで、デジタル画像の品質、ファイルサイズ、用途に合わせて運用していくことが大切です。

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